Datadog、AIエージェントによる安全なシステム構築を実現する「Temper」を開発——「Claude Code」が開発の3分の2を牽引
要点
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監視プラットフォーム大手の米Datadogは、同社の本番コード生成に使用するAIツールのうち、少なくとも3分の2にAnthropicの「Claude Code」を採用している。
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AIエージェントの台頭に伴い、エンジニアの役割はコードの記述から「エージェントの行動や安全性の制御」へと移行しつつある。
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Datadogはエージェントが安全かつポリシーに沿って独自のツールを構築できる検証済み実行環境「Temper」を開発し、GitHubで公開した。
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「Temper」の誕生に至るまで、同社は分散キュー「Courier」、コード最適化「BitsEvolve」、Kafka互換サービス「Helix」の開発を通じて課題の抽出を重ねてきた。
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米Anthropicは2026年7月21日、公式ブログで、システム監視プラットフォーム大手の米DatadogにおけるAIコーディングツール「Claude Code」の導入事例を公開した。Datadogでは本番環境向けコード作成にAIを全面的に導入しており、その3分の2以上をClaude Codeが担っているという。同社はさらに、自律的に動作するAIエージェントを安全かつ精密に制御するための実行環境「Temper」を独自開発したことも明らかにした。
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Datadogでは、全エンジニアが本番コード生成にAIコーディングツールを活用しており、そのうち少なくとも3分の2をClaude Codeが占めている。活用領域はバグ修正からシステム全体の再構築に及び、主に以下の4つに分類される。
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局所的な変更:バグ修正や最適化、既存サービスへの接続。
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大規模なリファクタリング:プロトバフ(データ送受信用のフォーマット)パーサーの3日での再構成、分散データベースであるFoundationDBからリレーショナルデータベースであるPostgresへの3ヶ月未満でのメトリクス制御移行。
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部品の置き換え:データを分割して処理を高速化するシャーディングアルゴリズムの刷新や、負荷に応じて規模を自動調整するオートスケーリングの再設計。
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システム全体の構築:NoSQL(非リレーショナル)データベースであるMongoDBからPostgresへの移行、ユーザー独自のクラウド環境を利用するBYOC(Bring Your Own Cloud)コントロールプレーンや取り込みパイプラインの新規構築。
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AIエージェントの台頭により、開発フローにも変化が生じている。Datadogのエンジニアリング部門バイスプレジデントであるセシュ・ナラ(Sesh Nalla)氏は、開発者の役割がコード記述から「エージェントに提示する情報やツールの選定、成否の定義」へとシフトしていると指摘する。
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特にエージェントが自律動作する「Claude Managed Agents」の導入により、セッションが数日間に長期化するケースが増加した。その結果、エージェントが独自のツールや規約を自己生成するようになり、エージェントと人間用ツールを仲介する仕組みが必要となった。
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そこで開発されたのが、エージェント向け実行環境「Temper(テンパー)」だ。同社は「Temper」の開発に至るまでに3つのプロジェクトを経ている。
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まず2024年に開発した分散キュー「Courier」では、動作検証のために仕様を数学的に定義する形式モデル化を徹底。2025年9月には、AIモデルが生成したコード候補から最適なものをテスト結果に基づき選別するハーネス「BitsEvolve」を構築したが、フィードバックループの質がボトルネックとなった。
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続いて、データ配信プラットフォーム「Kafka」相当のサービス「Helix」を構築。Claude Codeにより数日で動作システムが完成しコスト削減の可能性を示したが、本番導入に向けた安定化には手動調整が必要だった。この結果、エージェントがシステムを構築できても、それを本番へ適用する段階での連携が新たな課題となった。
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これらの課題を受け、同社はエージェントが安全かつポリシーに沿ってツールを自律構築できる実行環境「Temper」を開発し、GitHubで公開した。
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ナラ氏は、AIは人間を超える速度でコードを量産できるが、エラーの発生源にもなり得ると指摘する。生成されたコードと検証通過コードのギャップが不具合の原因であり、Temperはこのギャップを埋める「工作機械(制御の基盤となる最小限のプログラム)」の役割を果たす。同社は、ミッションクリティカルなデータベースやシステムをAIに委ねる上で、こうした構造的な仕組みが必要不可欠であると説明している。