AWS、AI開発者向け「2026年8月アップデート」を発表 BedrockでのGPT-5.6の100万トークン対応やエージェント基盤を強化
要点
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米AWSは、生成AIやAIエージェントの開発者に向けて2026年8月に提供を開始した主要アップデートのまとめを公開した。
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「Amazon Bedrock」において、OpenAIのモデル「GPT-5.6 Sol」「GPT-5.6 Terra」「GPT-5.6 Luna」が100万トークンの長文コンテキストとプロンプトキャッシングに対応した。
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外部の検索プロバイダーを個別に統合することなく、Web上の最新情報を検索・取得して引用付きで回答できる機能が追加された。
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25以上のAWSリージョンから利用できるクロスリージョン推論や、オープンソースの「Strands Agent Harness SDK」、エージェント基盤「AgentCore」の機能拡充が示された。
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米Amazon Web Services(AWS)は現地時間2026年9月9日、自社の公式機械学習ブログ(AWS ML Blog)において、2026年8月に実施されたAI開発者向け機能アップデートのまとめ記事を公開した。今回の発表では、フルマネージド型AIサービス「Amazon Bedrock」における主要モデルの大幅な機能拡張に加え、自律型AIエージェントを構築・運用するための各種基盤の状況が明らかにされている。同社は、モデル単体の性能向上にとどまらず、企業が責任を持って業務を任せられるシステム全体の構築を支援する姿勢を強調している。
22万5000社以上が利用するBedrockとエージェント基盤
AWSによると、基盤モデルを提供するクラウドサービス「Amazon Bedrock」は、米フォーチュン100企業の80%以上を含む22万5,000社以上のアクティブカスタマーに利用されているという。同サービスは、業界をリードする各種AIモデルへのアクセスを提供するとともに、本番環境で求められるセキュリティ、信頼性、パフォーマンス、コスト効率を備えたAI構築ツール群を提供している。
エージェント型アプリケーション(自律的に思考し、外部ツールと連携してタスクを遂行するAIシステム)の利用拡大に対応するため、Bedrockは「AgentCore」によって機能を拡張している。AgentCoreは、任意のフレームワークやモデルを用いてエージェントの構築、接続、最適化を行える基盤だ。さらにAWSは、オープンソースとして「Strands Agent Harness SDK」を公開している。これにより開発者は、特定の開発手法や実行場所に縛られることなくエージェントを作成し、任意の環境へ柔軟にデプロイできる環境が整えられている。
モデル単体から周辺システム全体のガバナンスへ
AWSは、AIモデルの高機能化に伴い、業務を最初から最後まで遂行できるかどうかが企業における重要なテーマになっていると説明している。昨今のAIエージェントは、社内情報を横断して推論を行い、長期にわたって作業を継続し、デジタル空間や物理的なシステムをまたいで動作することが求められている。
作業範囲が広がるにつれ、モデルがアクセスできるコンテキストの範囲、実行可能なアクション、データが処理される場所、意思決定やコストのガバナンスなど、モデルを取り巻くシステム全体への配慮が不可欠になっているという。同社は、AIに業務の責任を委ねるためには、タスクを正しく把握し、処理の進行中も状態を維持し、明確な組織境界の内部で動作する仕組みが必要であると述べており、8月の機能拡充はこれらを支える土台になるとしている。
GPT-5.6シリーズの100万トークン対応とキャッシュ機能
今回のアップデートでは、Amazon Bedrock上で利用できるOpenAI製モデルの大幅な機能拡張が行われた。「GPT-5.6 Sol」「GPT-5.6 Terra」「GPT-5.6 Luna」の3モデルにおいて、最大100万トークン(テキストの処理単位で、膨大な文書量に相当)のコンテキストウィンドウがサポートされた。
あわせて「プロンプトキャッシング(一度入力したコンテキストを再利用して処理を高速化する技術)」にも対応した。これにより、同一のコンテキストを再利用する際のコストと応答遅延(レイテンシ)を削減できるという。開発者は、巨大なコードベースや長大な規制文書全体をモデルに読み込ませて分析を行わせることが可能になった。
外部プロバイダー不要のWeb検索とリアルタイム情報取得
長文コンテキストの強化に加え、モデルが最新のWeb情報に直接アクセスできる機能も追加された。「Web Search」機能により、モデルは自身の学習データに含まれていない最新情報を検索し、関連する結果を回答に取り込んで引用元(ソース)を提示できる。この機能を利用するにあたり、外部の検索APIプロバイダーを別途契約・統合する必要はない。
また、最新の価格情報や公開されたばかりの技術文書など、即時性が求められる用途に対応するため、公開Webサイトから直接コンテンツを取得する機能も提供された。これにより、社内の巨大な文書と最新の公開情報を照らし合わせ、引用元を明記した回答を単一のAPI呼び出しで生成できるようになったという。
25以上のリージョンに対応するクロスリージョン推論
インフラ面では、リージョン(地理的に独立したデータセンター群)を手動で繋ぎ合わせることなく、25以上のAWSリージョンからGPT-5.6 Sol、Terra、Lunaへアクセスできるクロスリージョン推論機能が提供されている。
この機能には2種類のプロファイルが用意されている。「Global profiles(グローバルプロファイル)」は、広範な処理キャパシティを活用し、より安価なトークン単価で推論を実行できる。「Geo profiles(ジオプロファイル)」は、推論処理を特定の地理的境界内に留める制御が可能であり、データの所在地要件やレイテンシ要件に配慮した運用を可能にするとしている。
補足
Amazon Bedrockは、モデルの長文対応やWeb連携からグローバルな推論インフラ、エージェント基盤までを包括的に提供しており、エンタープライズにおけるAIエージェントの本番運用に向けた環境整備が進んでいる。