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OpenAI Blog

avatarin、OpenAIの「GPT-Realtime」を活用した24時間対応の店舗接客AIエージェントを開発し実証実験を実施

要点

  • avatarinはOpenAIの「GPT-Realtime」を活用し、ヤマダデンキのオンラインストア向けに24時間多言語で対応するショッピングエージェントを開発した。

  • ヤマダデンキのサイトで実施された2週間の公開実験では、約3万人の買い物客がこのAIエージェントを利用した。

  • 利用後のアンケート調査では、全体の92%からポジティブな評価を得るなど高い満足度を記録した。

  • このAIエージェントはRAGシステムとGPT-Realtimeを組み合わせることで、製品情報の正確性と低遅延な自然対話を両立している。

  • avatarinは将来的に、ウェブや電話、実店舗などのあらゆる顧客接点で共通のAIが文脈を引き継いで対応する世界の実現を目指している。

  • AI接客サービスを手がけるスタートアップ企業のavatarin(アバターイン)は2026年7月30日、OpenAIの「GPT-Realtime」を活用し、ヤマダホールディングスと共同で24時間365日稼働する多言語対応のショッピングエージェント「暮らしまるごとAIエージェント」を開発したと発表した。ヤマダデンキのオンラインストアで実施された2週間の一般公開実験では、約3万人のユーザーがこのシステムを利用し、非常に高い満足度を示したという。日本の家電量販店が抱える、営業時間外の専門スタッフ不足という課題の解決に向けた先進的な取り組みとして注目される。

ベテラン店員の知識をAIエージェント化、3万人が体験

ANAホールディングスからスピンアウトしたavatarinは、ヤマダホールディングスとの協業を通じて、経験豊富な店舗スタッフが持つ接客や販売の知識をAIに移植した。開発された「暮らしまるごとAIエージェント」は、音声およびテキストによる自然な対話に対応しており、顧客が求めている製品を見つける段階から、最終的な購入の意思決定に至るまでのプロセスを案内する。

ヤマダデンキのオンラインストア上で2週間にわたり実施された一般公開キャンペーンでは、約30,000人の買い物客がこのシステムを利用した。実験終了後に行われたアンケート調査では、回答者の92%がこのAIエージェントに対して肯定的な評価を下したことが明らかになっている。

「GPT-Realtime」による低遅延な文脈理解

avatarinのCEOである深堀昂氏は、今回のプロジェクト以前からOpenAIのAPIを音声認識や問い合わせ分析、従業員トレーニングなどに活用してきた実績がある。同氏によると、数ある技術の中からGPT-Realtime(音声やテキスト、画像などの異なる情報を低遅延で統合処理する技術)を採用した最大の理由は、複数のモデルを組み合わせる従来のシステムよりも処理速度が速く、動作が非常に自然であるためだという。

従来のキーワードに反応するだけのチャットボット(自動会話システム)とは異なり、このAIエージェントは会話全体の文脈を理解する。そのため、「4人家族向けの冷蔵庫を探しているが、キッチンが狭いのでどれを選べばいいか」といった、顧客の曖昧な悩みや変化する好みに応じた具体的な製品推薦を行うことができる。

正確な情報と自然な接客を支える3つの設計

avatarinは、このエージェントを構築するにあたって、以下の3つの要素を重視したと説明している。

1つ目は、会話のテンポを損なわずに製品情報の正確性を維持することだ。これには、外部データベースから必要な情報を検索して回答の精度を高めるRAG(検索拡張生成:外部のデータベースなどから情報を検索して回答を生成することで、情報の正確性を高める技術)システムと、GPT-Realtimeによる素早い応答力を組み合わせて対応した。

2つ目は、ヤマダデンキの接客ノウハウを会話の流れやプロンプト(AIへの指示文)に落とし込むことである。家電製品のカテゴリごとに異なるヒアリングポイントを考慮して設計されており、顧客が途中で要求を変更したり一時的に雑談にそれたりしても適応しつつ、会話を本筋に戻すための制御機能(ガードレール)も備えている。

3つ目は、顧客からの入力を待つだけでなく、AI側から能動的に質問を投げかける設計だ。AIエージェントがフォローアップ質問を重ねることで、顧客自身も気づいていない真のニーズを掘り起こし、単なる一問一答を超えた製品提案を可能にしている。

開発にあたっては、OpenAIが複雑なプロンプトの構築、常時起動する音声サービスのAPIコスト最適化、および実装におけるベストプラクティスの共有などでavatarinを強力に支援した。

深夜の相談や本音の回収など、新たな接客価値の発見

2週間の公開期間中、AIエージェントは24時間365日体制で多言語による音声・テキスト相談に応じた。この取り組みにより、店舗の営業終了後でも顧客からの質問を受け付けられるようになったほか、人間の販売員に対しては話しづらい予算や細かな不安についても、顧客が気兼ねなく率直に打ち明けられるというメリットが確認された。

さらに、会話の終了時に行われた短い音声アンケートでは、ユーザーから「実際の店舗スタッフよりも話しやすかった」「気疲れせずに何度も同じ質問ができて助かった」といった感想が寄せられた。avatarinは、対話を通じて得られた顧客の関心事や迷いの理由などのデータは、従来のオンラインショッピングでは可視化しにくかった貴重な顧客インサイト(本音や洞察)であり、今後のマーケティングやサービス向上に活用できるとしている。

あらゆる窓口で文脈を共有する「ひとつの知能」を目指す

avatarinは将来、ウェブサイト、電話、実店舗といった複数の顧客接点において、同一のAIエージェントが顧客との対話の文脈を引き継ぎながら対応する世界を構想している。それぞれのチャネルごとに別々のシステムを用意するのではなく、共通のAI知能が継続してサポートを行うことで、どの窓口でも一貫したブランド体験を提供するという構想だ。

家電だけでなく住宅や金融など幅広い事業を展開するヤマダホールディングスにとっても、このAIエージェントが顧客の生活に寄り添うパートナーとなる可能性がある。深堀氏は「One Intelligence. One Brand. Every interface.」というスローガンを掲げ、単一目的のAIの時代は終わり、今後は各企業のアイデンティティやブランドを体現する汎用的なマルチモーダル(音声やテキスト、画像など複数の異なる形式の情報を統合して処理する技術)な知能の時代になると述べている。

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