Amazon BedrockとAmazon Textractを連携、複雑な帳票から高精度に情報抽出するRAG手法をAWSが公開
要点
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米Amazon Web Services(AWS)は、生成AIサービス「Amazon Bedrock」とドキュメント解析サービス「Amazon Textract」を組み合わせ、複雑な帳票データを高精度に解析・検索するRAG手法を公開した。
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従来のRAGアプローチにおいて、生の請求書データをそのまま大規模言語モデル(LLM)に読み込ませた場合、重要情報の欠落やハルシネーションが発生する課題があった。
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Amazon Textractを用いて表構造のタグ付けや構造化・非構造化データの高精度な抽出を行うことで、LLMが正確な回答を生成できるよう支援する。
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PDF、DOCX、TXT、HTML、PNG、XLSXといった多様なファイル形式に対応し、サンプルコードはGitHub上で公開されている。
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米Amazon Web Services(AWS)は2026年9月4日、同社の公式機械学習ブログ(AWS ML Blog)において、Amazon BedrockとAmazon Textractを統合し、大規模かつ複雑なドキュメントに対応するナレッジベースのカスタマイズ手法を公開した。毎月大量に発生する公共料金の請求書などを題材に、複雑なレイアウトや表を含むドキュメントから必要な情報を正確に抽出し、対話形式で問い合わせを行う仕組みを解説している。
請求書処理における手動運用の限界とRAG導入の壁
公共料金などの請求書を取り扱うカスタマーサービス部門では、請求内容、利用状況、支払い方法、アカウント番号など、多岐にわたる問い合わせが毎月数千件規模で寄せられる。これらの問い合わせに対応するためには関連ドキュメントを確認する必要があるが、書類のフォーマットは一定ではない。
対象となるファイル形式はPDF、DOCX、TXT、HTML、PNG、XLSXと多岐にわたり、複数ページにまたがる構成や密集した表、多様なレイアウトが存在する。これらを手作業で確認・抽出する従来の運用では多くの時間を要し、人的ミスの発生や回答遅延による顧客体験の悪化が課題となっていた。
こうした課題に対し、外部知識を検索してLLMの回答精度を高める手法である「RAG(検索拡張生成)」の導入が試みられた。しかし、請求書などの生データをそのままRAGモデルに投入する初期のアプローチでは、期待通りの精度が得られない事態に直面したという。
生データ投入による従来のRAGが抱えていた3つの問題
AWSの解説によると、ドキュメントを生の形式のままRAGへ読み込ませた場合、主に以下の3つの問題が発生していた。
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不完全なデータ抽出(Incomplete data extraction)
LLMがドキュメント内の必要な情報を網羅的に抽出できず、期日、支払金額、アカウント番号といった重要な項目を見落としてしまうケースが頻発した。 -
ハルシネーションの発生(Hallucinations)
モデルが事実と異なる誤った情報や無関係な内容を生成してしまい、カスタマーサポートの現場で混乱や対応エラーを引き起こす要因となった。 -
フォーマットの多様性への追従(Format variability)
PDFやWord、Excel、画像など、多種多様なファイル形式が混在することにより、ドキュメントの形式ごとにモデルの処理性能や精度にばらつきが生じていた。
これらの問題を受け、生データをそのまま読み込ませるだけでは信頼性の高い正確な応答を生成できないことが明らかになったとしている。
Amazon Textractとの統合による解決アプローチ
AWSが今回提示した手法では、Amazon Textractの高精度なテキスト・データ抽出機能と、Amazon Bedrockの生成AI機能を組み合わせてこの課題を解決している。
Amazon Textractを活用することで、複雑なPDFや画像形式の請求書から、構造化データ(表やフォームなど)および非構造化コンテンツを高精度に抽出する。さらにドキュメントの内容を解析し、関連する表に対して適切なタグ付けを実施する。
これにより、LLMが参照すべき重要な情報を的確に把握できるよう整理された状態でBedrockに渡される。結果として、人間が手作業で文書内を探索する運用から、プログラムを介してドキュメントへ直接クエリを実行する運用へと移行が可能になり、大量の帳票データから迅速かつ正確にインサイトを取得できるとしている。
実装コードの公開
AWSは本ブログ記事で解説した一連の実装について、実際に複雑なPDFや画像形式の公共料金請求書とチャット形式で対話し、内容の解析や表のタグ付けを行う具体的な手順を紹介している。本ソリューションを再現・検証するためのサンプルコードは、GitHub上の「sample-agentic-rag-solution」リポジトリにて公開されている。