Amazon Bedrock、インド国内完結のClaudeモデル推論に対応 ムンバイ・ハイデラバード間で負荷分散とデータ所在地要件を両立
要点
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AWSは、Amazon BedrockにおいてAnthropicの「Claude Opus 5」「Claude Sonnet 5」「Claude Haiku 4.5」をインド国内限定で推論処理する機能の提供を開始した。
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ムンバイとハイデラバードの2拠点間でリクエストを自動分散する「地理的クロスリージョン推論」により、入力データや出力を国外に出すことなく処理できる。
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複数拠点の計算リソースをまとめて活用することで、トラフィック集中時でも安定したスループットと処理性能を維持する。
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データの送信先拠点にはプロンプトや生成結果が保存されず、課金管理や監査ログはリクエスト元の拠点に一元化される。
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米Amazon Web Services(AWS)は2026年9月29日(現地時間)、同社のフルマネージド型生成AIサービス「Amazon Bedrock」において、AnthropicのAIモデル「Claude Opus 5」「Claude Sonnet 5」「Claude Haiku 4.5」を対象としたインド国内限定の推論(in-country inferencing)機能を提供開始したと公式ブログで発表した。
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今回の機能追加により、インド国内のユーザーは、データをインド国外へ持ち出すことなく、最新のClaudeモデル群を利用できるようになるという。
インド国内の2拠点を結ぶ「地理的クロスリージョン推論」
本機能は、Amazon Bedrockが提供する「地理的クロスリージョン推論(geographic cross-Region inference)」プロファイルを通じて実現されている。クロスリージョン推論とは、複数のAWS拠点(リージョン)に推論処理を自動で分散させる仕組みのことだ。
今回提供されたインド向けの地理的プロファイルでは、リクエストのルーティング範囲がムンバイ(ap-south-1)とハイデラバード(ap-south-2)の2つの国内リージョン間に限定される。APIを呼び出した送信元のリージョンから処理要求が送られると、定義された国内の宛先リージョンへ自動的に振り分けられる設計となっている。
これにより、特定の国や地域内にデータを留めて処理することが義務付けられているデータ主権やコンプライアンス(法令順守)の要件を満たしながら、クラウド上の生成AIを活用できるとしている。同社はすでに世界規模で負荷を分散するグローバルなクロスリージョン推論を提供しているが、今回のアップデートによってインド国内に閉じた形での運用が選択可能となった。
複数拠点のリソースプール化でトラフィック急増に対応
この仕組みの大きなメリットとして、AWSは負荷耐性と処理性能の維持を挙げている。
単一リージョンのみで運用する場合、その拠点が持つ計算リソースの上限に縛られやすい。これに対して、国内の複数リージョンにまたがる計算リソースを1つの大きなプールとして活用することで、アクセスが急増するピーク時であっても、一貫したスループット(単位時間あたりの処理量)と安定したパフォーマンスを確保できると説明している。ユーザー側で各拠点のキャパシティ管理を個別に行う必要もないという。
データの機密性を保つセキュリティと「ZDR」の適用
データ保護とセキュリティ面についても詳細が明かされている。
拠点間を移動するデータ通信は、AWSの安全な専用ネットワークを経由し、エンドツーエンドで暗号化される。また、推論処理のためにリクエストが別の宛先リージョンへ転送された場合でも、顧客データがその宛先リージョンに保存されることはなく、データは常に呼び出し元のソースリージョン内にとどまる仕様だという。
さらに、Amazon Bedrockのセキュリティ基準である「Zero Data Retention(ZDR:データ保持ゼロ)」モデルが適用される。これにより、入力されたプロンプトやモデルが出力した結果は、原則としてAWS側に保存されない。ただし、自動セーフティ分類機能によって有害・規約違反の疑いがあるコンテンツとして検知された場合には、例外的にAWS担当者による人的レビューの対象となる場合があるとしている。
ログと課金を一元化、各種主要APIにも対応
運用管理の面では、開発者や管理者の利便性に配慮した設計が採られている。
リクエストがバックエンドでどのリージョンによって処理されたかにかかわらず、利用料金の請求(Billing)およびサービスクォータ(利用枠)の消費は、APIを呼び出した元のソースリージョンのアカウントに対して記録される。また、運用監視に用いられる「Amazon CloudWatch」や操作履歴を記録する「AWS CloudTrail」のログエントリもソースリージョン側にのみ集約されるため、モニタリング環境が分散せず一元管理できるという。
本機能は bedrock-runtime エンドポイント経由で利用可能となっており、Anthropicの「Messages API」のほか、Amazon Bedrock標準の「InvokeModel API」「Converse API」をサポートする。加えて、AIの安全性を制御する「Amazon Bedrock Guardrails」などの各種機能とも連携可能であることが示されている。
補足
AWSはこれまでにも広域なクロスリージョン推論を展開してきたが、特定の国境内に限定したプロファイルを拡充することで、データ所在地(データレジデンシー)規制の厳しい金融機関や公共分野などにおける生成AIの導入を支援する狙いがあるとみられる。