AWS、SageMaker AIとBedrock AgentCoreを組み合わせたマルチモデル型エージェント構築手法を公開
要点
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米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は2026年8月14日、SageMaker AIとBedrock AgentCore runtimeを組み合わせたエージェント構築手法を公式ブログで公開した。
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Bedrock上のマネージド基盤モデルと、SageMaker AI上に自前でホスティングしたモデルを単一のコンテナ環境内で統合可能にした。
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Claude Haiku 4.5、Claude Sonnet 4.6、Qwen 3.5 9Bの3モデルを目的に応じて使い分け、コスト最適化と柔軟性を両立させている。
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マルチエージェントフレームワーク「Strands Agents」を採用し、SageMakerエンドポイントにおけるトークン単位の可観測性も確保している。
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米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は2026年8月14日、機械学習プラットフォーム「Amazon SageMaker AI」と生成AIマネージドサービス「Amazon Bedrock」のAgentCore runtimeを連携させ、複数のAIモデルを組み合わせたエージェント型ワークフローを構築する手法を公式ブログ(AWS ML Blog)で発表した。クラウド事業者が提供するマネージドな基盤モデルと、コスト最適化や特定用途向けに独自ホスティングしたモデルを、エージェント側の構造を大幅に変更することなく単一システム内で協調動作させるアーキテクチャを提示している。
課題とハイブリッド運用の狙い
自律的なエージェントワークフローを構築する現場では、高度な汎用基盤モデルを利用しつつ、定型的なタスクや特定ドメインの処理にはコスト効率の高い独自モデルを組み合わせたいという需要がある。しかし、提供形態が異なるモデルを混在させる場合、エージェントフレームワークの大幅な書き換えが必要になる点が一般的な課題となっていた。
今回AWSが公開したアーキテクチャでは、SageMaker AIのリアルタイムエンドポイントが備えるOpenAI互換API(OpenAIのAPI規格に準拠した通信インターフェース)と、Bedrock AgentCoreのマネージドな実行環境(AgentCore runtime)を統合している。これにより、各専門エージェントに最適なモデルを割り当てて協調させることができ、コストの最適化、データレジデンシー(データの国内・特定地域内保持要件)への準拠、モデル選定の柔軟性を備えた本番運用構成を実現できると説明している。
3つのモデルを組み合わせる特化型エージェント構成
提示されたシステム構成では、Bedrock AgentCoreの単一コンテナを介して3つのモデルホスティング経路が接続されている。ユーザーからの問い合わせに対し、役割の異なる3つのエージェントが分担して処理を行う仕組みだ。
1つ目は、システム全体の窓口となる「オーケストレーターエージェント」である。モデルにはAmazon Bedrock上の「Claude Haiku 4.5」を使用し、グローバルなリージョン間推論(Global cross-Region inference)を活用してユーザーの意図を判別し、後続の専門エージェントへタスクを振り分ける。
2つ目は、資産配分などを処理する「予算エージェント」だ。Amazon Bedrock経由で「Claude Sonnet 4.6」を呼び出し、データ検証ライブラリ「Pydantic」を用いた構造化出力を活用して、生活費・娯楽費・貯蓄に分類する「50/30/20ルール」に基づく予算内訳を算出する。
3つ目は、個別銘柄の分析やポートフォリオ構築を担当する「財務分析エージェント」である。このエージェントにはSageMaker AI上でホスティングされたオープンソースの言語モデル「Qwen 3.5 9B」が割り当てられており、ツール呼び出し機能(tool-calling)を用いて株価データの取得や分析処理を実行する。
Strands Agentsによる連携と可観測性の確保
複数エージェント間の連携基盤には、オープンソースのエージェントフレームワーク「Strands Agents」が採用されている。同フレームワークの「agents as tools(エージェントをツールとして扱う)」パターンにより、オーケストレーターが予算エージェントや財務分析エージェントをツールとして呼び出す設計となっている。
ユーザーの要求はオーケストレーターに入力された後、各専門エージェントへと渡される。予算エージェントはBedrock経由でClaude Sonnet 4.6を実行し、財務分析エージェントはOpenAI互換API経由でSageMaker AI上のQwen 3.5 9Bを呼び出す。それぞれの処理結果はオーケストレーターに集約され、最終的な回答としてユーザーへ返却される。
また、本アーキテクチャでは統合時の技術的な要点として、SageMakerエンドポイントにおける「トークンレベルの可観測性(オブザーバビリティ)」の取得手順も盛り込まれている。Strands Agentsの標準機能ではカバーされないSageMakerエンドポイントのトークン消費状況を追跡できるよう、OpenTelemetry(OTel)連携を含む監視手法が組み込まれているという。
デプロイ仕様と前提環境
今回の実装例において、SageMaker AI上で動作するQwen 3.5 9Bは、オープンソースの高速推論エンジン「vLLM」を含む深層学習コンテナ(DLCイメージ名:vllm:0.22.1-gpu-py312-cu130)を用いてデプロイされている。インスタンスにはNVIDIA L40S GPU(48GB VRAM)を1基搭載した「ml.g6e.2xlarge」が指定され、米国西部(オレゴン)リージョン(us-west-2)で稼働させている。
本ワークフローを構築するための主な前提条件は以下の通りである。
- SageMaker AI、Amazon Bedrock、AgentCoreの利用権限を持つAWSアカウント
- エンドポイント呼び出しおよび認証に必要なIAM権限(
sagemaker:InvokeEndpoint、sagemaker:CallWithBearerToken) - BedrockにおけるClaude Haiku 4.5およびClaude Sonnet 4.6へのモデルアクセス権(利用可能なモデルはAWSリージョンによって異なる)
- Python 3.12以上の実行環境
- 主要ライブラリ(
sagemaker-core、openai、httpx、strands-agents[otel]、yfinance、pydantic、bedrock-agentcore)の導入
なお、AWSは今回のマルチエージェントワークフローで利用した完全なソースコードを、GitHub上のサンプルリポジトリ(aws-samples/sagemaker-genai-hosting-examples)にて公開している。