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AWS ML Blog

AWS、生成AIによるプレゼン資料自動作成エージェントを解説 Bedrock AgentCoreで90秒未満の生成を実現

要点

  • AWSが、基盤「Amazon Bedrock AgentCore」を用いてPowerPoint資料を自動生成するAIエージェントの構築手法を公開した。

  • 社内テストでは、長文の報告書からのスライド作成が90秒未満で完了したという。

  • 「Claude Sonnet 4.6」や「Stable Image Inpaint」など複数の生成AIモデルを用途に応じて組み合わせている。

  • オープンソースの「Strands Agents」による監督役エージェントが、資料生成と要約のツールを自律的に使い分ける。

  • 企業連携向けに「.NET 8」のAPIや「Amazon OpenSearch Serverless」を採用し、コード資産も公開されている。

  • 米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は2026年10月14日、公式ブログ(AWS ML Blog)において、同社の基盤「Amazon Bedrock AgentCore」を活用してPowerPointプレゼンテーションを自動生成するAIエージェントの構築例を公開した。四半期報告書などの大量の業務資料から要点を抽出し、スライド構成の作成から画像生成、ファイル組み立てまでを自動で行う仕組みだ。同社による内部テストでは、一連の処理が90秒未満で完了したことが明らかになった。

金融業務の資料作成を自動化、社内テストで90秒未満を達成

元記事によると、金融サービス業務では四半期報告書やコンプライアンス(法令遵守)関連文書、市場分析レポートなどをもとに、毎週多くの時間を費やして顧客向けスライドを作成している実態があるという。担当者は数百ページにおよぶ資料を読み込み、要点の抽出や構成の策定、画像の準備を手作業で行う負担が課題となっていた。

今回公開されたシステムは、この工程をAIエージェントで自動化するものだ。元文書に裏付けられた内容を保ちながら作成時間を大幅に短縮でき、AWSの社内テストでは90秒未満で完了したと説明している。なお、実装用のコード資産は公開リポジトリで提供されている。

役割ごとに異なる複数の生成AIモデルを連携

本システムでは、単一のモデルではなく用途に応じた複数の基盤モデル(汎用的に学習されたAIモデル)を使い分けている。

スライド全体の骨子策定や文章生成には、Amazon Bedrock上で提供されている「Anthropic Claude Sonnet 4.6」を採用した。また、文書を意味に基づいて検索するベクトル検索には「Amazon Titan Text Embeddings v2」を使用する。さらに、スライドに挿入する視覚的な画像の生成には「Stability AI Stable Image Inpaint」を組み合わせているという。

監督役エージェントが用途に応じてツールを自律制御

アーキテクチャ面では、すべての処理を一体化せず、役割ごとに分かれたツールを「スーパーバイザー(監督役)エージェント」が統括する設計を採用した。

エージェントの制御には、オープンソースのAI開発用SDK(ソフトウェア開発キット)「Strands Agents」を用いている。エージェントは要求内容に応じて以下の2つのツールを自律的に使い分ける。

  • generate_pptx: 情報を取得して骨子作成や画像生成を行い、PowerPointファイルを組み立てるツール。
  • generate_summary: RAG(検索拡張生成:外部知識を検索して回答精度を高める技術)を用い、正確な要約応答を返すツール。

エージェントは要求が資料作成か要約か、あるいはその両方かを判断してツールを選択する。既存コードを変更せず、エージェントコード上で新しいツールを追加できる拡張性も備えているという。

AgentCore runtimeと企業向けクラウド基盤

エージェントが動作する「Amazon Bedrock AgentCore runtime」は、任意のフレームワークやモデルでエージェントを構築・最適化できる実行環境だ。コードはセッション管理や認証機能、可観測性(動作状況を把握する仕組み)を備えた隔離コンテナ内で安全に実行される。

企業システムとの連携には「.NET 8 minimal APIs」によるREST APIを備え、スライド組み立ての計算基盤には「AWS Lambda」のコンテナ関数を採用した。検索基盤には「Amazon OpenSearch Serverless」を用い、マルチモーダルデータのベクトル保存と意味検索を担う。さらに「Amazon VPC」によるネットワーク分離、「AWS KMS」による暗号化、「AWS IAM」による最小権限管理により、企業水準のセキュリティを確保しているという。

補足

本記事で解説された構成や公開コードは、定型的なドキュメント作成業務を抱える企業が、自社環境で生成AIエージェントを検証・導入する際の実践的な参照モデルとなる。

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