100万トークンに標準対応するオープンソースAI「GLM-5.2」発表、長期タスク実行力で商業最先端モデルに肉薄
要点
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Z.ai(智譜AI)が、長時間の複雑なプロジェクト開発に特化したオープンソースモデル「GLM-5.2」を発表した。
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100万トークンの広大なコンテキスト窓を実用的に維持し、実際の開発現場を想定した長文脈トレーニングが施されている。
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処理性能と応答速度のバランスを調整できる「エフォートレベルコントロール」機能を搭載する。
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4つのレイヤーでインデクサーを共有する新アーキテクチャ「IndexShare」により、計算コストを大幅に削減した。
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複数の主要なコーディングベンチマークにおいて、クローズドソースの最先端モデルに匹敵する極めて高い性能を記録した。
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リード文:
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AIスタートアップのZ.aiは2026年6月16日(現地時間)、長時間の複雑なタスク処理に特化した最新のフラッグシップ大規模言語モデル「GLM-5.2」を発表した。前モデルであるGLM-5.1の機能を大幅に向上させ、100万トークンの広大なコンテキスト窓(AIが一度に理解・処理できる情報量)を安定して維持できるのが特徴だ。本モデルはGitHubやHuggingFaceにて、MITライセンスのもと地域制限なくオープンソースとして提供が開始されている。
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本文:
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開発元であるZ.aiは、長時間のタスクをサポートするためには、単に一度に扱えるトークン数を増やすだけでなく、エンジニアリング現場で実際に機能する長文脈(ロングコンテキスト)設計が必要であると説明する。GLM-5.2では、AIが自律的に作業を行うコーディングエージェントの複雑で乱雑な思考プロセスにおいて品質を維持するため、大規模なシステム実装、自動調査、パフォーマンス最適化、高度なデバッグといった実際の開発シナリオをカバーするトレーニングを大幅に拡張した。
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このアプローチの成果は、長時間の開発タスクを評価する3つのベンチマーク結果に表れている。数時間から数十時間にわたるオープンエンドな技術プロジェクトの遂行能力を測定する「FrontierSWE」において、GLM-5.2は「Claude Opus 4.8」にわずか1%差まで肉薄し、「GPT-5.5」を1%上回る性能を示した。さらに、H100 GPUを用いて小規模モデルの事後学習による改善度を競う「PostTrainBench」でも「GPT-5.5」や「Claude Opus 4.7」を上回り、「Claude Opus 4.8」に次ぐ2位を記録している。コンパイラ(人間が書いたプログラムを機械語に変換するソフトウェア)の構築やOSのカーネル(ハードウェアとソフトウェアを仲介する中核部)の最適化などの超長期開発を評価する「SWE-Marathon」においても、オープンソースモデルとして最高位を獲得した。
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標準的なコーディングベンチマークでも進捗が見られる。コマンドライン操作の正確性を測る「Terminal-Bench 2.1」では、前モデルの63.5から81.0へと大幅にスコアを伸ばし、「Claude Opus 4.8」の85.0に迫りつつ「Gemini 3.1 Pro」を上回った。また、ソフトウェアのバグ修正能力を評価する「SWE-bench Pro」でも62.1(前モデルは58.4)を達成している。
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操作性においては、ユーザーがタスクの難易度に応じてモデルの思考の深さを調整できる「エフォートレベルコントロール」が新たに導入された。処理速度やコストを優先するレベルから、より難度の高い課題に対して追加の計算リソースを割り当てる「Max」レベルまで段階的に選択可能であり、柔軟な運用を可能にしている。
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これらの高い処理能力と低コスト化を両立させているのが、技術的な工夫である。長文脈処理に伴うアテンション計算の負荷を軽減するため、新アーキテクチャ「IndexShare」が採用された。これは、DSA(必要な情報に絞って計算を行うスパースアテンション技術)において、4つのTransformerレイヤー(AIモデルの基本構成単位)ごとに軽量なインデクサーを共有・再利用する仕組みだ。これにより、100万トークン処理時における1トークンあたりのFLOPs(浮動小数点演算の実行回数)を2.9倍削減することに成功した。
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また、投機的デコーディング(軽量なモデルが仮の出力を生成し、本体モデルで検証することで生成を高速化する手法)を担うMTP(複数トークン予測)レイヤーも改善された。IndexShareとKVキャッシュ(過去の計算結果を一時保存するメモリ領域)を共有する「KVShare」を導入したことで、従来のトレーニング時と推論時のズレを解消し、トークンの受け入れ長を最大20%向上させている。
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補足:
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GLM-5.2は、オープンソースでありながら商業的なクローズドソースの最先端モデルに肩を並べる実用性を実証しており、今後の開発現場におけるAIエージェントの活用方法に大きな選択肢を提示したと言える。