Cloudflare、AIエージェント向けに「Containers」を刷新 起動時間を648ミリ秒に短縮し実行時の動的構成に対応
要点
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米Cloudflareが、AIエージェントのワークロードに最適化した「Cloudflare Containers」の全面的なアーキテクチャ刷新を発表した。
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新たなスケジューリングポリシーにより、実行時のアプリケーションコードからコンテナイメージやリソースサイズを動的に指定可能になった。
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コンテナの起動時間が従来の4秒強から648ミリ秒へと6倍以上高速化された。
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実行環境の状態を保存・復元できる「ファイルシステムスナップショット」がパブリックベータとして提供開始された。
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各コンテナを制御するDurable Objectとの連携が強化され、新機能は「Sandbox SDK 1.0」にも導入される。
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米Cloudflareは2026年9月30日(現地時間)、同社のコンテナ実行基盤「Cloudflare Containers」をAIエージェントのワークロード向けに再構築したと発表した。起動処理の高速化や実行時の動的プロビジョニング、状態の保存・復元機能を提供することで、オンデマンドで頻繁に生成・破棄されるエージェント環境の需要に応えるという。
エージェント特有の要件に応えるアーキテクチャの再設計
従来のCloudflare Containersは、一般的なWebアプリケーションなどのデプロイを想定した構成をとっていた。あらかじめコンテナイメージやコンピュートリソースを決定してデプロイを行い、アプリケーション全体で一元管理する方式である。
一方で、自律的にタスクを実行するAIエージェントのワークスペースは、作業の発生に合わせてオンデマンドで生成される特性を持つ。タスクの内容に応じて必要なツールやライブラリ、リソースが異なり、数分間だけ稼働して休止したり、数日後に作業を再開したりといった柔軟性が求められる。例えば、コード生成エージェントではリポジトリやビルド環境が必要となり、評価(Eval)や強化学習の用途では特定状態からの環境生成やリセットを大量に繰り返す必要がある。
こうした要件を満たすため、同社はコンテナのスケジューリングやプロビジョニングの仕組みを根本から見直したとしている。
起動時間を6倍以上短縮、中央値648ミリ秒を達成
今回の刷新における大きな成果の一つが、コンテナ起動の大幅な高速化である。エージェントがタスクを開始する際の待ち時間を最小限に抑えるため、ランタイムの再設計と新しいスケジューリングポリシーが導入された。
ComputeSDKが実施した独立ベンチマークによると、コンテナの起動時間の中央値は従来の4秒超から648ミリ秒へと短縮され、6倍以上の高速化を記録したという。また、Cloudflare社内における事前のバーストテストでは、数秒間で数十万個のコンテナを正常に生成できたと報告されている。
アプリケーションコードからの動的な環境指定に対応
新たに導入された「durable_object」スケジューリングポリシーにより、開発者は実行時のコード内でコンテナの構成を決定できるようになった。
従来は、イメージやインスタンスタイプの組み合わせごとに個別のアプリケーションやネームスペースを用意し、デプロイコマンド(wrangler deploy)を実行しておく必要があった。例えばNode.js環境とPython環境を使い分ける場合、それぞれ別々のアプリケーションとして構成し、Worker側でルーティング処理を記述する必要があったという。
新仕様では、設定ファイル(wrangler.jsonc)に利用可能な複数のコンテナイメージを定義しておくことで、Durable Object(状態を保持して実行されるCloudflareの分散オブジェクト)のコード内から、タスクに応じて利用するイメージやインスタンスサイズ(standard-1 や standard-2 など)を条件分岐で動的に指定して起動できるようになった。
ファイルシステムスナップショットの提供とDurable Object連携
作業状態の保存と復元を可能にする「ファイルシステムスナップショット」機能も、パブリックベータとして提供が開始された。これにより、エージェントが生成した成果物やファイル群を作業終了時に保存し、後からその状態を引き継いでタスクを再開させることができる。
また、Cloudflare Containersの特徴である「コンテナごとに1つのDurable Objectがコントローラーとして直接紐づく」構造も強化された。ネイティブAPIである ctx.container が拡充され、中間にラッパークラスを挟むことなく、Durable Objectからコンテナのライフサイクルや外部通信を直接制御できるようになっている。この制御モデルは、今後展開される「Sandbox SDK 1.0」にも引き継がれる。
開発プラットフォームでの採用と主要エージェント連携
本機能はすでに複数の開発プラットフォームで活用されている。アプリ構築環境を提供するBase44では、AIがコマンド実行や依存関係のインストール、プレビュー表示を行うためのサンドボックス(隔離された実行環境)としてContainersを採用している。また、クラウドエージェントを提供するKilo Codeでも、セッションごとに適切なリポジトリや設定を備えた個別環境をオンデマンドで立ち上げる基盤として利用されているという。
さらに、Cursor Cloud Agents、Devin Outposts、OpenAI Agents API、Claude Managed Agentsといった主要なAIエージェント機能との連携にも対応している。Cloudflareは、エージェントが完全なLinuxワークスペースを必要とする場面において、WorkersやDynamic Workers、Durable Objectsを補完する強力なコンポーネントになるとしている。