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AWS ML Blog

AWS、Amazon Bedrock AgentCoreによるAI主導開発「AI-DLC」のリファレンス実装を公開

要点

  • AWSが、Amazon Bedrock AgentCoreとコーディングエージェント「Kiro」を活用した「AI主導開発ライフサイクル(AI-DLC)」のリファレンス実装を公開した。

  • AI-DLCは、定型的なタスクの実行をAIが担い、人間が重要な意思決定を監督する協調型のソフトウェア開発アプローチである。

  • 1つ目のリファレンス実装では、AgentCore runtimeを用いてSQLスキーマからMermaid形式のER図を自動生成する。

  • 2つ目のリファレンス実装では、AgentCore GatewayやAgentCore memoryを組み合わせたマルチエージェント構成でコードのセキュリティ分析を行う。

  • 両実装ともにGitHubで完全なデプロイ手順が提供されており、モジュール構成によるAIワークフローの構築手法が示されている。

  • アマゾン ウェブ サービス(AWS)は2026年9月3日、公式ブログ「AWS ML Blog」において、エージェント構築サービス「Amazon Bedrock AgentCore」を用いたAI主導開発ライフサイクル(AI-DLC)のリファレンス実装を公開した。コーディングエージェント「Kiro」やローカルのエージェントツールを組み合わせた2つの具体的なアーキテクチャパターンを紹介している。概念的なフレームワークと実際のコードの間にあるギャップを埋め、人間によるガバナンスを保ちながら開発速度を高める手法を提示したという。

AI主導開発「AI-DLC」の概要と課題

AI-DLC(AI-Driven Development Lifecycle)は、ソフトウェア開発ライフサイクル全体においてAIを中心的な協調者として位置づける開発手法である。定型的なタスクの実行をAIが引き受け、人間側はクリティカルな意思決定の監督に専念する体制を目指す。

AWSによると、Amazon Bedrock AgentCoreやコーディングエージェント「Kiro」を導入するエンジニアリングチームの間では、概念的なフレームワークを実際の動作するコードへ落とし込む際に課題が生じていたという。Amazon Bedrock AgentCoreは、任意のフレームワークやモデルを用いてAIエージェントを大規模に構築、接続、最適化するためのサービスである。今回の発表では、このギャップを解消するための実動リファレンス実装が提示された。

AI-DLCの構築(Construction)フェーズにおいて、AIはアーキテクチャの提案や実装計画の策定、コードの作成、デプロイ用成果物の生成などを担当する。これに対し、人間のチームメンバーは技術的な意思決定に関する明確化をリアルタイムで行う役割を果たすと説明されている。

実装例1:SQLスキーマからのER図自動生成

公開された1つ目の実装例は、SQLスキーマファイルからMermaid形式のエンティティ関係(ER)ダイアグラムを自動生成するサーバーレス構成である。Mermaidはテキスト記述から図を生成できるダイアグラム記法を指す。

データベースを扱う開発現場では、スキーマの変更に伴ってER図を手動で作成・更新する作業に多大な時間がかかり、実際のスキーマとドキュメントの内容が乖離(ドリフト)しやすいという課題があった。プルリクエストによってスキーマ変更が行われた際、手動の手間を増やさずに最新の図面を維持することが求められていた。

このシステムでは、Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)とAWS Lambdaを組み合わせたイベント駆動型アーキテクチャを採用している。開発者がSQLコードをチェックインすると、S3へのアップロードをトリガーとしてLambda関数が起動し、Amazon Bedrock AgentCoreの機能である「AgentCore runtime」を呼び出す。AgentCore runtimeがDDL(データ定義言語:テーブル構造などを定義するSQL文)を解析し、生成された.mmd形式のダイアグラムファイルをS3へ保存する仕組みとなっている。

なお、このエージェントはテーブル定義や制約、外部キーといったスキーマのメタデータのみを読み込み、データベース内の実際の行データにはアクセスしない設計になっているという。

実装例2:マルチエージェントによる継続的セキュリティ分析

2つ目の実装例として紹介されたのは、マルチエージェントアーキテクチャを用いた自動コードセキュリティ分析システムである。

このシステムは、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインを通じてプッシュされたコードを自動的に分析する。ここでは、Amazon Bedrock AgentCoreの機能である「AgentCore Gateway」および「AgentCore memory」が活用され、外部ツールとの統合が行われている。

エージェント群は連携してコードを精査し、セキュリティ評価をはじめ、CVE(Common Vulnerabilities and Exposures:既知の脆弱性に付与される共通識別子)のチェック、ポリシーへの準拠状況レポートなどを出力する。生成された各レポートは、人間が判断を下すための材料として提供される。

モジュール化と人間の監督を重視した設計

今回公開された2つのリファレンス実装は、いずれもAgentCoreを共通の基盤として構築されている。AIを活用した開発ワークフローをモジュール化された扱いやすいコンポーネントとして組み立てる方法を示しているという。

また、AIに自動化を任せつつも人間の監督(Human-in-the-loop)を維持することで、ガバナンスと開発サイクルの迅速化を両立させる構成となっている。AWSは、紹介された両ソリューションについて、それぞれのGitHubリポジトリで完全なデプロイ手順を提供していると述べている。

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