OWN NEWS GATHER
← 戻る
AWS ML Blog

Claude Codeのデータ保管地域を単一リージョンに限定する方法、AWSがブログで解説

要点

  • AWSが、Amazon Bedrockで稼働するAI開発ツール「Claude Code」において、データ保管・処理地域(データレジデンシー)を特定の単一リージョン内に制限する設定手順を公開した。

  • 米国本社のグローバル組織から、ロンドンリージョン(eu-west-2)内だけでプロンプト送信や推論処理、中間処理を完結させたいという厳格な要望が寄せられたことが背景にある。

  • 制限方法として、新エンドポイント「Mantle」を使用する方法と、従来のAPIに「アプリケーション推論プロファイル」を組み合わせる方法の2通りが紹介された。

  • 通常は処理能力の確保や最新モデルの早期利用の観点から「クロスリージョン推論(CRIS)」の利用が推奨されており、単一リージョン限定は厳格なコンプライアンス要件がある場合にのみ推奨される。

  • AWS(Amazon Web Services)は2026年8月6日、同社の機械学習ブログ(AWS ML Blog)において、AIモデル「Claude」を用いた開発支援ツールである「Claude Code」をAmazon Bedrock上で稼働させる際、データ保管・処理地域(データレジデンシー)を単一のAWSリージョンに制限する方法を解説した。これは、特定の厳しい規制やコンプライアンスを遵守しなければならない企業に向けた設定例として示されたものである。

  • 事の発端は、あるグローバル企業から寄せられた「エンジニアにClaude Codeを使用させたいが、モデルの推論処理をロンドンリージョン(eu-west-2)内から呼び出すだけでなく、物理的な処理自体も完全にロンドンリージョン内に留めたい」という要望であった。プロンプト(AIへの指示)や補完データ、さらには中間処理のデータが他のリージョンに送信されることを防ぐ必要があり、同社のコンプライアンス部門から厳格な制限が求められたという。

  • AWSはこの要件をクリアするため、Amazon Bedrockが提供する2つの異なるエンドポイント(接続窓口)を用いたアプローチを検証し、それぞれの設定方法を提示した。

  • 検証を開始するにあたり、必要となる前提条件も示されている。使用するClaudeモデルへのアクセスが有効なAWSアカウントに加え、実行するユーザーやロールに対する適切な「AWS IAM(AWS上のアクセス権限を安全に管理する仕組み)」の権限設定が必要となる。さらに、Claude CodeのバージョンはMantleをサポートするv2.1.94以降であること、そして対象リージョンの認証情報が設定された「AWS CLI(コマンドラインからAWSを操作するツール)」がインストールされていることが求められる。

  • まず1つ目のアプローチは、新しく提供が始まった「Mantle(bedrock-mantle)」と呼ばれるエンドポイントを使用する方法だ。Mantleは、Anthropic社のネイティブなAPI形状でClaudeを利用できる接続方式である。Claude Codeで環境変数「CLAUDE_CODE_USE_MANTLE=1」を設定し、環境変数「AWS_REGION」に対象となるリージョンを指定することで、自動的にそのリージョンにルーティングされる。この方法はシンプルで「アプリケーション推論プロファイル(複数のリージョンに処理をルーティングするなどの設定をまとめたもの)」を別途作成する必要がないというメリットがあるが、利用にはバージョン2.1.94以降のClaude Codeが必要であり、リージョンごとの利用制限が存在する場合がある。

  • 2つ目のアプローチは、従来の「Amazon Bedrock(bedrock-runtime)」のAPIを使用する方法だ。こちらを使用する場合は環境変数「CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1」を設定する。ただし、デフォルトの状態では自動的に処理能力に余裕があるリージョンにリクエストを転送する「クロスリージョン推論(CRIS)」が適用されるため、単一リージョンに固定するには、対象リージョン内の基盤モデルを直接指定するアプリケーション推論プロファイルを独自に作成する必要がある。今回のロンドンリージョンの検証では、この構成に加えてIAMポリシーにリージョン制限の条件を組み合わせることで、要求されたデータ保管要件を満たすことができたとしている。

  • AWSは、これらの設定が適切に機能し、データが別のリージョンに漏れていないかを確認するための手段として、「AWS CloudTrail(アカウント内の操作やイベントを監査・記録するログサービス)」による検証方法も紹介している。

  • 一方でAWSは、多くの一般的なシステム構成においては、デフォルトの「クロスリージョン推論(CRIS)」を使用することが最適であると強調している。クロスリージョン推論は、システム全体の処理能力を高めてスループットを平滑化するほか、新しいモデルがリリースされた際にいち早く利用できるといった恩恵があるためだ。そのため、今回の特定の単一リージョンに固定する構成は、地理的な「EU域内」といった緩やかな要件ではなく、特定の物理的なAWSリージョンに縛られる厳格なコンプライアンス要件が課されている場合にのみ適用すべきであるとアドバイスしている。

補足

データレジデンシーとは、企業や政府が扱うデジタルデータが、法的な要件やセキュリティ基準に基づいて特定の物理的な国や地域に保管され、処理されることを求めるルールのことである。

元URL