OWN NEWS GATHER
← 戻る
Anthropic Blog

「Claude Design」による視覚的アイデアの探索術、Anthropicのデザイナーが自社ツールの活用例と開発背景を公開

要点

  • Anthropicのプロダクトデザイナーが、デザイン支援ツール「Claude Design(ベータ版)」の活用法と開発背景を公開。

  • 画面左でチャットし、右でHTMLの動く出力を即座に確認できるスプリットビューを採用している。

  • スライド資料やメール、アニメーション作成など、視覚的コミュニケーション全般の用途で社内活用が進む。

  • 最新モデル「Claude Opus 5」の画像認識機能を活かし、複雑な図表やスクリーンショットからプレゼン資料を作成可能。

  • 開発特化の「Claude Code」と相互にデータを同期でき、デザインのブラッシュアップから製品実装まで円滑に連携できる。

  • AIスタートアップの米Anthropicは、同社のプロダクトデザイナーであるNate Parrott氏によるブログ記事を公開し、現在ベータ版として提供中のデザイン支援ツール「Claude Design」の活用法や開発背景を明らかにした。Parrott氏は、自身がプロトタイプを開発するに至った経緯を振り返りながら、具体的な業務での活用例や、最新モデル「Claude Opus 5」との連携によるメリットを解説している。

開発の背景:急加速する開発スピードへの対応

2025年秋、Parrott氏は「Claude Code for VS Code」のデザイナーとして開発に参加していた。同年11月にAIモデル「Opus 4.5」が登場すると、エンジニアたちの開発と実装スピードが急加速した。自身のデザイン制作ペースは従来通りだったため、エンジニアの速度に追いつく必要に迫られた。
当初は、テキスト中心で動作するClaudeに対し、画面のスクリーンショットを添付した上で「この機能をデザインしてほしい」とプロンプト(AIへの指示テキスト)を入力していたが、満足のいく成果は得られなかった。そこでParrott氏は、Claudeのデザイン出力を改善するための個人プロジェクトを開始した。

HTMLの特性を活かしたスプリットビューとブランド適合

試行錯誤の結果、Parrott氏はClaudeがHTMLの生成に長けている点に着目した。HTML(Webページを構築するための記述言語)は、スライドや動画などあらゆる視覚要素を表現できるメディアである。
そこで、画面の左側で対話し、右側で生成されたHTMLを即座に確認できる「スプリットビュー(画面を二分割して表示する機能)」を開発。さらに、自社のブランドガイドラインをプロンプトに組み込み、出力が常にブランドに準拠するよう設計した。この試作品を社内で共有すると、インタラクティブ・プロトタイプ(実際に操作や画面遷移を確認できる試作品)の作成ツールとして普及した。素材を渡すだけで、共有可能なリンク付きのプロトタイプが即座に完成する。

コミュニケーションツールへの進化と「Opus 5」の活用

当初はモックアップ(デザインの完成予想模型)の作成が目的だったが、社内イベントでの活用を機に正式プロジェクト化された。現在では、スライド資料、ランディングページ、メール、アニメーション、SNS用の画像など、ビジュアルコミュニケーション(視覚情報を用いた意思伝達)全般を支えるツールと位置づけられている。
また、画像認識(画像を読み取って解析する技術)に優れた最新の「Claude Opus 5」などのモデルと連携することで、チャートや図表、スクリーンショットを読み込ませてプレゼンテーション資料やメモを迅速に組み立てることが可能になった。

用途に応じた使い分けと「Claude Code」との連携

一方で、Claude Designには画像生成モデルが搭載されていないため、ロゴデザインなどの画像自体を作る用途には向いていない。既存のロゴや素材を取り込んでレイアウトする使い方が適している。
また、実際のプロダクションソフトウェア(一般に提供される本番用システム)のコードを書き出す場合は、開発特化の「Claude Code」を使用するべきであり、Claude Designは初期のアイデア出しや関係者の合意形成を行うためのツールである。
これら2つのツールは相互に同期可能で、Claude Designで作成したプロトタイプをClaude Codeに引き渡して開発を進めたり、逆にClaude CodeのプログラムをClaude Designに戻してデザインを微調整したりできる。

日常業務における具体例とベストプラクティス

Parrott氏は、日常的なデザイン業務での具体的な活用事例を紹介している。例えば、ワイヤーフレーム(画面構成の簡易的な設計図)の作成や、フィードバックを得るための複数パターンの画面遷移の自動生成だ。
新規登録時に再生されるアニメーションは、まずClaude Designに専用のビデオエディターを作らせ、そのエディターを用いて制作した。その他、アニメーションの挙動を調整できる地下鉄時刻表アプリや、スライダーで配色を変更できる機能、エディタ画面の新しいUIデザイン案の検討などに利用している。
同氏はベストプラクティスとして、PCに向かう前に「どのようなデザインを求めているのか」を明確に整理しておくことを推奨している。メモアプリや音声録音を使ってあらかじめプロンプトを用意しておくことで、Claudeがビジョンを素早く具現化できるようになる。

元URL