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The Hacker News

Anthropic、Claude Codeの「Compliance API」にセッショントランスクリプト機能を追加——端末上エージェントの可視化と制御を強化

要点

  • Anthropicの「Compliance API」に、ローカル環境で動作するClaude Codeのセッショントランスクリプト(実行履歴)を取得する新エンドポイントが追加された。

  • 企業環境で検出されるAIエージェントの68.6%をローカルエージェントが占めており、開発者端末の認証情報や実行権限を引き継いで動作している。

  • セキュリティ担当者の68%が自組織の可視性を「高い」と評価する一方、82%が過去1年間に未把握のエージェントを発見したと回答している。

  • Anthropicは「Managed Settings」を通じて、MCPサーバーの利用制限やコマンドの正規表現フィルタリングなど、端末側でのポリシー強制適用に対応している。

  • 米Anthropicの開発者向けツール「Claude Code」において、ローカル環境で実行されたセッションログを可視化する「Compliance API」の新エンドポイントが追加されたことが明らかになった。サイバーセキュリティ専門メディアのThe Hacker Newsが2026年8月31日付で報じた。開発者の端末上で直接シェルコマンドを実行するローカルAIエージェントの利用が急増するなか、企業におけるガバナンスと可視性の確保に向けた取り組みが進められている。

開発端末上で動作するローカルAIエージェントの普及と権限リスク

AIの活用形態は、ブラウザ上のチャットインターフェースから、開発者の端末上で直接動作する実行環境(ハーネス)へと広がりを見せている。Claude Codeをはじめとするローカルエージェントは、開発者端末上でBashコマンドを実行し、ファイルを読み込み、MCP(Model Context Protocol:AIと外部ツールを接続するプロトコル)サーバーやプラグインを経由して外部サービスと連携する仕組みを持つ。

セキュリティ企業Token Securityの調査によると、同社が顧客環境で検出したAIエージェントのうち、68.6%をこうしたローカルエージェントが占めているという。ローカルエージェントは開発者自身の端末上で動作するため、従業員が持つローカルの認証情報やネットワーク上のアクセス権限、実行権限をそのまま継承して動作する特徴がある。

可視性に対する認識と管理実態の乖離

ローカル環境で動作するエージェントは、中央のダッシュボードから一元的に監視・管理できる従来のSaaS(Software as a Service:クラウド経由で提供されるソフトウェア)型モデルとは異なり、システム管理者に多くの監視負担を強いる構造となっている。

Cloud Security Alliance(CSA)がITおよびセキュリティの専門家418名を対象に実施した調査(Token Security委託)では、回答者の68%が自組織におけるAIエージェントへの可視性を「高い」と評価した。しかし同時に、回答者の82%が「過去1年間にセキュリティ部門やIT部門、ガバナンス担当者が存在を把握していなかったエージェントを発見した」と回答している。多くの組織で可視性を確保できていると考えていながら、実際には管理外のエージェントが多数稼働している実態が浮き彫りとなった。

新たなCompliance APIによるローカルセッションの可視化

2026年8月以前のClaude Codeでは、Anthropicが標準で提供する機能によるローカルエージェントの動作可視化には制約があり、最低限のガバナンスを確保するためにもサードパーティ製の拡張機能などに依存せざるを得ない状況があったという。

今回、AnthropicのCompliance APIにローカルセッションのトランスクリプト(対話および操作ログ)を取得するエンドポイントが追加されたことで、セキュリティチームはローカルエージェントの活動内容をより直接的に把握できるようになった。ただし、活動ログの記録自体は重要であるものの、ログの存在だけではそのエージェントのアクセスや実行内容が正当な業務権限に基づくものかを完全に判定できるわけではないという課題も残されている。

「Managed Settings」によるポリシーの強制適用

Anthropicは端末側での制御機構として「Managed Settings(管理設定)」を提供している。これは各端末上に配置される設定レコードであり、MacおよびLinux環境ではJSONファイル、Windows環境ではレジストリとして保持される。

Managed Settingsは、ユーザー設定やプロジェクト設定、グローバル設定などの他の設定よりも優先して適用される仕組みとなっている。組織内の管理者は、Claude Code Enterpriseプランの管理画面からポリシーを適用できるほか、Enterpriseプラン未契約の場合でもMDM(Mobile Device Management:モバイル端末管理システム)を利用して各端末へ一括展開することが可能だ。

設定可能なポリシーの例として、以下の項目が挙げられている。

  • 特定のMCPサーバーに対する許可リスト(ホワイトリスト)および拒否リスト(ブラックリスト)の指定
  • Bashコマンドに対する正規表現を用いた実行制限
  • Skills機能によるコマンド実行の無効化

端末監視ツールとの役割の違い

端末監視を行う既存のEDR(Endpoint Detection and Response:端末上の挙動を監視・検知するセキュリティ技術)は、ローカルで実行されたプロセスやファイル操作、設定変更の証跡を収集できる。しかし、EDRのテレメトリ(遠隔測定データ)だけでは、エージェントの動作をその所有者や実行意図、使用された認証情報や付与された権限と結びつける統制モデルを構築することは困難とされている。

ローカルAIエージェントの統制においては、Anthropicが提供する管理設定やAPIログの活用とともに、端末側での収集データと権限管理を適切に組み合わせる多層的なアプローチが必要とされている。

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