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AWS ML Blog

AWS、Claude Platformのマルチ環境アクセス実装ガイドを公開 専用AIアカウントによる権限分離と3系統の認証パターンを提示

要点

  • AWSが、組織内で「Claude Platform on AWS」を安全に運用するためのマルチ環境アクセス構成手順を公開した。

  • 本番ワークロード、開発者のローカル端末、外部CI/CDパイプラインという異なる3つの環境からの推論要求を統合管理する手法を解説している。

  • 単一のサブスクリプションを共有しながら、ワークスペース単位で本番環境と開発環境のトラフィックを分離する設計を採用している。

  • 課金を担う管理アカウント、基盤を保持する専用の「AI Servicesアカウント」、個別システムが動くワークロードアカウントの3アカウント構造を提示した。

  • 認証方式として、クロスアカウントSigV4、ワークスペース限定APIキー、OIDCフェデレーションの3パターンを使い分ける。

  • 米Amazon Web Services(AWS)は2026年10月1日(現地時間)、同社公式のMachine Learning Blogにて、「Claude Platform on AWS(CPonAWS)」へのアクセスを複数環境から統合的に管理・実装するためのガイドを公開した。本番稼働中のクラウドシステムから開発者のローカル環境、さらには他社クラウドやオンプレミス環境に至るまで、認証要件の異なる接続元を単一の契約下で安全に分離・集約する手法が示されている。

複数環境からの推論要求とワークスペース分離の背景

企業システムにおいて生成AIモデルを活用する際、推論のアクセス元となる環境は単一ではない。AWS上で稼働する本番ワークロードに加え、開発者が手元のPCで試行錯誤を行うローカル環境、さらには他社クラウドやオンプレミスのCI/CD(ソフトウェアのビルドやテスト、デプロイを自動化する仕組み)パイプラインなど、多様な場所から推論呼び出しを行うケースが多い。

これらの環境はそれぞれ異なる認証要件を持つ一方で、コスト管理や契約管理の観点からは単一のサブスクリプション(利用契約)を共有することが望ましい。今回AWSが提示した構成では、単一の契約を維持したまま、ワークスペース単位で本番環境と開発環境のトラフィックを明確に分離する手法が取られている。また、組織内にさらなるチームやワークロードが存在する場合でも、チームごとにワークスペースを新設し、クロスアカウント用のロール構成を適用することで柔軟にスケールさせることが可能だという。

3つのアカウントで構成する「専用AI Servicesアカウント」パターン

今回のアーキテクチャの核となるのが、AWS Organizationsの組織内に「専用のAI Servicesアカウント」を配置するマルチアカウント構成である。この設計では、役割の異なる3種類のアカウントを組み合わせて運用する。

1つ目は、組織全体の請求やガバナンスを一元管理する「支払い(Payer/管理)アカウント」である。2つ目が、CPonAWSのサブスクリプション、ワークスペース、APIキー、クロスアカウント用ロールを集約して保持する「AI Servicesアカウント」だ。そして3つ目が、実際に推論を利用するアプリケーションが配置される1つ以上の「ワークロードアカウント」である。

ワークロードアカウントはCPonAWSのサブスクリプションに直接アクセスするのではなく、AI Servicesアカウント側で定義されたIAM(AWSのIDおよびアクセス権限を管理する機能)ロールを引き受ける(AssumeRoleする)ことで推論APIを実行する。これにより、推論基盤に関する設定やセキュリティ資産をAI Servicesアカウント内に集約し、個別アカウントへの権限露出を最小限に抑えることができる。

要件に応じた3つのアクセスパターンと認証方式

本ガイドでは、接続元環境のセキュリティ要件や運用特性に応じて、具体的に以下の3つのアクセスパターンを実装する構成が解説されている。

1つ目は、AWS内のワークロードアカウントからの接続である。具体例として、Amazon EKS(KubernetesをAWS上で運用するためのマネージドコンテナサービス)上のPodが挙げられている。EKSのPodは、AI Servicesアカウントのロールを引き受け、AWS標準の認証プロトコルである「SigV4(リクエストの認証と改ざん検知を行うAWSの署名方式)」を用いて署名付きの推論コールを実行する。この構成を採用することで、静的なAPIキーをシステム内に保持する必要がなくなり、シークレットのローテーション(定期的なキー更新)作業も不要になる。

2つ目は、開発者のPC(ローカル端末)からのアクセスである。開発者が手元で素早く開発サイクルを回す用途向けには、特定の開発用ワークスペースのみにアクセス範囲を限定した「ワークスペーススコープAPIキー」を発行して利用する。

3つ目は、外部クラウドやオンプレミス環境からのアクセスである。他社クラウドサービスや社内ネットワーク上のCI/CDパイプラインなど、AWS外のワークロードに対しては「OIDC(異なるシステム間で安全にID連携を行うオープン規格)フェデレーション」を構成する。これにより、外部環境からでも安全に認証を通し、AI Servicesアカウントを経由した推論アクセスを可能にする。

具体的な実装手順と設計リソース

公開された記事では、専用AI Servicesアカウントの展開から各認証経路の確立に至るまでの全工程が、CLI(コマンドラインインターフェース)のコマンド、AWSマネジメントコンソールの操作手順、およびコードスニペットとともに具体的に記載されている。

なお、自社組織に適したアカウント構造の検討や、ワークロードに応じた認証パスの比較・選択を行いたい利用者に向けては、関連するアーキテクチャパターンや認証パスを扱った既存の解説記事もあわせて案内されている。

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