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AWS ML Blog

AWS、AIエージェントでAPIのない古いWebアプリを操作できる「Amazon Bedrock AgentCore Browser Tool」を発表

要点

  • AWSは、AIエージェントを用いて企業の古いWebアプリケーションの操作を自動化する「Amazon Bedrock AgentCore Browser Tool」を発表した。

  • 本ツールは、APIを持たないシステムに対し、クラウド上のブラウザを介して人間のような柔軟な操作を実行する。

  • 制御ツール「Strands Agents」と連携し、単一のタスクから複数エージェントによる複雑な業務プロセスまで対応する。

  • アクセス権限管理や操作ログの自動記録機能を備えており、規制の厳しい業界でも安全に導入できる設計となっている。

  • 構築手順や自動定義ファイルを含むリファレンス実装のソースコードが、GitHub上で公開されている。

  • 米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は2026年8月13日、AI(人工知能)エージェントを利用して古いWebアプリケーションの操作を自動化するための新ツール「Amazon Bedrock AgentCore Browser Tool」を発表した。このツールは、システム間でデータをやり取りするための接続仕様であるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)が提供されていない古いシステムに対し、クラウド上で動作する安全なブラウザセッションを通じて人間のような操作を実行できる。企業に多く残る手動のデータ入力作業などを効率化し、デジタル変革を支援する目的がある。

企業のレガシーシステムと手動業務の課題

ヘルスケアや製造、小売、金融などの多くの業界では、重要な業務がいまだに古いシステム上で稼働している。これらは現代的なAPIを備えておらず、サーバー側の中介ソフトウェア(ミドルウェア)が生成したHTMLを描画するだけの仕組みになっている。そのため、大量の手動データ入力作業が発生し、これが企業のコスト負担やデジタル変革の妨げになっていた。

従来のRPA(ソフトウェアロボットを用いてPC上の定型操作を自動化する技術)では、人間のような柔軟な判断が必要な操作を大規模に行うのは困難だった。例えば保険会社では、プランの変更や保険金の請求調整といった契約管理業務で古いシステムへの手動入力を年間数万件行っており、入力ミスによる損失も発生しているという。

クラウドブラウザを制御する仕組み

「Amazon Bedrock AgentCore Browser Tool」は、AIエージェントがこうした古いWebアプリを操作するための、クラウドベースのフルマネージドなブラウザサービスである。

本ツールは、クラウド上で管理された「Chromium」(Google ChromeなどのベースとなっているオープンソースのWebブラウザ)を動作させる。そして、Webブラウザの操作を自動化するライブラリ「Playwright」と、ブラウザのデバッグ・制御プロトコルである「Chrome DevTools Protocol(CDP)」を、双方向のリアルタイム通信を行う「WebSocket」規格経由で接続・統合する。これにより、古いWebアプリがHTTPまたはHTTPSでアクセス可能であれば、元の設計ブラウザを問わず、AIエージェントが画面を解釈して操作できるようになる。

複数エージェントの連携とエンタープライズ向けセキュリティ

このブラウザツールを、複数のシステムやプロセスを統合的に調整・管理するオーケストレーションを提供する「Strands Agents」と組み合わせることで、企業は高度な自動化ワークフローを構築できる。単純な1ステップの自動化から、複数のAIエージェントが連携して複雑な業務を分担するマルチエージェントのワークフローまで、柔軟に拡張が可能だとしている。

また、本ソリューションは「Amazon Bedrock」(さまざまな基盤モデルをAPI経由で利用できるAWSのフルマネージドサービス)の基盤モデル(大量のデータで事前学習された汎用的なAIモデル)と、「Amazon Bedrock AgentCore runtime」を介して統合されている。

エンタープライズ(企業)利用を想定し、セキュリティやガバナンスの機能も備えている。セッションごとに隔離された安全な環境でブラウザが実行されるほか、AWSリソースへのアクセス権限を安全に制御するシステムである「IAM(Identity and Access Management)」によるアクセス制御に対応する。さらに、すべての操作履歴を詳細に記録する監査トレイル(システムの操作履歴やログを時系列で記録した監査用の証跡)も提供されるため、企業は厳しい規制遵守(コンプライアンス)の要件を満たしながら、人間による監視体制を維持した状態で業務の自動化を導入できると説明している。

実装ガイドとソースコードの公開

AWSは、この「Amazon Bedrock AgentCore Browser Tool」と「Strands Agents」を用いたAIデジタルワーカーのリファレンス実装(参照可能な構築例)に関するブログ記事を公開した。ブログでは、システム全体のアーキテクチャや主要な設計上の決定事項について解説している。

さらに、インフラの構築をコードで定義して自動化するツールである「Terraform」によるデプロイテンプレートを含んだ完全なソースコードが、GitHubの「sample-agentcore-browser-legacy-automation」リポジトリにて公開されており、開発者はすぐに自社環境での実装と検証を開始できる。

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