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Cursor Blog

東南アジアGrab、Cursor導入で技術組織の月間利用率が98%に達したと発表――デザイナーのUI即日修正や非エンジニアの内製化が進む

要点

  • 東南アジアで配車や決済事業を展開するGrabが、AIコードエディタ「Cursor」の社内導入実績と利用データを公開した。

  • Grabの技術組織におけるCursorの月間アクティブ率は約98%、週間アクティブ率は約75%に達している。

  • デザイナーがGitの基礎を習得し、本番環境向けのUI修正を即日で数百件マージするなど、開発キュー待ちを解消する動きが広がっている。

  • ソフトウェアエンジニアによるマージリクエストの3分の1以上にCursorが関与し、AI提案の受諾率は約50%を記録した。

  • アナリティクスやCEOオフィスなど非エンジニア部門でもSQL作成や内製ツール開発が進み、5カ国で数百人規模の研修が実施された。

  • AIを活用したコードエディタを開発するCursorは2026年9月15日、東南アジア8カ国で配車、デリバリー、金融決済サービスなどを手がけるテクノロジー企業Grabにおける導入事例を公式ブログで公開した。公開されたデータによると、Grabの技術組織においてCursorの月間アクティブ率は約98%に達し、従来は数日を要していた作業が数時間で完了するようになったという。ソフトウェアエンジニアの生産性向上にとどまらず、デザイン部門や非エンジニア部門における業務プロセスの変化が明らかにされている。

技術組織における利用状況と開発効率の変化

Grabが社内の約4,000人を対象に、匿名化された10万件以上のCursorメッセージを分析したところ、全職種においてバグ修正が利用頻度の上位3項目に入っていることが判明した。バグ修正の割合はソフトウェアエンジニアリング職およびオペレーション・ビジネス職の双方で約39%を占めたという。エラーログや失敗したテスト、崩れたUIといった具体的な起点が存在することが、AIを活用したデバッグに適していると分析されている。

ソフトウェアエンジニア間では、利用頻度の高いパワーユーザーはライトユーザーに比べて18倍のメッセージを送信しており、難易度の高い高複雑度タスクを扱う割合が15.6%高かった。エンジニアはリファクタリング(プログラムの外部動作を保ったまま内部構造を改善する作業)やテスト作成、不慣れなコードの把握などにCursorを活用している。時間的制約から以前は後回しにされがちだったテストやリファクタリングにも手が回るようになり、同社が提出するマージリクエスト(作成したコードの変更を共有リポジトリへ統合する要求)の3分の1以上にCursorが関与し、提案の受諾率は約50%に達している。

デザイン部門による本番環境UI修正の内製化

デザイン部門においては、スタイリングやレイアウト作業でのCursor利用頻度が全社平均の5.3倍に達した。デザイナー陣はGit(プログラムの変更履歴を記録・管理する分散型バージョン管理システム)の基礎研修を受講した上で、本番環境向けのUI修正コードを自ら作成しているという。これらの修正はデザインマネージャーによるレビューを経て、多くが即日中に本番環境へマージされており、その実績は数百件にのぼる。

GrabのDesign Tech部門責任者であるClement Gougeon氏は、以前のようにバグチケットを起票したりデザインファイルを受け渡したりする代わりに、Cursorを用いて実装コードを追い、エンジニアが検証可能な修正を作成できるようになったと述べている。これにより、デザイン部門が製品クオリティに対してより直接的な責任を持てるようになったと説明している。

非エンジニア部門におけるデータ処理とツール自作

調査対象となったすべての職種において、Cursor利用の約半分をコードの記述が占めていた。一方で、2番目に多い用途は職種ごとに特徴が分かれている。アナリティクス部門ではSQLの作成やデータ変換処理の利用が全社基準の4.7倍となり、テクニカルプログラムマネジメント(TPM)部門ではGit操作やビルド、デプロイ関連の利用が3.1倍に達した。

また、プロダクトマネージャー(PM)はドキュメント作成の補助として活用しており、PRD(製品要求仕様書: Product Requirements Document)からHTMLやJavaScript、CSSを用いて実際に動作するデモを作成した事例も報告されている。CEOオフィスにおいても業務ツールの内製化が進んでおり、シニアマネージャーのMichelle Ng氏は、非技術職であってもアイデアを直接ツール化してワークフローの課題を解決できるようになり、チーム全体の生産性が向上したとコメントを寄せている。

義務化ではなく自律的な活用支援を重視した組織展開

GrabではCursorの利用を全社的な義務として強制するのではなく、各従業員が日常業務の課題を解決するための自律的な支援(イネーブルメント)として位置づけて導入を進めた。社内ワークショップを通じて5カ国で数百人規模の従業員がトレーニングを受け、幹部層も含めて自作アプリの構築やデプロイが行われている。

GrabのTech Strategic Initiatives責任者であるArun Makkath氏は、初期段階において特別な後押しがなくともCursorが社内で自然に適合し、技術部門だけでなく非技術部門や経営層を巻き込んでワークフローの変革を促したと述べている。また、エンジニアリングマネージャーのAkshay Misra氏は、AI教育に注力した結果、デザインや財務、オペレーション、マーケティングなど各部門が技術基盤の上で自ら開発・提供できる体制が整ったと述べており、従業員にツールを提供したことで潜在的な作り手としての能力が引き出されたとしている。

補足

Grabは東南アジア8カ国で配車、フードデリバリー、デジタル決済などの日常生活関連サービスを幅広く展開するテクノロジー企業である。

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