AWS、Amazon Bedrockにプロンプト自動最適化機能を追加 複数モデルの比較に対応
要点
-
AWSは、生成AI開発プラットフォーム「Amazon Bedrock」に、プロンプトを自動で最適化・比較できる機能「Advanced Prompt Optimization」を追加した。
-
最大5つのAIモデルを対象にプロンプトの最適化ジョブを同時に実行し、変更前後の性能を比較できる。
-
評価指標に基づき、AIの応答評価とプロンプトの自動書き換えを繰り返すフィードバックループを採用している。
-
最適化後のプロンプトに加え、評価スコア、応答開始時間(TTFT)、オンデマンド価格に基づく推定推論コストが出力される。
-
米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は現地時間2026年7月30日、生成AI(文章などを自動作成する人工知能)開発プラットフォーム「Amazon Bedrock」で、プロンプト(AIへの指示文)を自動最適化する新機能「Advanced Prompt Optimization」を発表した。手作業だったプロンプトの微調整やモデル移行作業を、指標に基づく自動ワークフローへ置き換えるという。
-
【手作業によるプロンプト調整がもたらす開発の停滞】
-
生成AIアプリの運用において、プロンプトの最適化や新しいモデルへの移行は、いまだに手動での試行錯誤が多く、開発のボトルネックとなっている。稼働中のアプリで調整済みのプロンプトがあっても、より高速で安価な新モデルへの移行には多大な労力がかかる。プロンプトの書き換えとテスト結果の比較を繰り返すため、移行や改善のたびに数日から数週間を要するという。元記事では、この手動プロセスが以下の課題を引き起こすと指摘している。
-
モデルのロックイン:特定の技術に依存し移行が難しくなる状態。調整の手間を嫌い、低コストで高性能な新モデルへの移行を避けてしまう。
-
性能の低下(アンダーパフォーマンス):旧モデル用に最適化したプロンプトの流用により、新モデルの本来の能力を引き出せない。
-
品質劣化の未検知(リグレッション・ブラインドネス):体系的な評価がなく、出力品質の悪化(リグレッション)に気づかぬまま出荷してしまう。
-
開発サイクルの遅れ:プロンプト変更のたびに手動でA/Bテスト(性能を比較する検証)が必要になり、開発者の作業が検証ループで停滞する。
-
【評価指標をもとにプロンプトを自動で磨き上げる仕組み】
-
これらの課題に対応するため、「Advanced Prompt Optimization」は、AIモデルの重み(内部パラメーター)を変更することなく、強化学習(試行錯誤により最適な挙動を学ぶ手法)に近いフィードバックループで動作する。
-
具体的なプロセスは以下の通りである。
-
まず開発者が、プロンプトのテンプレート、入力例(テキストまたは画像などのマルチモーダルデータ)、任意の正解データ、および満たすべき評価指標をシステムに提供する。
-
次にオプティマイザー(最適化エンジン)が、これらを指定の推論(AIに予測させる処理)モデルへ送信し、得られた回答を指標に照らして評価しプロンプトを自動で書き換える。この「評価、書き換え、再評価」のループにより、プロンプトを反復的に磨き上げるという。
-
【複数モデルの性能とコストを数値で比較】
-
本機能は、このプロセスを最大5つのモデルに対して同時に実行できるのが特徴だ。完了後は元のプロンプトと最適化後プロンプトに加え、評価スコア、最初の1文字を出力するまでの時間(TTFT)、オンデマンド価格に基づく推定推論コストが出力される。
-
これにより開発者は、品質変化やコスト影響を客観的な数値で比較し、移行の判断を下せる。この仕組みはモデルに依存しない設計で、Bedrock上で提供される任意のモデルで利用可能であると説明している。