OWN NEWS GATHER
← 戻る
AWS ML Blog

AWS、「SageMaker Studio」からHyperPod Spacesを直接管理可能に GUI上でJupyterLabなどを数クリック起動

要点

  • 米Amazon Web Services(AWS)は、統合開発環境「Amazon SageMaker Studio」の管理画面から「Amazon SageMaker HyperPod」のEKSクラスター向けSpacesを作成・管理できる新機能を発表した。

  • 従来必須だったCLIツールやkubectlコマンドが不要となり、WebブラウザのGUI操作だけで対話型開発環境の構築から停止まで行えるようになった。

  • 新設された「IDE and Notebooks」タブから、JupyterLabやCode Editorのブラウザ起動、外部IDEとの接続、コンピュートリソースの割り当てや停止が可能になった。

  • 基盤モデルの大規模トレーニングや推論と同じインフラ上で対話型環境を稼働させ、GPUの端数割り当てを含むリソースの有効活用を支援する。

  • 米Amazon Web Services(AWS)は2026年10月6日(現地時間)、機械学習向け統合開発環境「Amazon SageMaker Studio」において、基盤モデル向けインフラ「Amazon SageMaker HyperPod」上の対話型開発環境(Spaces)を直接作成・管理できる新機能を提供開始したと公式ブログで発表した。

  • これまでHyperPodのEKSクラスター上で対話型環境を立ち上げるには、専用のCLIツールやKubernetesの管理コマンドが必要だったが、本機能によりWebブラウザ上のGUI操作だけで構築から起動・停止まで完結するようになった。

  • 同社は、データサイエンティストがクラスターへのアクセス権を得てから実際のモデル開発に着手するまでの所要時間を、わずか数クリックに短縮できると説明している。

大規模モデル向けインフラと対話型開発環境の統合

今回のアップデートの対象となった「Amazon SageMaker HyperPod」は、大規模な基盤モデル(Foundation Model)のトレーニングや推論に特化して構築された専用インフラストラクチャである。コンテナオーケストレーションサービス「Amazon Elastic Kubernetes Service(Amazon EKS)」を活用し、組み込みの耐障害性や自動障害復旧機能を備えながら、数百基規模のアクセラレータにまたがる分散トレーニングジョブを実行できる。さらに学習処理にとどまらず、数十億パラメータ規模の基盤モデルに対して低遅延かつスケーラブルな推論環境を提供する機能も備えている。

AWSは2026年初頭、このHyperPod EKSクラスター上で対話型の開発環境を直接作成できるアドオン機能「Amazon SageMaker Spaces for HyperPod」を導入していた。これにより、組織は大規模なトレーニングジョブやモデルのデプロイが動作する同一インフラ上で対話型ワークロードを並行稼働させることが可能となり、GPUの端数割り当て(fractional GPU allocations)のサポートとともにGPU投資の効率を最大化できるようになっていた。

従来の課題:コマンドライン操作への依存と運用の複雑さ

しかし、これまでSageMaker Spacesを作成・管理する手段は、主に専用の「HyperPod CLI」ツールや、Kubernetesを操作する管理コマンド「kubectl」の実行に限られていた。この手法はインフラの管理者に対して詳細で粒度の細かい制御権限を提供する一方、グラフィカルな画面での作業を好むデータサイエンティストにとっては利用のハードルとなっていた。クラスター上のリソースを使って開発を始めるにあたり、コマンドラインツールの操作や設定を強いられることが、モデル開発への着手を遅らせる要因になっていたという。

今回SageMaker Studioに導入された新機能は、こうしたコマンドラインツールの操作を不要にし、データサイエンティストが本来の目的であるモデル開発に専念できるようにすることを目指したものだ。

新機能の概要:クラスター管理画面から直感的に操作可能

新機能の追加により、SageMaker StudioのHyperPodクラスター詳細ページ内に「IDE and Notebooks」という新しいタブが設けられた。このタブにSpaces管理機能が統合されたことで、日常的な環境の作成や運用においてCLIツールを扱う必要がなくなった。

Studioの画面上から提供される主な機能は以下の通りである。

  • ガイド付きフォームによる環境作成:Webフォームの案内に沿って入力するだけで、コンピュートリソース、Kubernetesの名前空間(namespaces)、ストレージ、利用するコンテナイメージなどを設定できる。計算リソースのクォータ管理機能である「HyperPod Task Governance」とも連携している。
  • 一覧テーブルによるリソースの可視化:作成されたすべてのSpacesが検索可能な表形式で一覧表示され、環境名や稼働ステータス、アクセス種別、ストレージ容量に加え、割り当てられているGPU数やvCPU数などのリソース配分状況を確認できる。
  • ワンクリックでのリソース解放と再開:環境の開始および停止操作を単一の選択アクションで実行できる。使用していないSpacesを停止させることで、不要なコンピュートリソースを解放し、コストを抑えられる。
  • 多様な開発ツールの選択:Webブラウザ上で直接JupyterLabやCode Editorを開いて作業できるほか、開発者が普段使用している「Visual Studio Code(VS Code)」などの外部リモートIDEからの接続もサポートしている。

導入における管理者と開発者の役割分担

AWSによると、本機能を利用した開発環境の立ち上げにあたっては、2つの役割による分担が想定されている。まずインフラ管理者(Administrators)がHyperPodクラスターの事前準備を行い、その上でデータサイエンティスト(Data Scientists)がStudioの画面から自律的に必要な環境を作成・操作する流れとなっている。

元URL