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AWS ML Blog

AWSとDenodo、自律型AI向けのデータ仮想化連携を解説 Bedrock AgentCoreとMCPを活用

要点

  • AWSが公式ブログで、データ仮想化基盤「Denodo」とエージェント基盤「Amazon Bedrock AgentCore」によるセマンティック層の構築手法を公開した。

  • Amazon AuroraやAmazon Redshiftに加え、AWS外のオンプレミスPostgreSQLをデータ移動なしで単一の顧客統合ビューに集約する。

  • 基盤モデルは結合ロジックを直接持たず、Model Context Protocol(MCP)準拠のサーバーを経由してVQL形式でセマンティック層にクエリを発行する。

  • 認証情報を代理トークン交換でDenodoへ引き継ぎ、クエリ実行時に行・列レベルの動的なアクセス制御を適用する。

  • AWS上でのDenodo導入形態として、マネージドサービス「Agora」とEC2やEKSを用いるセルフマネージド型の2通りが示された。

  • アマゾン ウェブ サービス(AWS)は2026年10月20日、公式ブログ「AWS ML Blog」において、自律型AI(エージェント型AI)が企業の分散データへ統制された形でアクセスするためのセマンティック層の構築手法を公開した。データ仮想化プラットフォームを提供するDenodoとエージェント基盤「Amazon Bedrock AgentCore」を組み合わせ、オンプレミス環境を含むデータ統合アーキテクチャを示している。

分散データとエージェントをつなぐセマンティック層

自律型AIアプリケーションが実務で的確に機能するためには、基幹システムや分析基盤に存在する稼働中の実データへの統制されたアクセスが不可欠とされる。しかし、対象となるデータは運用系システム、分析用データウェアハウス、SaaS、他社クラウド、オンプレミスなど各所に分散して存在している。

AWSは前回の記事において、グラフデータベース「Stardog」を用いたセマンティック層(データの意味定義や関連性を一元管理する仮想レイヤー)の構築手法を解説していた。今回の記事はその続編にあたり、同じ顧客360度ビューの課題を扱いながら、セマンティック層の実装をDenodo Platformへ置き換え、データソースの範囲をAWSの外部にまで拡張した構成を紹介している。

オンプレミスを含む環境をゼロコピーで統合

今回のアーキテクチャの核となるのが、データ仮想化を提供するDenodo Platformの採用だ。Denodoは、分散した企業データに対してアクティブなコンテキストを提供し、データを物理的に移動・複製しない「ゼロコピー」アクセスを実現するAIデータレイヤーとして機能するという。

連携対象となるデータソースには、AWS内のAmazon AuroraおよびAmazon Redshiftに加え、オンプレミスのPostgreSQLデータベースが含まれる。これにより、データ統合の範囲は単一のAmazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)の境界を越え、ハイブリッド環境全体に及ぶ。エージェントはこれらが統合された「Customer 360(顧客360度ビュー)」に対し、DenodoのSQL方言である「VQL(Virtual Query Language)」を用いてクエリを発行する仕組みだ。

プロンプトから結合処理を排除する設計

本構成では、Amazon Bedrock上の基盤モデル(Foundation Model)がクエリの立案や生成を担当する。ただし、プロンプト内にテーブル結合(JOIN)の定義やビジネス指標、ユーザーごとの閲覧権限を含めるアプローチは取らない。

テーブル同士の結合関係やメトリクスの定義、呼び出し元の権限に応じた行・列フィルター条件といったビジネスロジックは、すべてセマンティック層の内部に集約される。基盤モデルは複雑な結合関係を自ら管理する必要がなく、シンプルなクエリ計画に専念できるため、プロンプトの肥大化や推論の誤りを抑えられると説明されている。

MCPによる接続とAgentCoreのホスティング

エージェントとセマンティック層を接続するインターフェースには、オープン標準のModel Context Protocol(MCP:AIモデルと外部ツールやデータを標準接続する通信規約)が採用されている。「Denodo MCP Server」がガバナンスの効いたデータビューをMCP経由でエージェントへ公開し、これが「Amazon Bedrock AgentCore」のGatewayターゲットとして登録される。

Amazon Bedrock AgentCoreは、任意のフレームワークやモデルを用いてエージェントを大規模に構築・接続・最適化するためのプラットフォームだ。エージェント本体のホスティング環境を提供するとともに、インバウンド認証の終端やDenodo向けのアウトバウンド資格情報の管理を一手に担うという。

代理トークン交換と実行時のアクセス制御

企業のセキュリティ要件に対応するため、エンドツーエンドの認証・認可の仕組みも示された。企業のIDプロバイダー(IdP)で認証されたエンドユーザーの識別情報は、AgentCore Identityの「On-Behalf-Of(OBO:代理)」トークン交換機能によってDenodoへと引き渡される。

これにより、エンドユーザーの身元がDenodoへ正確に伝搬される。その上でDenodoの「Global Security Policies(グローバルセキュリティポリシー)」が働き、クエリ実行時に呼び出し元の権限に応じた行フィルターおよび列フィルターが動的に適用される。モデルがどのようなクエリを生成しても、ユーザーが閲覧権限を持たないデータは確実に遮断される構造だ。

AWS上における2通りの展開オプション

記事では、AWS環境におけるDenodoの導入形態として2つの選択肢が提示されている。1つは、Denodoが提供する完全マネージド型のクラウドサービス「Agora」を利用する方法だ。もう1つは、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)またはAmazon Elastic Kubernetes Service(Amazon EKS)上に自前で導入するセルフマネージド構成である。利用企業の運用体制やインフラ要件に応じて選択できるとしている。

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