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Cohere Blog

Cohere、アラビア語音声認識で最高精度を誇るオープンソースモデル「Transcribe Arabic」を公開

要点

  • Cohereは2026年7月7日、アラビア語の自動音声認識モデル「Cohere Transcribe Arabic」をオープンソースで公開した。

  • 多様な方言や、英語が混在する「コードスイッチング」が発生するビジネス環境に特化して設計されている。

  • パブリックリーダーボードにおいて、MetaやOpenAIの主要モデルを上回る、最も低い単語誤り率(WER)を記録した。

  • ネイティブによる人間評価では、95.8%のテストでOpenAIの「Whisper」よりも優れた結果であると支持された。

  • AIスタートアップのCohereは2026年7月7日、アラビア語音声認識において最高峰の精度を実現したオープンソースモデル「Cohere Transcribe Arabic」を公開した。同社が今年初めにリリースした20億パラメータ規模の自動音声認識(ASR:音声をテキストに変換する技術)モデルをベースにしており、実用性を重視して設計されている。開発者はApache 2.0ライセンスのもとでモデルの重みをダウンロードして利用できるほか、CohereのAPIなどからもアクセス可能だ。

アラビア語特有の多様性と技術的課題

アラビア語は世界で3億人以上のネイティブスピーカーが存在し、地域によって約30もの異なる方言が話されている。日常会話は方言によって大きく異なるほか、ビジネスシーンなどでは、アラビア語と英語の単語が混在する「コードスイッチング」や、専門的な用語の多用も頻繁に発生する。
こうした多様性は、自動音声認識技術の開発において大きな障害となっていた。方言のニュアンスを維持しながらビジネス実務で使えるモデルを構築することは困難であり、英語中心のAI開発が進む中でアラビア語の対応は遅れていた。Cohereは、アラビア語のユーザーが日常の自然な話し言葉で利用できる音声認識ソリューションを提供することを目的に開発を進めたという。

ベースモデルの改良による高い適応力

「Cohere Transcribe Arabic」は、今年3月に公開された多言語対応モデル「Cohere Transcribe」をベースにしている。多様なアラビア語の方言、専門的なビジネス用語、コードスイッチング、さまざまな雑音環境下のデータを追加学習させ、実用性の高いソリューションへと強化したと説明している。

ベンチマークで主要モデルを上回る性能

本モデルの性能は、パブリックな評価指標でも実証されている。Hugging Faceの「Arabic ASR Leaderboard」において、平均単語誤り率(WER:音声認識の誤り率を示す指標)で「25.87」を達成し、オープンソースモデルとして最高精度を記録した。これは、これまで首位だったMetaの「OmniASR-LLM-7B」の28.32を2.45ポイント、OpenAIの「Whisper Large V3」の36.86を11ポイント上回る結果である。
特に、8地域の方言をカバーする対話データセット「Casablanca」では、Metaのモデルを約6ポイント上回る精度(WER 49.71)を記録した。また、25の方言を網羅する「Common Voice」でもWERを5.82まで改善させるなど、評価対象となった6つのデータセットのうち4つで首位を獲得している。

人間による評価でも高い支持

ネイティブスピーカーによる品質評価(正確性、方言への忠実性、コードスイッチング適応力)でも、本モデルはWhisperやベースモデルを上回る評価を得た。特にWhisperとの直接比較テストでは、95.8%の割合で本モデルが好まれる結果になったという。
また、アラビア語アクセントを持つ英語の音声認識機能も改良されており、評価者の77.2%が以前のモデルより本モデルを支持したと報告されている。

ライセンスと提供方法

本モデルはApache 2.0ライセンスで公開されており、Hugging Faceからモデルの重みを直接ダウンロードできるほか、Cohere APIやモデル管理機能「Model Vault」からもアクセス可能だ。

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