ABEJA、「YANS2026」参加報告を公開 音声操作ロボットアーム展示や注目された若手研究の成果を紹介
要点
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ABEJAは、2026年8月16〜18日に仙台で開催された「第21回言語処理若手シンポジウム(YANS2026)」への参加報告を公開した。
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自社ブースでは、音声認識「Qwen3-ASR 1.7B」とVLA「π0.5」を組み合わせ、音声指示通りにブロックを運ぶロボットアームのデモを実演した。
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同社技術ブログにおいて、CLIPのノルムを活用した検索手法(スポンサー賞受賞)など、注目した若手研究者による5件の研究発表を紹介した。
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会場では自然言語処理の基礎解析からフィジカルAI、フロー言語モデルの品質改善まで、多彩な先端研究成果が報告された。
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株式会社ABEJAは2026年8月26日、宮城県仙台市の仙台国際センターで同月16日から18日にかけて開催された「第21回言語処理若手シンポジウム(YANS2026)」の参加報告を同社公式技術ブログで公開した。ゴールドスポンサーとして協賛・出展を行った同社は、ブースで実演した音声指示ロボットアームの仕組みとともに、会場で注目を集めた若手研究者による発表内容を伝えている。
音声指示ロボットアームの展示とPhysical AIへの取り組み
ABEJAの展示ブースでは、ロボットアーム「SO-101」を用いたブロック運搬デモが披露された。あらかじめ配置された3色のブロックに対し、マイクを通じて「赤色のブロックを取って」と話しかけると、指示された色のブロックをアームが自律的に運ぶ仕組みとなっている。
システムの制御には、ファインチューニング(特定用途向け追加学習)を施した「π0.5」と呼ばれるVLA(Vision-Language-Action:視覚情報とテキスト指示からロボットの物理動作を生成するモデル)が使用された。また、音声認識処理には「Qwen3-ASR 1.7B」が採用されている。同社は現在、VLAなどを活用して現実世界の物理タスクを実行する「Physical AI」の技術検証や研究開発を推進していると説明している。あわせて、同社の中西氏によるスポンサーセッションへの登壇も行われた。
YANSシンポジウムの概要
YANSは、自然言語処理や計算言語学、およびその関連分野に携わる若手研究者・技術者の成長と交流の促進を目的とした年次シンポジウムだ。組織や研究室、業種を越えた幅広い交流を深める場として機能しており、参加規模は2024年の411名から2025年には570名へと増加している。
ABEJAメンバーが注目した若手研究者の発表5選
ブログ記事では、事前に著者の承諾を得た上で、同社メンバーがスポンサー賞選定などの過程で注目した5件の研究発表が紹介されている。
CLIPの埋め込みノルムを活用した検索精度向上(スポンサー賞)
一橋大学の佐藤祥太氏、木山朔氏、平澤寅庄氏、小町守氏による研究「[S01-16] CLIPにおける埋め込みのノルムは本当に捨ててよいのか?」は、画像とテキストを共通空間に埋め込むモデル「CLIP」を用いた検索手法に着目したものだ。従来の学習で正規化されて破棄されていた「埋め込みのノルム(ベクトルの長さ)」が検索結果の意味的なまとまりと相関することを示し、ノルムを考慮した類似度計算手法を設計して検索精度の改善を実証した。ABEJAはこの丁寧な分析と工夫を評価し、同発表にスポンサー賞を授与した。
1枚の画像を用いた軽量フィジカルAIの探索検証
日本女子大学の小林稜佳氏、土田悠佳氏、根本さくら氏、西潟優羽氏、倉光君郎氏による「[S01-19] VLMで軽量なフィジカルAIを作れるか?」は、実機を使わずにフィジカルAIの空間探索を検証する手法を提案した。1枚の画像を複数の領域(チャンク)に分割して仮想空間に見立て、視覚言語モデル(VLM)が自律的に視点を移動させて探索するタスクを設計・評価している。VLAの事前学習や複雑な図表理解への拡張性が期待されているという。
多段階化によるフロー言語モデルの品質改善
東京科学大学などの大塚雄貴氏、大葉大輔氏、岡崎直観氏(科学大/産総研/NII LLMC)による「[S02-11] 生成過程の段階的分解によるフロー言語モデルの品質改善」は、並列生成により高速化が期待されるFlow Matching(連続変換によるデータ生成手法)を言語モデルに応用した研究だ。従来の自己回帰モデルと比べた精度課題に対し、ノイズから大枠へ変換する段階と精緻化する段階の2段階に分解する手法を提案し、検証結果と考察を報告した。
LLM浅層における文内Attentionメカニズムの分析
総合研究大学院大学などの鴨田豪氏、窪田悠介氏、横井祥氏(総研大/国語研/東北大/理研)による「[S04-33] ⼤規模⾔語モデルにおける⽂内Attentionメカニズムの分析」は、LLMの浅い層で同一文内のトークンに選択的に注意(Attention)が向く現象を分析した。位置埋め込み手法RoPE(Rotary Position Embedding)とQuery/Keyの相互作用に着目した仮説を立て、モデル内部の実測値を用いて妥当性を検証している。
LLM-as-a-Judgeにおける評価整合性とスコア帯の影響
一橋大学の山下伊織氏、木山朔氏、伊藤大陽氏、小町守氏による「[S05-31] LLM-as-a-Judgeにおける絶対評価と相対評価の整合性はスコア帯でどのように変わるか?」は、LLM自身を評価器として使う手法を検証した。絶対評価と相対評価の整合性がスコア帯によってどのように変化するかを複数モデルで分析し、モデルごとの傾向の違いを明らかにした。
今後の展望
ABEJAは記事の結びにおいて、シンポジウムでの知見を踏まえ、次回のYANSでは自社からの研究発表も目指したいとの意向を示している。