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AWS ML Blog

First Orion、AIエージェント「Amazon Nova Act」を導入しQAテストの自動化を加速

要点

  • 通信ソリューション大手のFirst Orionが、品質保証(QA)テスト自動化に「Amazon Nova Act」を導入した。
  • モノリスから分散型アーキテクチャへの移行と中小企業市場への拡大により、WebアプリケーションのUIテストが開発のボトルネックとなっていた。
  • 従来のスクリプトによるテストから、人間のように画面を認識して操作するAI駆動のエージェントへと移行を進めている。
  • これにより、開発速度の向上とテスト工数の削減、リリース品質の維持を目指している。

リード文

米通信ソリューション企業のFirst Orion(ファースト・オリオン)が、Webアプリケーションの品質保証(QA)テスト自動化に向けて「Amazon Nova Act」を採用したことが明らかになった。AWS(アマゾン ウェブ サービス)の機械学習ブログにて、First Orionのマーク・ヒメルファーブ氏とギャレット・ウィルカーソン氏による共同執筆記事として2026年8月11日に公開された。急速な開発スピードと対応環境の多様化に伴って生じていたUIテストの負荷を、AIエージェントの活用によって解消する取り組みを紹介している。

急拡大する通信事業と開発体制の変革

First Orionは2008年に設立された企業で、通話やメッセージングにおける透明性と信頼性の確保を掲げている。現在は北リトルロック、シアトル、ロンドン、ドバイの各拠点に300名以上のチームを擁し、世界規模で事業を展開している。同社のソリューションは、米国の大手通信キャリア(T-Mobile、Verizon、AT&T、Boost Mobile)やカナダの主要キャリア、英国のVodafone、ドイツのDeutsche Telekomなどに導入されており、毎月数億件に及ぶ通話で利用されている。さらに「Global Exchange」を通じてグローバルでのカバー範囲を拡大中だ。

提供製品は、企業名を表示する「INFORM Branded Calling」やメッセージ向け「ENRICH Branded Messaging」をはじめ、番号監視を行う「AFFIRM Number Monitoring」、迷惑電話を遮断する「SENTRY Call Blocking」、リスク検知を行う「PROTECT+ Risk Detection」など、通信ライフサイクル全体を網羅している。顧客層は中小企業(SMB)からフォーチュン500に名を連ねるグローバル大企業まで多岐にわたり、なりすましやスパム、詐欺などの被害を防ぐ役割を担っている。

同社は事業拡大に伴い、従来のモノリシック(単一構成)なWebポータルから、製品や事業ラインごとに独立したモジュール型のセルベースアーキテクチャへの移行を実施した。各開発チームが自らの事業領域のアプリケーションを直接管理し、プラットフォーム共通部分でのみ同期を取る構成に変えたことで、開発の並行進行とリリースの高速化を実現した。

UIテストの限界と「Amazon Nova Act」導入の背景

開発速度が向上した一方で、品質保証の現場では深刻な課題が発生していた。特に中小企業市場への進出を強化したことで、顧客が利用するデバイスの画面サイズ(フォームファクタ)やWebブラウザのバージョンの組み合わせが爆発的に増加した。

アプリケーションごとに検証すべき環境パターンが急増した結果、従来のスクリプトベースによるUIテスト自動化が追いつかなくなった。自動化スクリプトのメンテナンスや実行に膨大なリソースを割くことになり、UIテストが開発全体のボトルネックに陥っていたという。これに伴い、リリースサイクルの停滞や新機能の品質低下、予期せぬ不具合(リグレッション)への対応にエンジニアの時間が奪われるといった問題が連鎖的に生じていた。

こうした状況を打開するため、同社が採用したのが「Amazon Nova Act」である。従来の決まりきった手順をコードでなぞるテストスクリプトとは異なり、Amazon Nova Actは人間が画面を見るのと同様にWebインターフェースの構造や要素を認識し、自律的に操作を行えるAI駆動のエージェントとして機能する。

First Orionは、人間的な画面認識能力を持つAIエージェントをテスト基盤に組み込むことで、複雑化する画面バリエーションや頻繁なUI変更にも柔軟に対応できるQA自動化体制の構築を進めている。

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