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The Hacker News

AI時代のアドテックに潜む「承認ギャップ」とは? セキュリティ企業とTaboolaがWebサイトのサプライチェーンリスクを解説

要点

  • 承認済みのマーケティングタグを経由し、未審査の「第4パーティコード」が連鎖的に読み込まれる「承認ギャップ」の危険性が指摘されている。

  • アドテック大手Taboolaとセキュリティ企業Reflectizの専門家は、単発のセキュリティ審査だけでは不十分であり、継続的な監視や制御が必要であると述べた。

  • AIの進歩に伴い、アドテックの仕様変更が加速して過去の審査が形骸化するほか、ブラウザ悪用の手法も高度化している。

  • Reflectizの最新レポートによると、小売業界におけるウェブ上のリスク露出の53%が、追跡ツールの過剰な使用に起因している。

  • 対策として、ベンダーへ提示すべき「5つの不可欠な質問」のほか、PCI DSS 4.0.1などのコンプライアンス要件への対応が推奨されている。

  • セキュリティ専門メディア「The Hacker News」は2026年7月15日、AI時代におけるデジタル広告技術(アドテック)のセキュリティリスクと対策を解説するオンデマンドウェビナーの公開を発表した。本ウェビナーでは、セキュリティ企業Reflectizとアドテック大手Taboolaの専門家が登壇し、Webサイト上のサードパーティや第4パーティ(フォースパーティ)のスクリプトが引き起こす「承認ギャップ(Approval Gap)」の実態について解説している。

認証済みタグが引き起こす「承認ギャップ」の仕組み

Webサイトに導入されるマーケティング用タグは、企業のITやセキュリティ部門による審査を経て実装されるのが一般的だ。しかし、ウェビナーでは、一度承認されたベンダーのタグがそのままの状態で実行され続けることは稀であると指摘されている。

多くの場合、承認されたサードパーティ(契約している外部企業)のタグは、内部でさらに別のベンダーのコード(第4パーティコード)を読み込み、それが数段階にわたって繰り返される。この結果、セキュリティチームが一切審査していないスクリプトが、最終的にユーザーのブラウザ上で実行されることになる。これらのコードはクライアントサイド(ユーザーのブラウザ側)で動作するため、Webサイトの開発者が自ら記述したコードと同じ権限を有している。そのため、入力フォームや決済フィールド、顧客データといった機密性の高い情報に直接アクセスできてしまう。この「セキュリティチームが署名した状態」と「実際にサイト上で実行されている状態」の乖離こそが、「承認ギャップ」と呼ばれる脆弱性の本質である。

双方の視点から語られる対策の必要性

ウェビナーでは、Reflectizの共同創業者兼CEOであるIdan Cohen氏と、毎日6億人のアクティブユーザーにリーチしているTaboolaのプロダクトディレクター、Omri Ariav氏が議論を交わした。

Ariav氏は、Taboolaの提供するコードをWebサイトにおける「宿泊客」に例え、サイト運営者にはゲストの行動を監視する権利があり、ゲスト側も適切に振る舞う義務があると説明した。その上で、「初期の承認は決してゴールラインではない。継続的な監視、サンドボックス化(安全な隔離環境での実行)、そして優れたセキュリティ基準を満たしているかどうかの確認が必要であり、1回きりのチェックでは不十分だ」と強調している。

これに対し、ReflectizのCohen氏は、Webサイトにコードを配置する前にすべてのマーケティングベンダーに尋ねるべき「5つの不可欠な質問」を提示した。最初の質問は「このタグは他にどのようなコードを読み込み、それを誰が審査したのか」というシンプルなものである。同氏は「これらの質問に答えられないベンダーは、必ずしも悪意があるわけではないが、管理されていない状態にあり、管理されていないことはそのままリスクを意味する」と述べている。

AIの普及がもたらす脅威の加速

この問題は、AI技術の発展によってさらに深刻化している。AI主導のアドテックは、新しい統合やデータエンドポイント、データフローを極めて速いペースで生み出すため、前四半期に実施した審査内容に基づくセキュリティ構成はすぐに現実と乖離してしまう。さらに、AIの普及は、高度な技術を持たない攻撃者にとっても、ブラウザを悪用するためのコストを下げ、攻撃のスピードを速める結果を招いている。

Reflectizが発表した「State of Web Exposure Report 2026」の調査データによると、小売業界におけるリスク露出の53%は、追跡ツールの過剰な使用に起因している。マーケティング部門は導入のスピードを優先し、セキュリティ部門は慎重なコードレビューを求めるため、両者のアプローチの隙間に隠れた未開示のサブコール(裏でのコード呼び出し)は、ファイアウォールやWAF(Web Application Firewall:Webアプリケーション向け防火壁)、単発のコードレビューをすり抜けてしまうのが現状である。

ウェビナーで得られる具体的な成果

本ウェビナーでは、これらのサプライチェーンリスクに対処するために、以下のような具体的なアジェンダが提供されている。

  • 第4パーティチェーンの解明: 単一の承認済みタグから派生し、セキュリティチームの審査を経ていないサードパーティおよびフォースパーティのスクリプトがどのように連鎖的に読み込まれるか。
  • AIによる影響: AI駆動のアドテックが、定期的な監査だけでは検知しきれない速度でクライアントサイドの攻撃面を拡大させている背景。
  • 規制とコンプライアンス: GDPRやCCPAに加え、決済業界のセキュリティ基準である「PCI DSS 4.0.1」の要件6.4.3および11.6.1が、サイト上のベンダースクリプトにどう適用されるか。
  • 信頼性の基準: 2026年現在において、セキュリティを重視する先進的なアドテック企業が備えている特徴。
  • 3ステップのプレイブック: Webサイトのサプライチェーンについて、業務プロセスを阻害することなくインベントリ(棚卸し)を行い、監視・統治するための実用的なフレームワーク。

このウェビナーは、クライアントサイドの死角をなくしたいCISOやアプリケーションセキュリティのリーダー、法規制に対応するプライバシーやコンプライアンスの担当チーム、そして安全かつ迅速にマーケティングツールを展開したいデジタル技術責任者などを対象としている。

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