Cursor CLIのコード実行欠陥やクラウドの未認証アクセス侵害など、最新セキュリティ動向が判明
要点
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AIコーディングツール「Cursor」のCLIにおいて、ワークスペースの信頼確認前にリポジトリ内のコードが実行される脆弱性が判明し、パッチが提供された。
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SalesforceやServiceNowの未認証ゲストアクセスを突いてデータを窃取する攻撃キャンペーン「City-Forum」が観測された。
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暗号資産ウォレット「Trezor」の配送業者ShipMonkでデータ侵害が発生し、複数国の顧客情報が外部に流出した。
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IDプロバイダーを標的とする大規模な音声フィッシング運用基盤「Work Panel」の内部構造をOktaが明らかにした。
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米セキュリティメディアのThe Hacker Newsが報じたところによると、開発者向けツール、クラウドプラットフォーム、サプライチェーン、認証基盤を巡る複数の重大なセキュリティ事案が明らかになった。AIコーディングツールにおける未信頼コードの実行脆弱性への対処が行われたほか、クラウドのアクセス設定を突いたデータ抽出活動や配送業者経由の個人情報漏洩が報告されている。あわせて、組織化されたサイバー犯罪グループによる音声フィッシング運用の実態も公開された。
Cursor CLIにおける事前信頼コード実行の脆弱性と修正
セキュリティ企業Manifold Securityの調査により、AIコーディング支援ツール「Cursor」のコマンドラインインターフェース(CLI:文字入力で操作するツール)において、開発者のマシン上で任意のコマンドが無制限に実行される脆弱性が存在していたことが明らかになった。
この問題は、-w オプションを指定してCursorのCLIエージェントを起動した際に発生する。対象リポジトリ内のGit追跡ファイル .cursor/worktrees.json に記述されたコマンドが、開発者に対してワークスペースを信頼するかどうかの確認ダイアログが表示される前に実行される仕組みとなっていた。さらに、ユーザーが明示的にサンドボックス(安全のために動作を隔離した実行環境)を有効化する設定(--sandbox enabled)を行っていた場合でも、その制限をすり抜けて実行されたという。
悪意のあるリポジトリを通常の git clone で取得した場合、ローカルのSSH鍵(~/.ssh)の読み取りや環境変数からのクラウド認証情報の窃取、外部と不正に通信をつなぐリバースシェルの確立、侵入経路の永続化などが制限なしに行われるリスクが存在していた。本脆弱性は2026年7月20日に報告され、その3日後となる7月23日に修正パッチがリリースされた。
SalesforceとServiceNowの未認証アクセスを狙う「City-Forum」キャンペーン
セキュリティ企業Recoの報告によると、クラウドサービスの未認証ゲストアクセスを悪用して組織データを抽出する「City-Forum」と呼ばれる攻撃キャンペーンが確認された。
このキャンペーンは、Salesforce Experience CloudおよびServiceNowのポータルサイトにおけるゲストユーザーアクセスを標的としている。攻撃には2025年3月から稼働している単一のサーバー(IPアドレス: 158.220.87[.]79、ドメイン名: city-forum[.]com)が使用されているという。
攻撃者は、SalesforceのLightning Web Runtime(LWR)サイトに対し、一般向けツールや公開文書がほとんど存在しないUI-APIを通じてアクセスし、GraphQL(API向けのデータ問い合わせ言語)を用いてデータを外部に送信している。また、ServiceNowに対しても文書化がほとんどされていない標準の検索エンドポイントを集中的に攻撃している。標的は通信事業者、銀行・金融サービス企業、セキュリティやデータプライバシー関連を含むソフトウェアベンダー、公共機関のポータルなど多岐にわたり、最も活発に攻撃された組織では攻撃元IPから56万件以上のイベントが記録された。
Trezorの配送パートナー「ShipMonk」における顧客データ流出
暗号資産ハードウェアウォレット大手のTrezorは、同社の配送サービスプロバイダーであるShipMonkにおいてデータ侵害が発生したことを公表した。
このインシデントにより、顧客の注文データが外部に流出した。流出した情報には、顧客の氏名、配送先住所、電話番号、メールアドレスが含まれている。Trezorによると、影響を受ける可能性があるのは、2026年5月10日から8月8日までの期間に米国、英国、スウェーデン、コロンビア、ブラジル、イタリア、ポルトガルの計7カ国で配送を受け取った新規顧客だという。
大規模音声フィッシングを支える運用基盤「Work Panel」の実態
ID管理大手のOktaは、同社をはじめとするIDプロバイダーを標的とした攻撃者が使用する運用コンソール「Work Panel」の詳細を公表した。
Work Panelは、電話を用いた音声フィッシング(ビッシング:音声通話でパスワード等を騙し取る攻撃)によるアカウント乗っ取りを組織的に実行するためのマルチテナント型Webアプリケーションである。フィッシング用ドメインの新規登録、標的ブランドの偽サイト複製、独立した攻撃用サイトの立ち上げをワンボタンで行うことができ、数分で新たな攻撃を展開できる構造になっている。
コンソール内部は、標的の事前調査、通話ルーティング、ブランド複製、インフラ構築、進行中セッションの管理、取得した認証情報の確認、監査ログなどの機能に分割されている。インフラ所有者、キャンペーン管理者、通話を担当する外部オペレーターなどの役割ごとに閲覧権限が制御されており、サイバー犯罪の大規模な分業エコシステムが形成されているという。Oktaによれば、「UNC6671」(別名 Cordial Spider、O-UNC-045)などの脅威グループがこの基盤を利用していることが確認されている。