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Cloudflare AI Blog

Cloudflare、AIエージェント向けの新セキュリティ「AAM」を提案

要点

  • 既存の人間向けセキュリティ対策は、自律稼働するAIエージェントには適合しない。

  • エージェントは超高速で動き、プロンプト指示によるセキュリティ制限は容易に突破される。

  • Cloudflareは、実行環境を信用せずタスクごとに認可を行う「エージェント・アクセス・モデル(AAM)」を提案した。

  • AAMでは、短寿命の認証情報や、ツール呼び出しを制御する実行環境での制限などを原則とする。

  • 米Cloudflareは2026年8月5日、自社ブログで、企業のシステムを人間に代わって操作する「AIエージェント」に対応した新たなセキュリティアクセスモデル「Agent Access Model(AAM)」を提案した。現在普及している「ゼロトラスト」モデル(すべてのアクセスを都度検証するセキュリティ手法)は人間の動作速度を前提としており、自律的かつ高速に動くエージェントには適合しないと説明している。

人間のスピードを前提としたセキュリティの限界

過去12年間にわたり、企業のセキュリティ対策はネットワークの場所を信頼しない「ゼロトラスト」へと移行してきた。米Googleが提唱した「BeyondCorp」(ユーザーIDやデバイスの健康状態を評価してアクセスを認可する仕組み)はその代表例であり、デバイスを操作する人間が人間のスピードで行動することを想定していた。

しかし現在、人間に代わって自律的にシステムへアクセスし、タスクを実行する「エージェント」(ソフトウェアの主体)の導入が進んでいる。Cloudflareは、人間用に構築された既存の制御システムをそのままエージェントに適用した場合、エラーとして明確に検知されず、セキュリティ機能が「静かに失敗する」と警告している。具体的には、エージェントに過剰な権限が与えられ、監視が行き届かず、長期間にわたりアクセスが信頼されてしまう状態が発生するという。

既存の管理策がエージェントに適合しない4つの特性

同ブログでは、従来のセキュリティ管理策がエージェントに対して適合しない理由として、以下の4つの特性を挙げている。

  • 一時的な実行と永続的な資格情報: 既存のサービスアカウント(システム間の自動処理用のアカウント)などで使われる長期の認証情報は、短時間で終了するエージェントタスクには不適である。認証情報の有効期限は、タスクの実行時間(数分程度)に合わせるべきだと指摘する。
  • マシン速度での動作: 人間向けに設計された異常検知やデータ漏洩防止システムでは反応が追いつかない。エージェントがデータベースからデータを読み取り、外部に送信する処理は、監視システムが検知を終える前に完了してしまう。
  • プロンプトは境界にならない: エージェントに対する「本番環境にアクセスしない」といったプロンプト(AIへの指示テキスト)による制限は、悪意あるデータ入力によって回避される恐れがある。制御は、ツール呼び出しを監視する仕組み(ハーネス)やネットワーク層で直接行う必要がある。
  • 複数ホップにわたる権限構成: エージェントが別のエージェントやAPIを次々に呼び出す連鎖の中で、誰の権限で何が許可されているかという情報が消失しやすい。

Agent Access Model(AAM)の5つの原則

これらの課題に対処するため、AAMは「実行環境を信用せず、タスクと蓄積された状態に対して、すべてのアクションを検証・認可する」という基本ルールを提示している。

アクセス判断を複雑にするのではなく、エージェントが持つ権限の範囲自体を小さく保つアプローチをとる。AAMは以下の5つの原則に基づいて構成される。

  1. 資格情報の短寿命化と送信者制限: タスクの終了とともに期限切れとなる、使い捨てのトークンを使用する。トークンは送信者が制限されており、盗まれても単体で再利用することはできない。
  2. ハーネスとネットワークによる強制: ポリシーの適用は、AIの指示テキストではなく、ツール呼び出しを仲介する実行環境(ハーネス)やネットワーク層で直接実行する。
  3. 人間による承認は例外のみ: すべてのステップで人間が承認すると確認の形骸化(疲れによる盲目的なクリック)を招くため、承認が必要な場面を厳選する。
  4. 証跡に基づく権限のレビュー: 実際に記録されたログを分析し、将来のタスクに向けた権限テンプレートの変更を提案する。実行中のタスクの権限を途中で拡大することはない。
  5. 権限状態の一方向推移: タスクの進行によって蓄積された状態に基づき、エージェントの権限は縮小する方向にのみ変化する。

Cloudflareは、判断エンジンを導入する従来のゼロトラストの考え方と、AAMによる権限範囲の最小化を組み合わせることで、AIエージェントの安全な運用が可能になると説明している。

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