インドSwiggy、iOSアプリをSwift/SwiftUIでネイティブ刷新 パフォーマンス改善がコンバージョン向上に寄与
要点
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インドのオンデマンド配送大手Swiggyが、ハイブリッド構成だった「Instamart」および「Dineout」のiOSアプリをSwiftとSwiftUIによるネイティブ構成へと刷新した。
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事業急拡大に伴うページ読み込み遅延やメモリ圧迫、アニメーションの不整合を解消するため、2024年初頭から段階的な移行を進めていた。
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ネイティブ化により基本性能が向上したほか、OCRによるメニュー検索やApple Intelligenceを活用した商品要約・比較機能などを新たに導入した。
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動作速度や安定性の改善はユーザー体験の向上にとどまらず、コンバージョン率の上昇や直帰率の低下といったビジネス指標の大幅な改善につながった。
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インドの大手オンデマンド・コンビニエンスプラットフォームであるSwiggy(スウィギー)が、同社の一部サービスで採用していたハイブリッドアプリ構成をSwiftおよびSwiftUIによるネイティブ開発へ移行し、成果を上げていることが明らかになった。Appleが2026年9月1日に公開した開発者向けインタビューにおいて、SwiggyのiOS開発チームが刷新の背景や具体的な効果を語っている。
ハイブリッド構成の限界とネイティブ移行の背景
Swiggyは当初のフードデリバリーから事業を拡大し、現在は日用品などを即時配達する「Instamart」やレストラン予約・決済を扱う「Dineout」などを包括する総合プラットフォームを展開している。
主力サービスである「Swiggy Food」は当初からネイティブ環境(OS専用の言語や開発キットを用いる手法)で構築されていたが、急速に事業が拡大したInstamartとDineoutはWeb技術を併用するハイブリッド構成でスタートしていた。しかし、事業規模の拡大に伴い、性能や安定性の面で制約が目立ち始めたという。
同社のアシスタントバイスプレジデントを務めるトゥシャール・タヤル(Tushar Tayal)氏やシニアエンジニアリングマネージャーのアガム・マハジャン(Agam Mahajan)氏らによると、特にInstamartでは大量のSKU(商品の管理・識別単位)を一覧表示する際のアプリ停止(ハング)、ページ読み込みの遅延、メモリの過度な消費、アニメーションの不整合といった問題が顕在化していた。
また、Dineoutにおいても高画質な画像や動画のリッチコンテンツ表示が制約を受け、Core Animationによる高度な演出やApple Intelligence(Appleの端末統合型AI機能)などの最新機能を十分に活用できない状況となっていた。さらに、全サービスで一貫したデザインシステムを適用し、パフォーマンスと信頼性を高度に制御するため、2024年初頭にネイティブアプリへの刷新を決断した。
全面書き直しを避けた段階的アプローチと開発上の課題
移行にあたり、チームはコードベース全体を一度に書き直す手法を避け、利用頻度の高い画面から優先的に着手した。ユーザーとの接点の大半を占めるInstamartとDineoutのホーム画面および検索画面を対象にSwiftとSwiftUIで再構築し、着手から数週間で初期バージョンをリリースした後に全体へと移行を広げた。
開発プロセスにおいては複数の課題にも直面したという。エンジニアのアビラル・ガーグ(Aviral Garg)氏によると、初期に理想的なアーキテクチャの追求にこだわりすぎて開発速度が低下したため、反復的に提供しながら拡張性を高める方針へと軌道修正を行った。
また、既存のハイブリッドシステムと並行稼働させながら新機能開発を続け、機能同一性(フィーチャーパリティ)を維持するための調整も求められた。画面設計については、当初は既存UIの完全再現を試みたものの、最終的にはiOSネイティブのデザインパターンを採用して細部を調整する方針へと転換し、UIコンポーネントの再利用性と開発スピードを向上させたとしている。
性能改善からAI機能導入、ビジネス指標の好転へ
ネイティブ化の効果は、操作性の向上だけでなく機能面や事業数値にも明確に現れた。エンジニアのプリヤム・ダッタ(Priyam Dutta)氏によると、読み込み時間の短縮やスクロール・アニメーションの滑らかさが向上し、特に旧型端末で顕著な改善が見られたという。
デザインの一貫性が向上してコンポーネントの再利用が容易になったほか、iOSのネイティブ機能を活かした新機能も導入された。DineoutではOCR(光学文字認識)を用いたメニュー検索を実装してコンバージョンを改善し、Instamartでは買い物リストのスキャン機能を導入した。さらにApple Intelligenceを活用し、商品の特徴を要約する機能や2つの商品を並べて比較する機能などを構築し、商品発見の利便性を高めている。
これらの改善により、エンゲージメントや注文完了率、アプリ評価が向上したほか、SNS上でも好意的な反応が寄せられた。
エンジニアのシャシュワト・KN(Shashwat KN)氏は、遅延やクラッシュ率の低下だけでなく、コンバージョン率の有意な向上や直帰率(閲覧後に他の操作を行わず離脱する割合)の低下といったビジネス指標の大幅な改善が最大のサプライズだったと述べている。ネイティブの表現力を前提にできるようになったことで、デザインチームがより高度な体験作りに挑戦できるようになるなど、組織のクリエイティビティ向上にもつながったと説明されている。