Amazon Bedrock Knowledge Basesのベクターストア選定指針をAWSが公開、3つの主要バックエンドを比較
要点
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AWSは、Amazon Bedrock Knowledge Basesで利用可能なカスタマーマネージド型ベクターストアの選定に関する技術解説を公開した。
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Bedrock Knowledge Basesには、インフラをすべてAWSに任せる完全マネージド型と、ユーザー自身がデータストアを選択・管理するカスタマーマネージド型の2つの運用形態が存在する。
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カスタマーマネージド型でサポートされるバックエンドとして、Amazon OpenSearch Service、Amazon Aurora PostgreSQL with pgvector、Amazon S3 Vectorsの3つが提示された。
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ベクターストアは、テキストの意味を高次元ベクトルとして保持し、検索クエリに応じた最適なコンテキストをLLMへ迅速に供給する中核要素として機能する。
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米Amazon Web Services(AWS)は2026年9月17日、同社の公式機械学習ブログ(AWS ML Blog)において、生成AIサービス「Amazon Bedrock Knowledge Bases」におけるベクターストアの選定指針を公開した。検索拡張生成(RAG)システムを構築するにあたり、適切なベクターストアの選定がパフォーマンスとコストに直結するとして、ユーザー管理型の構成で利用可能な3つのバックエンドの特徴や役割を解説している。
Bedrock Knowledge Basesの2つの運用アプローチ
Amazon Bedrock Knowledge Basesは、大規模言語モデル(LLM)と外部ナレッジを連携させ、回答精度を向上させるRAGソリューションを構築するための機能である。AWSによると、Knowledge BasesにはAWS側がインフラをすべて管理する「完全マネージド型」と、利用者が要件に応じてベクターストアを選択・運用する「カスタマーマネージド型」の2つのアプローチが用意されているという。
今回の解説ではカスタマーマネージド型に焦点が当てられており、自社でベクターストアを運用する構成を選択する場合、どのバックエンドを採用するかがシステム全体の処理速度やコスト構造を左右する重要な判断になると説明されている。
サポートされる3つのバックエンドの選択肢
カスタマーマネージド型のAmazon Bedrock Knowledge Basesにおいて、バックエンドとしてサポートされているベクターストアとして以下の3つのサービスが挙げられている。
- Amazon OpenSearch Service: 検索エンジンおよび分散分析基盤として実績を持ち、高度なベクトル検索を統合して運用できるサービス。
- Amazon Aurora PostgreSQL with pgvector: リレーショナルデータベースの信頼性にベクトル拡張機能を組み合わせ、業務データとベクトルデータを統合管理できる構成。
- Amazon S3 Vectors: クラウドオブジェクトストレージであるAmazon S3の機能として提供され、ストレージ基盤上で直接ベクトルデータの管理と検索を可能にする構成。
AWSは、これら3つの異なる特性を持つバックエンドを、構築するRAGの具体的なユースケースに合わせて適切に比較・選定することが重要であるとしている。
RAGにおけるベクターストアの仕組みと役割
AWSは記事の中で、RAGアーキテクチャにおいてベクターストアが果たす役割についても解説している。RAGは、LLMの生成能力と情報検索システムを組み合わせることで、より正確で最新かつ文脈に合致した応答を生成する技術である。
その根幹をなすのが「ベクトル」という数学的表現である。テキストの内容を意味に基づいた数値の並び(ベクトル埋め込み)へと変換することにより、単純なキーワードの一致だけでは捉えきれない意味的な類似性を高精度に識別できるという。
データの取り込み(インジェスチョン)段階において、対象ドキュメントは事前処理によって適切なサイズのチャンク(断片)に分割され、埋め込みモデルによってベクトル化されてベクターストアに格納される。ベクターストア内では、効率的なデータ構造である「ベクトルインデックス」が構築され、高次元空間における高速な検索を可能にしている。
クエリ処理とLLMへのコンテキスト供給フロー
ユーザーが質問などのクエリを入力すると、そのクエリ自体も埋め込みモデルによって即座にベクトルへと変換される。ベクターストアはそのクエリベクトルを受け取り、あらかじめインデックス化された膨大なチャンク群の中から、意味的に最も類似している上位n件(例えば上位5件など)のチャンクを高速に検索して抽出する。
抽出されたチャンク群は、元のクエリを補強するコンテキスト(背景情報)としてLLMへ渡される。LLMはこのコンテキストを参照しながら回答を生成するため、事実に基づいた的確な回答を出力できる仕組みとなっている。
AWSは、ベクターストアを「未加工の情報とLLMによる文脈理解を結びつける不可欠な架け橋」と表現している。非構造化データを検索可能で意味のある知識空間へと変換し、高次元の意味検索と迅速な情報取得を実現することで、生成AIアプリケーションの精度向上を根底から支えていると説明している。