2人の対話にAIが参加するコミュニケーションアプリ「Twoo」が登場 上海発スタートアップが人間関係を支援する“第3のメンバー”として展開
要点
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上海のスタートアップbeing being private limitedが、2人のユーザーの対話にAIが参加するコミュニケーションアプリ「Twoo」を展開している。
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従来の1対1のAIコンパニオンとは異なり、2人の人間と1体のAIキャラクターによる3者チャットを形成し、相互理解や共同作業を促進する。
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会話の文脈を蓄積して関係性を把握する「記憶・理解・行動」の3段階システムや、リマインダー、共有ノートなどの機能を備える。
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当初のカップル向けから友人やSNSを通じたパートナー探しへと利用が拡大しており、アバター衣装課金や高機能プレミアムプランによる収益化を模索している。
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人間関係におけるコミュニケーション課題の解決を目指し、北米のほか日本や韓国をターゲットとした海外展開を準備している。
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上海を拠点とするスタートアップであるbeing being private limitedが、2人の人間の関係性にAIが参加するコミュニケーションアプリ「Twoo(トゥー)」を展開していることが、海外テックメディアTechNodeによる同社創業者へのインタビューで明らかになった。従来のAIコンパニオン製品とは異なり、人間同士の対話にAIが「第3のメンバー」として加わり、意思疎通や共同の活動を円滑にすることを目的としているという。
1対1の会話を支援する「第3のメンバー」としてのAI
Twooを開発・運営するbeing being private limitedは、AIと感情的価値の融合に注力してきたチームである。同社は、AIを単なる生産性向上ツールや個人の話し相手にとどめず、人と人とのインタラクション(相互作用)へと拡張することを目指している。
創業者であるCobe Chen(コーブ・チェン)氏によると、同社は当初、人間がAIと友情を築くAIコンパニオン領域の検証から開始したものの、人と人との対話においてもAIが役割を果たせると気づいたという。現実の人間関係における衝突の多くは、愛情の欠如ではなく理解の不足によって引き起こされると同氏は指摘する。頭の中に10の考えがあっても実際には2〜3程度しか伝えられず、限られた情報から相手の意図を推測することで誤解が生じやすいという課題に対し、TwooはAIを活用してコミュニケーションのギャップを埋めるアプローチをとる。
一般的なAI製品のように1人のユーザーに対して1体のAIが応答するのではなく、Twooでは2人のユーザーが1つのAIを共有する。タコの姿をしたAIキャラクターと2人のユーザーが3者グループチャットを構成し、AIは会話の中心になるのではなく、関係性のオーガナイザー(整理役)やファシリテーター(進行役)として機能する。会話中に生じた疑問に対しても、ユーザーが外部の別サービスを開くことなく、共有された文脈に基づいてAIが直接対話に参加し、共通の関心事や目標を特定していく仕組みとなっている。
記憶から行動へつなげる3段階のシステムと共有機能
Twooの中核機能の1つが「共有メモリ(Shared memory)」である。同チームは、AIが人間関係を理解するプロセスを「記憶(Remembering)」「理解(Understanding)」「行動(Taking action)」の3段階で説明している。
第1段階として、共有空間で行われた会話はAIが継続的にアクセス可能な文脈情報となる。ただし、発言をそのまま記憶するだけでは不十分であり、第2段階として、長期間にわたり蓄積された断片的な情報をもとに、ユーザーそれぞれの性格や興味、2人の関係性を徐々に理解していくという。
さらに第3段階として、会話を行動へと転換させる仕組みを備えている。アプリ内には共有ノートブックやリマインダー機能が用意されており、週末の共同プランや学習目標など、チャット内で話し合われた内容を現実世界の活動に移すことができる。人間関係は対話から始まるものの最終的には行動を通じて維持されるという考えに基づき、単に対話を増やすだけでなく、2人が協力して物事を達成することを支援する設計となっている。また、アプリ内では2人で共有するバーチャル空間をカスタマイズして装飾する機能も提供されている。
カップルから見知らぬ人同士へ広がる利用シーン
Twooは当初、カップルや親友といった親密な関係性を主な対象としていたが、ユーザーによる活用法の広がりに伴い、家族、一般的な友人、アクティビティの仲間、さらには見知らぬ人同士へと利用層が拡大している。
Chen氏によると、この拡大はユーザー自身によって主導された部分が大きいという。中国のSNS「小紅書(Xiaohongshu)」上でTwooを一緒に使うパートナーを募集し、見知らぬ人をアプリに招待する動きが見られており、インターネットの黎明期にQQ番号(中国のメッセージングサービスのアカウントID)を交換して新しい友人を作っていた時代のような現象が起きていると同氏は述べている。現在、同社はコアユーザーの定義を年齢や関係性の種類ではなく、「人間関係の中にAIを受け入れる意欲があるかどうか」に置いている。
また、既存のメッセージアプリであるWeChat(微信)とTwooとで、同じ相手であっても振る舞いが変化するという報告も寄せられている。Twoo内ではより遊び心のあるリラックスした態度になり、2者間のやり取りがエンターテインメント性を帯びる傾向があるという。同チームは、Twooの体験を「個人間のプライベートチャット」と「グループチャット」の中間に位置づけており、1対1の対話以上の自発的な相互作用を生み出しつつ、実在の第三者を加えるよりもプライバシーや安心感を保ちやすい環境を提供できるとしている。
感情的価値と実用機能を軸としたビジネスモデル
収益化に関して、Twooは現在2つの主要なアプローチを検証している。
1つ目は、感情的価値のマネタイズである。AIキャラクターである小さなタコ向けに、ユーザーはアプリ内トークンである「shells(貝殻)」を購入し、さまざまな着せ替え衣装をアンロックできる。同チームは、この支出がAIキャラクターへの愛着に基づいて行われるものと捉えている。
2つ目は、プロフェッショナル用途および実用機能によるマネタイズである。すでに一部のユーザーが共同執筆にTwooを活用しているほか、教育現場では教師が生徒の学習計画策定、リマインダー、学習記録の管理に利用している事例があるという。将来的には、高度なファイル処理能力や大容量ストレージなどを備えた有料のプレミアム会員制度を通じて、これらのニーズに対応する計画だ。
日本・韓国・北米への海外展開
中国市場にとどまらず、Twooは国際展開の準備を進めており、北米に加えて日本と韓国を主要なターゲット市場として位置づけている。
Chen氏は、コミュニケーションや相互理解、関係性の維持において人々が直面する課題は世界共通であり、世界的なAIの普及がこうした製品を受け入れる土台になっていると述べている。人間関係をAIに置き換えるのではなく、2人の間に介在する第3のメンバーとしてAIを位置づけることで、相互理解を深め、より意味のある交流を生み出すことを目指しているという。