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AWS ML Blog

Axonius、Amazon Bedrock AgentCoreを活用したマルチテナント向けAIエージェント構築事例を公開

要点

  • サイバーセキュリティおよび資産管理を手がけるAxoniusが、Amazon Bedrock AgentCoreを用いたAIエージェントの構築事例を公開した。

  • 同社は数百の顧客環境を個別に隔離する従来の「サイロモデル」を維持したまま、安全なAIエージェント機能の統合を進めている。

  • 新たに導入されたAIエージェントは、数十の連携元から集まる数百万件規模のデータを分析し、環境内のリスクやギャップを自動で特定する。

  • 高度な分析を自動化することで、経験の浅いアナリストでもシニア層の手作業に頼らず迅速な調査が可能になるという。

  • AWSの解説では、SaaS事業者がAIエージェントを展開する際の主要パターンとして「サイロ」「プール」「ブリッジ」の3モデルが提示された。

  • AWSは2026年8月18日、公式ブログ「AWS ML Blog」において、資産インテリジェンスプラットフォームを提供するAxonius(アクソニアス)によるマルチテナント環境向けAIエージェントの構築事例を公開しました。AxoniusはAWSのAIエージェント構築・運用基盤「Amazon Bedrock AgentCore」を採用し、既存の分離アーキテクチャを損なうことなく自社SaaSへAI機能を組み込んでいます。記事では、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)が直面するセキュリティやスケーラビリティの課題と、それを解決するための具体的なアーキテクチャ設計手法が紹介されています。

大規模データ分析の自動化と手作業削減を目指すAxonius

Axoniusは、企業のセキュリティ部門やIT部門がリスクの優先順位付けと対処を効率化できるよう支援する資産インテリジェンスプラットフォームを運営しています。1,400種類以上のシステムからデータを収集・照合し、単一の信頼できる情報源(Single Source of Truth)を形成することで、セキュリティや監査、コンプライアンスに関わる手作業の負担を最大50%削減しているといいます。

同社が今回開発した最初のAIエージェントは、大規模なエンタープライズ環境の状態を正確に把握し、セキュリティ上の不備や潜在的なリスクを洗い出す役割を担っています。数十に及ぶデータ連携元から同時に流入する数百万件ものデータポイントをAIが横断的に分析・解釈する仕組みです。これにより、これまでシニアアナリストが数時間かけて行っていた複雑な分析作業を、ジュニアアナリストでも手軽に実行できるようになり、組織全体の調査効率が大幅に向上すると説明されています。

SaaS向けAIエージェントにおける3つのマルチテナントパターン

ISVが自社のSaaSプロダクトにAIエージェントを追加する際、セキュリティ、拡張性、開発期間、コスト追跡などをテナント(顧客企業)単位で適切に管理する必要があります。AWSの解説によると、SaaS環境でAIエージェントを展開する手法には主に3つの基本設計パターンが存在します。

第1の方式は、顧客ごとに専用のリソースを割り当てる「サイロモデル(Silo model)」です。エージェント実行環境であるAgentCore runtimeにおいては、テナントごとに専用のAIエージェントを個別にデプロイして運用する構成を指します。

第2の方式は、複数のテナントで共通のリソースを利用する「プールモデル(Pool model)」です。1つのAIエージェントが複数顧客のリクエストを処理する形態であり、AgentCore runtimeではセッションごとに一意のIDを発行して管理することで、ユーザーセッション単位の安全なデータ分離を実現します。

第3の方式は、一部の構成要素を専用化し、残りを共有化する「ブリッジモデル(Bridge model)」です。例えば、AgentCore runtime上にデプロイされた顧客専用のAIエージェントを用意しつつ、バックエンドではAWSの検索拡張生成(RAG)マネージドサービスである「Amazon Bedrock Knowledge Bases」を複数テナントで共有して参照するようなハイブリッド構成がこれに該当します。

顧客専用VPCによるサイロ環境を維持したAI統合

AxoniusはAWS上で数百におよぶ顧客環境を運用しており、従来から完全な分離環境を提供するサイロモデルを一貫して採用してきました。同社のSaaS基盤では、顧客ごとに専用のAmazon VPC(論理的に分離された仮想ネットワーク環境)が割り当てられています。それぞれのVPC内には、アプリケーションロードバランサー(ALB)、ネットワークロードバランサー(NLB)、データベース、汎用コンピューティングリソースが個別に配置されています。

AIエージェントの導入にあたり、同社は従来のテナント管理手法やセキュリティ方針を変更せず、サイロモデルをそのまま踏襲してエージェントワークロードを統合する方針を選択しました。顧客ごとの強固な隔離状態を保ちながら、高度なAI推論機能を既存のインフラ設計と整合させるアプローチをとっています。

基盤となるAmazon Bedrock AgentCoreの機能

今回のアーキテクチャの基盤となったAmazon Bedrock AgentCoreは、任意のフレームワークや基盤モデルを柔軟に組み合わせて、大規模なAIエージェントを構築・接続・最適化するためのプラットフォームです。SaaSプロバイダーが求める厳格なマルチテナント分離要件や運用管理の要件に対し、柔軟なデプロイオプションを提供することで、安全かつ迅速なAIエージェントの実装を後押ししていると報告されています。

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