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AWS ML Blog

AWS、AIエージェントのツール利用を統制する「Amazon Bedrock AgentCore Gateway」のアーキテクチャを解説

要点

  • 米Amazon Web Services(AWS)は2026年8月21日、AIエージェントによる社内ツールアクセスを一元管理する手法を公式ブログで公開した。

  • ローカル環境での設定ファイル管理に起因する機密情報の平文保存や、設定の乖離、監査ログの欠如といった5つの構造的課題が指摘されている。

  • 統合管理基盤「Amazon Bedrock AgentCore」のGateway、Identity、Policyなどの機能を組み合わせ、単一エントリポイントでの安全な制御を実現する構成を提示した。

  • 安全性制御の「Amazon Bedrock Guardrails」やツールカタログ「AWS Agent Registry」のほか、Kong GatewayやOpen Policy Agent等によるセルフホスト構成にも言及している。

  • アマゾン ウェブ サービス(AWS)は2026年8月21日、公式の機械学習ブログにおいて、AIエージェントが社内ツールへアクセスする際のセキュリティとガバナンスを一元管理するアーキテクチャを解説した。コーディング支援や自律型エージェントの利用が広がる一方、企業内でのアクセス権限の把握や認証情報管理の不透明さが課題となっている背景を受けたものだ。同社はフルマネージドサービス「Amazon Bedrock AgentCore」の各機能を用いた解決策を提示し、あわせてオープンソースソフトウェア等によるセルフホスト型の構成例も紹介している。

AIエージェントのツール連携における5つの構造的課題

元記事によると、多くの企業においてコーディングエージェントや自律型エージェント、対話型アシスタントの導入が進む一方で、社内ツールへのアクセス権限を一元的に統制できていないケースが頻発しているという。

例えば、開発者が利用する端末内の設定ファイル(mcp.jsonなど)に本番データベースのパスワードが平文で直接記述され、更新されずに放置されるようなセキュリティリスクが散見されると指摘されている。このような状況下では、セキュリティ担当チームが「どのAIエージェントが顧客データにアクセスできる状態にあるか」「誰がその権限を承認したか」「万一認証情報が漏洩した場合にどの範囲まで影響が及ぶか」を即座に把握することが極めて困難になる。

元記事では、AIモデルと外部ツールを接続するプロトコル「Model Context Protocol(MCP)」などを導入したエンタープライズ環境で生じる代表的な破綻パターンとして、以下の5点を挙げている。

  1. 認証情報の拡散(Credential Sprawl): 各開発者のローカル設定ファイルに個別の秘密情報が分散して保存される。
  2. ポリシーのドリフト(Policy Drift): ツールやアシスタントの増加に伴い設定が個別に管理され、時間の経過とともに整合性が失われて乖離していく。
  3. 監査の欠如(Audit Gaps): 誰が、いつ、どの社内ツールを呼び出したかを追跡・記録する仕組みが存在しない。
  4. コストの不透明さ(Cost Opacity): どのチームがどれだけのコストを消費しているのか、費用の帰属を特定できない。
  5. シャドーIT(Shadow IT): セキュリティ部門の審査や承認を経ずに、独自のツール連携が展開されてしまう。

ポリシードリフトの具体例として、10種類のアシスタントが5つの社内APIに接続している環境では、50組もの認証情報を個別に手動管理する必要がある状況が挙げられている。この場合、接続先バックエンドのセキュリティポリシーが1つ変更されただけでも、50箇所すべてを手作業で更新しなければならず、運用の破綻を招きやすいと説明されている。

「Amazon Bedrock AgentCore」による一元統制アプローチ

こうした課題への対策として、AWSは「Amazon Bedrock AgentCore」を活用した一元管理モデルを提案している。Amazon Bedrock AgentCoreは、任意のフレームワークやモデルを用いてAIエージェントを大規模に構築、接続、最適化するためのプラットフォームだ。

具体的には、以下のコンポーネントを組み合わせてガバナンスを確立する構成が示されている。

  • AgentCore Gateway: エージェントと社内ツール群の間に配置され、エージェントからのトラフィックに対して単一で安全なエントリポイントを提供する機能。
  • AgentCore Identity: 安全な認証、認可、および認証情報の管理を一括で担う機能。
  • AgentCore Policy: AIエージェントと社内ツール間のやり取りにおけるセキュリティ制御ルールを定義し、強制的に適用する機能。
  • Amazon Bedrock Guardrails: AIの入出力をフィルタリングして安全性やプライバシーを担保する仕組み(ガードレール)であり、ポリシーにさらなる保護制御を付加する。
  • AWS Agent Registry: 社内ツールの整理、選定、エージェントからの検索を集中管理するためのカタログ機能。

このアーキテクチャにより、ローカル端末の設定ファイルに依存することなく、エージェントのアクセス権限やツールの利用状況を一元的に可視化・制御できるようになるとしている。なお、連携対象のアシスタントとしては、Kiro、Claude Code、Cursorといった統合開発環境(IDE)向けのツールや、Amazon QuickなどのAIツールが挙げられている。

セルフホスト構成による代替技術

AWSのマネージドサービスを利用する構成に加え、元記事ではオープンソースソフトウェアやサードパーティ製ツールを用いて自社インフラ上に同等の環境を構築するセルフホスト(自前運用)の選択肢についても言及している。

具体的には、ゲートウェイ機能を提供する「Kong Gateway」、ポリシーの定義と適用を行う「Open Policy Agent(OPA)」、安全制御を担う「NeMo Guardrails」、そしてエージェントの実行追跡や可観測性を確保する「LangFuse」などが、各コンポーネントに対応する代替ツールとして挙げられている。

補足

多くの企業では、AI活用を許可する前に完全なゲートウェイ基盤を独自構築しようとして数カ月の期間を要するケースが見られるという。元記事では、マネージドサービスや既存ツールの適切な組み合わせによって、迅速かつ安全にエージェントのツールアクセスを管理するアプローチが提示されている。

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