GitHub CopilotにAnthropicの最新モデル「Claude Fable 5.1」が登場、自律的コーディング向けに一般提供を開始
要点
-
GitHubは、Anthropicの「Mythos」クラス最新AIモデル「Claude Fable 5.1」をGitHub Copilotで一般提供した。
-
長時間にわたる自律的なコード作成や複雑な調査作業向けに設計されており、VS CodeやXcodeなど多様な開発環境に対応する。
-
Copilot Pro+、Max、Business、Enterpriseの各プランが対象で、従量課金制に基づくプロバイダー定価で提供される。
-
有害利用を防ぐ安全分類器の運用のためにデフォルトでデータ保持が必要となるが、保持データはモデルの学習には使用されない。
-
一定の条件を満たす法人顧客向けには、年末までの期間限定でデータ非保持(ZDR)でのアクセスも提供される。
-
米GitHubは2026年9月1日、Anthropicが開発したAIモデル「Claude Fable 5.1」を、同社の開発支援ツール「GitHub Copilot」において一般提供(GA)したことを公式変更履歴(Changelog)で発表した。
-
本モデルは、長時間の自律的なコーディングや高度なナレッジワーク(知識作業)を念頭に設計されたモデルであり、Visual Studio CodeやJetBrainsなどの各種開発環境に向けて順次ロールアウトされるという。
長時間・自律型タスクを担う「Mythos」クラスの最新モデル
今回GitHub Copilotで利用可能となった「Claude Fable 5.1」は、Anthropicが展開する「Mythos(ミュトス)」クラスに属する最新のAIモデルである。長期間・多段階にわたる作業(long-horizon tasks)や、自律的なコーディング、知的作業を実行できるよう設計されている。
GitHubが実施した内部テストによると、Claude Fable 5.1は長期に及ぶ大規模な開発タスクにおいて高い性能を示したという。具体的には、大規模なコードベースを深く掘り下げる調査作業をはじめ、新規機能の実装や、複数の処理を自律的に進める複雑なエージェントワークフローなどで強みを発揮したと説明している。
多様な開発環境への展開と提供条件
Claude Fable 5.1は、個人向け上位プランから法人向けプランまで幅広く提供される。対象となるプランは「Copilot Pro+」「Copilot Max」「Copilot Business」「Copilot Enterprise」の4種類である。
本モデルは、開発者が日常的に使用する幅広いツールや統合開発環境(IDE)のモデル選択メニューから指定できるようになる。対応環境として以下のツールが挙げられている。
- Visual Studio CodeおよびVisual Studio
- コマンドラインツール「Copilot CLI」
- GitHub Copilot coding agent
- GitHub Copilot appおよびWeb版(github.com)
- モバイルアプリ「GitHub Mobile」(iOSおよびAndroid)
- JetBrains各種IDE
- Xcode
- Eclipse
提供は順次展開(ロールアウト)となっており、利用環境にまだ表示されない場合は時間をおいて確認するよう案内されている。また、利用料金については従量課金(usage-based billing)のもと、プロバイダーの定価(list pricing)に基づいて請求される体系となっている。
安全分類器の運用に伴うデータ保持ポリシー
GitHub Copilotで利用できる他のClaudeモデルとの大きな違いとして、Claude Fable 5.1ではデフォルトでデータ保持(Data Retention)が必要となる点が挙げられる。
これは、Anthropicが有害な利用を検知・防止するための安全分類器(セーフティクラシファイア:入力や出力を監視する仕組み)を稼働させるために求められる措置である。このポリシーのもとでは、プロンプト(指示文)や生成結果などのデータがAnthropicによって保持される。ただし、保持されたデータがAnthropicのAIモデルの再学習に使用されることはないと明記されている。なお、先行モデルである「Claude Fable 5」および今回の「Claude Fable 5.1」を除く従来のClaudeモデルについては、これまで通りプロンプト等を保存しない「ゼロデータ保持(ZDR: Zero Data Retention)」のもとで運用される。
組織利用であるCopilot EnterpriseおよびCopilot Business環境においては、安全のためポリシー設定がデフォルトでオフになっている。組織内でClaude Fable 5.1を利用可能にするには、管理者がCopilotの設定画面から明示的にポリシーを有効化する必要がある。このポリシーを有効化することはデータ保持の要件に同意したことと同義となり、無効のままにしておく限り組織内のユーザーは同モデルを利用できない。
適格企業向けのZDR時限免除と「EFS」への移行
デフォルトではデータ保持が必須となる一方で、特定の条件を満たすエンタープライズ顧客に対しては例外的な措置が用意されている。
該当する顧客は、Anthropicが新たな法人向け安全保護機能「Enterprise Frontier Safeguards(EFS)」の展開を進める間の時限的な免除措置として、当年の暦年末(2026年末)まで、Claude Fable 5.1およびClaude Fable 5をデータ非保持(ZDR)の環境で利用できる。
この免除期間終了後に該当モデルを継続して利用する場合は、EFSの導入が必要となる。EFSは自動化された安全性監視を実現しつつ、企業が自社の管理下にあるストレージや暗号化キーを利用できるようにするなど、データ保持に関する選択肢を広げる仕組みだという。GitHubは移行期間中、Anthropicと連携してEFSに関するフィードバックを提供していくとしている。
なお、このZDRアクセスを利用するにはGitHubアカウントチームへの申請と承認が必要となる。通常のGitHubサポート窓口では適格性の判断やアクセスの有効化は行えない。また、企業としてアクセス承認を受けた場合でも自動的にモデルが使えるようになるわけではなく、組織の管理者がCopilot設定からClaude Fable 5.1およびClaude Fable 5のポリシーを手動で有効化する手順が必要となる。