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AWS ML Blog

AWSが2026年9月のAI開発向け機能を公開、OpenAI対応エージェント基盤や高速ランタイムなど

要点

  • AWSが2026年9月に投入したAIエージェント関連の機能強化を発表し、モデル、ランタイム、ツールの各層で選択肢を拡充した。

  • 「Amazon Bedrock Managed Agents」のパブリックプレビューが開始され、AWSのセキュリティやIAM権限を維持したままOpenAIモデルを利用可能になった。

  • 「AgentCore runtime」の刷新により、サーバーレスエージェントのコールドスタート遅延が低減し、待機時のゼロスケールと実使用量に応じた課金に対応した。

  • オープンソース領域では、トークン消費を28%削減する「Strands harness」と、ローカルで約115ミリ秒で判断を下す小型モデル「Strands Decider 2B」が提供された。

  • 米Amazon Web Services(AWS)は2026年10月9日、公式ブログ「AWS ML Blog」において、同年9月に提供を開始したAI開発者向けの新機能をまとめた記事を公開した。「Amazon Bedrock」「Amazon Bedrock AgentCore」「Strands」の3領域にわたるアップデートが報告されている。企業におけるAIエージェントの実運用が進むなかで、コスト効率の改善や安全性の確保、インフラ負荷の軽減を支援する新機能が複数盛り込まれた。

モデル性能からシステム全体のガバナンスへ

AWSは記事の中で、企業がAIを活用するための最短経路は、モデル、実行環境(ランタイム)、ツールのすべての階層で開発者に実質的な選択肢を提供することにあるとの見解を示している。

現在、エージェントを本番環境で運用するにあたっては、単なるモデルの性能比較にとどまらず、用途ごとの費用対効果の検証が重視されるようになっているという。社内ナレッジに基づく推論や長期的なタスクの遂行、セキュリティやガバナンスの確保が求められるなか、業界の関心はモデル単体から、エージェントが参照できるコンテキストや実行可能なアクション、データ保護を含めたシステム全体へと移行しているとAWSは説明している。2026年9月の機能追加は、こうした基盤を強化するものだという。

Bedrock Managed Agents:AWSの管理下でOpenAIモデルを運用

今回のアップデートでは、OpenAIモデルを搭載した「Amazon Bedrock Managed Agents」のパブリックプレビュー提供が発表された。Amazon Bedrockは、最先端の基盤モデル群を安全に利用・拡張できるAWSのフルマネージドサービスである。

本機能により、OpenAIのモデルを採用しながらも、すべてのデータをAWS環境内に保持したままエージェントを構築できるようになる。AWS Identity and Access Management(IAM:AWSリソースへのアクセス権限を制御する仕組み)の既存設定をそのまま流用できるほか、AWS CloudTrailによる操作履歴の監査性も維持されるという。さらに、セッションの永続化(Durable sessions)や、人間の承認を挟むワークフロー機能が標準で備わっており、開発負荷の軽減や運用リスクの抑制に寄与すると説明されている。

AgentCore runtime:起動の高速化とコスト最適化

エージェント運用基盤である「Amazon Bedrock AgentCore」向けには、新しい「AgentCore runtime」が導入された。Amazon Bedrock AgentCoreは、任意のフレームワークやモデルを用いたエージェントの構築・接続・展開を行うマネージドインフラである。

この新ランタイムでは、メモリ管理の効率化によってサーバーレスエージェントにおけるコールドスタート(停止状態から新たに起動する際に生じる初期遅延)が短縮された。事前の容量プロビジョニングは不要で、ピーク時のメモリ容量ではなく実際の消費量に基づいて支払う従量課金制(pay-as-you-go)が適用される。また、待機中にはリソースが自動的にゼロへと縮小(スケール・トゥ・ゼロ)し、実行時はハードウェアレベルで分離された環境で処理が行われるため、低コストかつ安全にエージェントを稼働させることができるとしている。

Strands:トークン消費を28%削減するハーネスと高速判断モデル

任意の環境で動作するオープンソースのエージェントツールキット「Strands」からも、運用の効率化を目的とした2つの成果物が公開された。

1つ目は、新たなエージェント実行基盤である「Strands harness」だ。同ツールは既存の主要ハーネスと同等の精度を保ちながら、トークン(AIが文章を処理する際の最小単位)の消費量を28%削減することに成功したという。文脈管理、プロンプトのキャッシュ機能、メモリ機能が組み込まれており、PythonまたはTypeScriptを用いて1行のコードを記述するだけで、本番向けエージェントを起動できる。構築したエージェントは特定のクラウドに縛られず、任意の環境へ配備可能だ。

2つ目は、20億パラメータの小型決定モデル「Strands Decider 2B」である。自由なテキストを生成するのではなく、あらかじめ定義された選択肢の中から判断を下す処理に特化している。この設計により、ローカル環境において約115ミリ秒という応答時間を達成した。エージェントがタスクを遂行する際の意思決定を高速かつ安全に行えるよう最適化されているという。

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