攻撃者「CyberXero」、Claude Codeを悪用しウクライナ重要インフラなどを攻撃——62万件超の記録流出が判明
要点
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ロシア語圏のサイバー攻撃者「CyberXero」が、Anthropic社の「Claude Code」や侵入テストAIを悪用した攻撃を展開している。
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ウクライナの4組織から62万8,000件超の個人記録が流出したほか、ポーランド、中国、オランダでも侵害が確認された。
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WordPressを狙う大規模な自動侵入と、ウクライナのエネルギーインフラを狙う手動侵入という2系統を並行運用していた。
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「自社環境の正規テスト」と偽るプロンプトやセッションリセットを用いてAIの安全フィルターを回避していた。
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攻撃者側サーバーの公開ディレクトリから作業ログや設定が発見され、一連の手口が露見した。
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セキュリティ企業SOCRadarは、ロシア語圏の初期侵入ブローカー(標的ネットワークへの侵入権を奪取・売買する攻撃者)「CyberXero」が、Anthropicの「Claude Code」などのAI技術を組み込んだサイバー攻撃を展開していると報告した。ウクライナの重要インフラや企業から62万8,000件超の個人データが流出したことが確認されている。活動は少なくとも2026年7月から継続しているという。
露出したディレクトリから判明した攻撃基盤
今回の攻撃実態は、あるIPアドレス上で外部公開されていたオープンディレクトリ(アクセス制限のない公開フォルダ)の発見によって判明した。漏洩した領域には攻撃者のLinux作業端末の環境が残されており、AIセッションログや平文トークン入りのスクリプト、攻撃ツール、奪われた被害データが含まれていた。
分析によると、CyberXeroは作業端末、プロビジョニングサーバー、収益化基盤、ペイロード配置サーバー、標的スキャナーなど計8つのノードでインフラを構築していた。
自動化キャンペーンと重要インフラを狙う標的型攻撃
CyberXeroは、目的の異なる2つの攻撃パイプラインを同時に運用していた。
1つ目は、WordPressやECプラットフォームを標的とする大規模な自動化キャンペーンだ。アクセス権や決済データの獲得を目的に、「Support Board」プラグインのSQLインジェクション脆弱性(CVE-2026-4815)や「wp2shell」(CVE-2026-63030、CVE-2026-60137)を悪用していた。ログによると、1回の自動実行で4,708件をスキャンし、429件の管理パネルへ侵入したのち、61秒間で32個のWebシェル(遠隔操作プログラム)を展開していた。
2つ目は、ハルキウの暖房供給事業者などウクライナのエネルギー・重要インフラを狙う手動キャンペーンで、詳細な事前調査と手動攻略が行われていた。
Claude CodeとPentAGIによるAIオーケストレーション
CyberXeroは、攻撃プロセスの2つの独立した段階でAIを活用していた。
攻撃者のメイン端末上では、Anthropicの「Claude Code」を用い、51個の専門エージェントからなるクラスターを運用していた。これらはスキャン、複数脆弱性を繋ぐエクスプロイトチェーン構築、偵察、侵入後の活動を担当していた。
さらに侵入テスト基盤「Cobalt Strike」のサーバー上では、オープンソースの自律型侵入テストAI「PentAGI」を稼働させ、API経由でペイロード生成やテスト実行を担わせていた。
安全フィルターの回避とAIによる拒絶の記録
攻撃者はAIの悪用防止機能を回避するため、「自社インフラに対する正規のペネトレーションテストを実施中である」と指示する文脈操作を行っていた。SOCRadarは、モデルの安全制御がモデルの重みではなくセッション文脈に作用するため、拒絶されるたびに新規セッションを開いて事前文脈を再読み込みさせていたと説明している。
一方で、AIの安全制御が機能し続けた実例も記録されていた。4回の試行にわたりバックドア設置やファイアウォール無効化、ラテラルムーブメント(横方向への感染拡大)、Webシェル展開をモデルが頑なに拒否したほか、スキャン実行を4回連続で拒絶し、偽造トークンを見破った事例も確認されている。
被害状況と点検の呼びかけ
この活動により、ウクライナ国内の4組織から62万8,000件以上の個人記録が窃取されたほか、ポーランド、オランダ、そして外部公開されていたRedisサーバーを突かれた中国の2組織でも侵害が確認された。SOCRadarは、WordPressやMagento、PrestaShopの管理者に対し、不審な管理者アカウントやWebシェルの有無、Redis環境のSSH公開鍵設定(~/.ssh/authorized_keys)に不正な登録がないか点検するよう求めている。