Cloudflare、企業向けAI環境「Cloudflare OS」のフルマネージド版を発表 GitHub・Google Workspace連携も追加
要点
-
米Cloudflareは、組織向けAIエージェント基盤「Cloudflare OS」のフルマネージド版を発表し、ウェイティングリストの受付を開始した。
-
ダッシュボード上の数クリックで専用環境を展開でき、インフラの運用保守や更新作業をCloudflare側が一任する。
-
既存のGitHubリポジトリと接続し、コード探索からバグ修正、プルリクエスト作成までをエージェントが自律的に実行可能になった。
-
Google Workspace連携が強化され、Gmailの送受信やGoogle Drive内の文書参照に対応した。
-
成果物のエクスポート形式が拡充され、ExcelやPDF等への出力に対応したほか、WordやPowerPointも近日対応予定としている。
-
米Cloudflareは2026年10月1日、組織向けAIエージェントワークスペース「Cloudflare OS」のフルマネージド版を提供すると発表し、ウェイティングリストの登録受付を開始した。あわせて、直近1か月で追加されたGitHubリポジトリ連携やGoogle Workspace連携の強化、多様なファイル形式へのエクスポート機能についても詳細を明らかにした。
インフラ運用を不要にするフルマネージド環境の提供
Cloudflare OSは、各企業の用語や業務手順、社内データ、既存システムを把握したAIエージェントを社内全体に提供するための基盤である。日々のリサーチや資料作成、社内向けツールの構築といった作業をエージェントへ依頼できる環境を提供する。2026年9月にオープンソースソフトウェアとして公開されて以降、すでに数千の組織で導入が進んでいるという。
従来のオープンソース版では、自社が保有するCloudflareアカウントへ手動でデプロイする必要があった。この方式は完全な制御権を保持できる一方で、インフラの構築や保守、アップデートの追従といった運用コストが発生する。
今回発表されたフルマネージド版では、管理ダッシュボードから数クリックで専用のワークスペースを立ち上げることが可能となる。利用者は使用するカスタムドメイン、アクセス制御ポリシーの「Cloudflare Access」、AIモデルのトラフィック管理や可観測性を提供する「AI Gateway」の接続先を指定するだけでよい。誰にアクセスを許可し、どの社内システムと接続させるかという設定のみを企業側で管理し、残るインフラ運用や更新作業はすべてCloudflare側に任せることができる。
GitHub連携によるコードベースの探索とPR作成
直近1か月間に追加された主要機能として、既存のGitリポジトリとの直接連携が挙げられる。初回リリース時のCloudflare OSは、ドキュメント作成や定型作業の自動化といったソフトウェア開発以外の業務に主眼が置かれており、既存のGitリポジトリを直接操作することはできなかった。
今回の機能拡張により、既存のGitHubリポジトリをCloudflare OSに接続できるようになった。これにより、開発者はエージェントに対してコードベースの探索、バグの修正、新機能の実装、プルリクエスト(変更提案)の作成までを指示可能となった。エージェントはファイルを検索・編集し、変更内容を自身でレビューした上で、コミットの作成やGitHubへのプッシュまでを一貫して実行できると説明している。
Google Workspace連携の刷新とGmail・Driveの操作
業務の多くがGoogle Workspace上で完結している実態を受け、外部サービスとの仲介を担う専用Worker(サーバーレスで動作する軽量プログラム)「Gatekeeper」の大幅な改善も実施された。
この改修により、エージェントがGmailのスレッドを閲覧して調査を行ったり、下書きを作成したり、メールを直接送信したりすることが可能になった。また、Google Drive全体の接続だけでなく、特定のフォルダや個別のGoogle Docs(ドキュメント)、Google Sheets(スプレッドシート)といった単位でのデータ接続にも対応している。
ExcelやPDFなど業務標準フォーマットへの書き出し
作成したドキュメントやデータ成果物を社内の既存業務へスムーズに引き渡せるよう、ファイル出力機能も拡充された。
内蔵のドキュメント、プレゼンテーション、スプレッドシート機能から、Microsoft Excel(.xlsx)、CSV、PDF、Markdown、HTML形式での書き出しが可能となっている。Microsoft Word(.docx)およびMicrosoft PowerPoint(.pptx)形式へのエクスポートについても、近日中の提供を予定しているという。また、ユーザーが構築したツール内でも、カレンダー形式(.ics)など独自のエクスポート形式を定義して追加できるとしている。
提供形態と利用手順
Cloudflare OSは引き続きオープンソースとしてGitHub上で公開されており、自社アカウントへの直接デプロイも可能となっている。インフラ管理の手間を省きたい企業に向けては、フルマネージド版のウェイティングリストへの登録案内が行われている。