ByteDanceの動画生成モデル「Seedance 2.5」がOpenRouterで提供中、最大30秒の連続生成やマルチモーダル参照に対応
要点
- ByteDanceが開発した動画生成AIモデル「Seedance 2.5」の仕様と料金体系が、OpenRouterの公式ブログで公開された。
- 1回のリクエストで4秒から最長30秒の動画生成に対応し、解像度は480pと720pをサポートしている。
- 画像・動画・音声の3系統による参照入力や、開始・終了フレームの指定による構図制御が可能となっている。
- 出力画素数と長さに比例するトークン課金制を採用し、動画参照を用いた編集・延長処理には約40%の割引料金が適用される。
リード文
AIプラットフォームを運営するOpenRouterは、ByteDanceの動画生成AI「Seedance 2.5」に関する検証記事を公開しました。同モデルは2026年8月7日より同社の動画API経由で提供が開始されており、長時間のシーン生成や既存映像を活かした編集処理に強みを持っています。単一リクエストで最長30秒のクリップを出力できるほか、動画や音声を素材として受け入れるマルチモーダルな参照機能が備わっていることが明らかになりました。
1リクエストで最長30秒の出力を実現、解像度は720pまでに制限
Seedance 2.5の大きな特徴は、1回の生成処理で4秒から最長30秒までの動画を出力できる点です。現在OpenRouterが提供する動画生成モデルの中で30秒の生成に対応しているのは、Alibabaの「Wan 3.0」シリーズと並んで最長クラスとなります。多くの競合モデルが20秒以下にとどまる中、30秒の単一テイクを出力できるため、複数の短いクリップをつなぎ合わせる際に生じやすい映像の不整合を回避し、連続したシーンを生成しやすくなっています。
一方で、対応解像度は480pと720pの2種類に限定されており、1080p(フルHD)や4K出力には非対応です。前世代モデルの「Seedance 2.0」が4Kまで対応していた点と比較すると、新バージョンでありながら解像度の選択肢が絞られた設計となっています。
対応するアスペクト比(画面の縦横比)は16:9、4:3、1:1、3:4、9:16、21:9の全6種類です。また、ピクセル単位での直接指定も可能で、480pでは854×480から992×432まで、720pでは1280×720から1470×630までの各サイズが定義されています。
画像・動画・音声の参照入力とフレーム制御
入力インターフェースでは、テキストプロンプトによる指示に加え、多彩な素材を用いた制御機能が提供されています。
フレーム制御機能(frame_images)では、映像の開始フレーム(first_frame)および終了フレーム(last_frame)を画像で固定できます。これにより、シーンの最初と最後の構図を指定した映像生成が可能です。
さらに、参照入力機能(input_references)は画像・動画・音声の3つのモダリティ(データ種別)に対応しています。画像参照は人物の顔立ちや製品、スタイルの指定に用いられ、動画参照は既存クリップの編集やシーン延長に活用されます。音声参照を用いれば、既存の音源トラックに合わせた映像生成が行えます。モデルページ上では最大50個の参照アセットを受け入れ可能とされています。動画や音声の参照入力はSeedance第2世代以降の特徴であり、画像参照のみをサポートする「Veo 3.1」などの他社モデルと差別化されています。
また、映像と同時に音声を生成する機能(generate_audio)も標準で有効化されており、音声生成による追加料金は発生しません。シード値の指定やウォーターマーク(透かし)の制御、リクエストキー、出力フォーマットの指定といったプロバイダ透過パラメータにも対応しています。
トークン制の課金モデルと動画参照時の割引
料金体系には、出力ピクセル数と再生時間から算出される「ビデオトークン」単位の従量課金が採用されています。トークン数は24fps(1秒あたりのコマ数)を基準に「(幅 × 高さ × fps × 秒数) / 1024」により計算され、基本レートは1トークンあたり0.0000107ドルです。
この計算式による概算コストは以下の通りです。
- 480p動画:1秒あたり約0.103ドル(約0.1028ドル)
- 720p動画:1秒あたり約0.231ドル
720pの出力コストは480pの2倍強となります。
さらに、動画参照を含めてリクエストを行った場合は約40%の割引が適用され、1トークンあたり0.0000064ドルで計算されます。これにより、ゼロから新規生成するよりも、既存動画をもとに編集や延長を行う方が1秒あたりのコストを安く抑えられる仕組みとなっています。
Seedanceシリーズ内のラインナップと使い分け
OpenRouter上では、Seedanceシリーズとして用途別に複数のモデルスラッグ(API呼び出し用の識別名)が提供されています。
bytedance/seedance-2.5:最新モデル。最長30秒の生成や素材参照による編集・延長向け。bytedance/seedance-2.0:高解像度モデル。4〜15秒、480pから4Kまで対応(480p/720pは1トークンあたり0.000007ドル)。bytedance/seedance-2.0-fast/bytedance/seedance-2.0-mini:ドラフト(下書き)向け。最大15秒・720p上限で、それぞれ1トークンあたり0.0000042ドル、0.0000035ドルと安価に設定。bytedance/seedance-1.5-pro:旧世代モデル。最大12秒・1080p対応(1トークン0.0000024ドル、音声無効時は半額)。
補足
用途に応じた使い分けとして、4Kや1080pの高解像度出力が必要な場合は「Seedance 2.0」や「Veo 3.1」が適している一方、30秒の長尺ワンテイクや既存素材を活かした編集を行いたい場合には「Seedance 2.5」が適していると説明されています。