DeepSeek V4ファミリーの画像対応状況が公開 「V4.1 Flash」など2モデルのみがマルチモーダル対応
要点
- DeepSeek V4シリーズにおいて画像入力に対応しているのは「DeepSeek V4.1 Flash」と実験版の「DeepSeek V4 Flash Vision Exp」の2モデルのみであることが明らかになった。
- 新アーキテクチャを採用した「V4.1 Flash」は事前学習初期から画像とテキストを共同学習しており、100万トークンを超えるコンテキスト長を備える。
- 「V4 Pro 0813」や「V4 Flash 0731」などの主力モデルを含む大半のV4モデルはテキスト入出力専用であり、画像を入力するとエラーが発生する。
- 最新版を参照する「flash-latest」エイリアスはテキスト専用モデルを指しているため、画像処理を行う際は対象モデルのスラッグを直接指定する必要がある。
APIプラットフォームを提供するOpenRouterは2026年9月16日、同社の公式ブログにおいて、AIモデル群「DeepSeek V4」ファミリーにおける画像入力(ビジョン機能)の対応状況と各モデルの仕様をまとめた解説記事を公開した。
DeepSeek V4は単一のモデルではなく複数のリリースや世代を含むモデルファミリーとして展開されているが、モデル名からだけでは画像入力への対応有無が判別しにくい状態となっていた。OpenRouterのカタログ上で提供されている全6モデルを調査した結果、ネイティブに画像を扱えるのは2モデルに限られ、その他のモデルはテキスト処理専用であることが示されている。
ネイティブ対応の「V4.1 Flash」と実験版モデル
記事によると、DeepSeek V4ファミリーの中で画像入力に対応しているモデルの筆頭は、2026年9月10日に提供が開始された「DeepSeek V4.1 Flash」だ。本モデルはDeepSeek独自の「Causal Encoder-Decoder(因果的エンコーダー・デコーダー:入力を処理しながら順次出力を生成する設計)」アーキテクチャを採用した初のモデルとされる。
V4.1 Flashは総パラメータ数552B(5520億)のバックボーンを持ちながら、入力時に8B(80億)、出力時に16B(160億)のパラメータのみを活性化させる仕組みを持つ。画像理解機能は後付けではなくアーキテクチャ自体に組み込まれており、事前学習の初期段階から画像とテキストの埋め込み表現が共同で学習されているという。コンテキストウィンドウは1,048,576トークン、最大出力長は384,000トークンに達し、ツール呼び出しや構造化出力にも対応する。利用料金は100万トークンあたり入力0.15ドル、出力0.60ドルとされている。
もうひとつの対応モデルである「DeepSeek V4 Flash Vision Exp」は、2026年8月21日に登場した実験的(Experimental)モデルだ。テキスト専用モデル「V4 Flash 0731」をベースにテキスト性能を維持したまま画像理解機能を追加したもので、コンテキストウィンドウは1,048,576トークン、価格は入力0.22ドル、出力0.66ドルとなっている。OpenRouterは、新規に画像処理を導入する場合は実験版ではなく正式なV4.1 Flashを選択するよう案内している。
主力モデルの大半はテキスト専用、エイリアス指定にも注意
一方で、ファミリー内のその他のモデルである「V4 Pro 0813」「V4 Flash 0731」、および旧世代にあたる2種類の「0423」チェックポイントはいずれもテキスト入出力専用となっている。これらに画像データ(image_url)を送信した場合は、入力モダリティとして画像が登録されていないためリクエストが失敗する仕様だ。
各モデルのカタログ価格(2026年9月11日時点)と仕様は以下の通りである。
- V4 Pro 0813: 入力0.579ドル / 出力1.738ドル(コンテキスト長: 1,048,576トークン、テキスト専用)
- V4 Flash 0731: 入力0.065ドル / 出力0.18ドル(コンテキスト長: 1,310,720トークン、テキスト専用)
- V4 Pro 0423: 入力0.860ドル / 出力1.720ドル(コンテキスト長: 1,048,576トークン、テキスト専用)
- V4 Flash 0423: 入力0.085ドル / 出力0.171ドル(コンテキスト長: 1,048,576トークン、テキスト専用)
また、自動的に最新のFlashモデルへと転送される識別名エイリアス「~deepseek/deepseek-v4-flash-latest」について、記事公開時点ではテキスト専用の「V4 Flash 0731」にリダイレクトされる状態となっている。そのため、画像入力を含むリクエストでこのエイリアスを使用するとエラーになるとしており、画像処理を行う際は「deepseek/deepseek-v4.1-flash」などの正確なスラッグ(モデル識別子)を明示的に固定して指定するよう呼びかけている。
テキスト専用モデルで画像を扱うパイプライン構成
OpenRouterは、高性能な「V4 Pro 0813」など画像入力非対応のV4モデルを用いて画像に関する推論を行いたい場合の代替手法も提示している。
このアプローチでは、まず画像や動画の入力に対応した別のビジョンモデルに画像を読み込ませてテキストによる状況説明を生成させ、その出力テキストをV4モデルに渡して推論や回答作成を行わせる。V4モデル自体はピクセルデータを直接処理せず、前段のモデルが生成したテキスト解説をもとに推論を行う形となる。前段に配置するビジョンモデルの具体例として、同社は「Qwen3.8 27B」や「Kimi K3」などを挙げている。