OWN NEWS GATHER
← 戻る
The Hacker News

GoogleがChromeのセキュリティ更新を公開、悪用が確認されたV8のゼロデイ脆弱性など12件を修正

要点

  • Googleはデスクトップ版Chrome向けにセキュリティ更新を公開し、実際の攻撃で悪用が確認されたゼロデイ脆弱性1件を含む計12件の修正を実施した。

  • 標的となった脆弱性「CVE-2026-85046」はJavaScriptエンジン「V8」における型混乱の不具合で、深刻度スコアは8.8(高深刻度)と判定されている。

  • 遠隔の攻撃者が細工したWebページを介してサンドボックス内での任意のコード実行が可能とされ、2026年に修正された悪用確認済みゼロデイは計6件に達した。

  • 対策としてWindowsおよびmacOS向け「152.0.7977.82/.83」、Linux向け「152.0.7977.82」への速やかな更新が推奨されている。

  • 米Googleは現地時間2026年9月3日、デスクトップ版「Google Chrome」のセキュリティアップデートをリリースした。今回の更新では合計12件の脆弱性に対処しており、そのうち1件はすでに実際のサイバー攻撃において悪用(ゼロデイ攻撃)が確認されている深刻な不具合であることが明らかになった。

悪用が確認された「CVE-2026-85046」と影響範囲

今回修正された脆弱性の中で特に重要視されているのが、「CVE-2026-85046」として追跡されている脆弱性だ。共通脆弱性評価システム(CVSS)における深刻度スコアは8.8とされ、高深刻度(High)に分類されている。

問題が特定されたのは、Chromeが搭載するJavaScriptおよびWebAssemblyの実行エンジン「V8(ブラウザ上でスクリプトを高速処理するエンジン)」である。V8の内部処理において、データ型が誤って認識・処理される「型混乱(Type Confusion)」と呼ばれるバグが発生していたという。

CVE.orgの脆弱性情報によると、バージョン「152.0.7977.82」より前のGoogle Chromeでは、遠隔の攻撃者が悪意を持って細工したHTMLページをユーザーに読み込ませることで、ブラウザのサンドボックス(不正動作を防ぐために隔離された実行環境)内部で任意のコードを実行できる状態になっていたとされる。

脆弱性の技術的要因と報告者への報奨金

この脆弱性は、セキュリティ研究者のSalvatore Gulizia氏(別名Serotav)によって発見され、2026年8月4日にGoogleへ報告された。同氏の責任ある情報開示に対し、Googleからは1,000ドルのバグ報奨金(脆弱性報告への報奨金制度)が授与されている。

Gulizia氏が自身のブログで公開した技術解説によると、今回の不具合はV8のコンパイラ内部の処理に起因している。要素が密に詰まった配列(PACKED_ELEMENTS)として扱われるべきデータ構造が、内部処理の誤りによって整数型の配列構造(PACKED_SMI_ELEMENTS)として認識されてしまう。この型の不一致を突くことで、JavaScriptヒープ領域(プログラムが動的に利用するメモリ空間)に対する任意の読み取りや書き込み操作へと発展させることが可能になるという。

Googleの対応方針と2026年のゼロデイ修正状況

Googleは公式発表において、「CVE-2026-85046に対するエクスプロイト(攻撃コード)が実環境で確認されている」と事実を認めている。

ただし、攻撃の詳細な手法や標的となった対象など、具体的な悪用の状況については情報を公開していない。これは、多くのユーザーが修正プログラムを適用して安全を確保する前に、さらなる悪用や被害の拡大が発生することを防ぐための一般的な措置だとしている。

今回の修正により、Googleが2026年の年初から対応した「悪用が確認されているChromeのゼロデイ脆弱性」は合計6件となった。同社はこれまでに、2月の「CVE-2026-2441」、3月の「CVE-2026-3909」および「CVE-2026-3910」、4月の「CVE-2026-5281」、6月の「CVE-2026-11645」に対処している。

修正バージョンの適用と他ブラウザへの案内

Googleは保護対策として、ユーザーに対しブラウザを以下の最新バージョンへ速やかにアップデートするよう呼びかけている。

  • WindowsおよびmacOS: バージョン 152.0.7977.82 または 152.0.7977.83
  • Linux: バージョン 152.0.7977.82

アップデートはChromeの右上メニュー(その他)から「ヘルプ」>「Google Chromeについて」を開き、更新完了後に「再起動(Relaunch)」を選択することで確実に適用できる。

また、Google Chromeと同じChromiumエンジンを採用している各種ブラウザ(Microsoft Edge、Brave、Opera、Vivaldiなど)の利用者に対しても、それぞれの開発元から修正プログラムが提供され次第、順次アップデートを適用することが推奨されている。

元URL