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AWS ML Blog

Amazon Bedrock AgentCoreにシステムプロンプト自動最適化機能、本番トレースと推論エンジンで改善を支援

要点

  • 米AWSが、AIエージェント向けプラットフォーム「Amazon Bedrock AgentCore」におけるシステムプロンプト自動最適化機能の技術詳細を公開した。
  • 本番環境の実行トレースと評価シグナルを活用し、AIエージェントのプロンプト改善案を自動的に生成・提案する。
  • 推論エンジン「エージェント型リフレクター」が成功ログと失敗ログのパターンを分析し、変更理由の解説とともに改定案を出力する。
  • 提案された設定は、オフラインのバッチ評価や実トラフィックによるA/Bテストを通じて効果を検証できる。

リード文

米Amazon Web Services(AWS)は現地時間2026年9月16日、AIエージェントの構築・運用を支援するプラットフォーム「Amazon Bedrock AgentCore」におけるシステムプロンプト最適化機能(system prompt optimizer)の技術解説を公式ブログで公開した。同機能は、エージェントの実行ログ(トレース)と評価結果をもとにプロンプトの改定案を自動生成し、検証から本番適用までを一貫して行える仕組みを提供する。エージェントの性能向上において負担となっていた手作業のチューニング工程を効率化するアプローチとして設計されている。

本文

手作業に依存していたエージェント改善プロセスの自動化

AIエージェントの開発において、評価スコアが低いエージェントの品質を高める作業は、従来その多くが開発者の手作業に依存していた。開発者は膨大で長大な実行トレース(エージェントの一連の動作ログ)を個別に確認して失敗の原因を突き止め、システムプロンプトやツールの説明文、スキル定義といった個々の構成要素を手動で修正した上で、評価を再実行して改善効果を確かめる必要があった。

今回詳細が公表された「AgentCore optimization」は、こうした反復的で工数のかかる改善作業を自動化するための機能である。本番環境で記録されたトレースデータを活用して構成の変更案を自動作成し、オフライン環境でのバッチ評価や、実際のトラフィックを用いたオンラインA/Bテストによる検証を経て、優れた結果を示した設定を本番環境へ反映(プロモート)するワークフローを提供する。

観測ログと報酬シグナルを組み合わせた最適化の流れ

本機能は、エージェントの挙動を可視化・記録する「AgentCore Observability」と、エージェントの品質シグナルを提供する評価機能を土台として動作する。システムプロンプト最適化機能は、AgentCore Observabilityに蓄積されたトレースデータと、評価から得られる報酬シグナル(成果の良し悪しを示す指標)を組み合わせて分析し、より品質の高い改定版システムプロンプトを導き出す。

この最適化プロセスは、改善案を提示する「推奨事項(recommendations)」、設定一式を管理する「設定バンドル(configuration bundles)」、そして「A/Bテストによる検証(A/B testing)」の3つの要素で構成されている。ログの収集から改善案の提示、安全なテスト運用までが一連のワークフローとして統合されている。

推論エンジン「エージェント型リフレクター」の設計と役割

システムプロンプトの最適化処理を担う中核コンポーネントとして、「エージェント型リフレクター(agentic reflector)」と呼ばれる推論エンジンが設計されている。このリフレクターは、評価されたエージェントの振る舞いを詳細にレビューし、タスクの成功例と失敗例を分ける特徴的なパターンを特定する。

その分析結果に基づき、リフレクターはエージェント設定に対する的確な修正案を出力する。システムプロンプト最適化における主な出力は、改定されたシステムプロンプト本体に加え、「なぜその変更によってエージェントの品質向上が期待できるのか」という論理的な解説である。単なる文字列の修正にとどまらず、変更の根拠が明確に示される点が特徴となっている。

変更理由の可視化とUIによる比較機能

AWSが公開した「市場動向エージェント(market trends agent)」の事例では、既存のシステムプロンプトと推奨された新プロンプトを左右に並べて差分を比較できるユーザーインターフェースが紹介された。開発者は提案された変更内容を一目で把握できる。

また、推奨画面には変更理由を解説する専用パネル(Explanation panel)が備わっている。どのようなトレースパターンや課題に着目してプロンプト修正が提案されたのかを事前に確認できるため、開発者はその妥当性を判断した上で、A/Bテストに進むかどうかを決定できる。

ベンチマークによる性能検証と他手法との比較

公式ブログでは、最適化機能の評価結果についても言及されている。単一エージェントを対象とする「Single Agent Reflector」に加え、実験的なオープンソース実装である「Sub-Agent Reflector(サブエージェント・リフレクター)」について、公開されている2種類のベンチマークを用いた検証が行われた。

これらの評価では、既存のプロンプト最適化手法である「GEPA」や「MIPROv2」と並べて比較が実施されており、リフレクターによる最適化性能の検証結果が示されている。

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