金融AIのModel ML、GPT-5.6 Sol採用でPowerPoint・Excel生成を効率化 トークン消費を最大36%削減
要点
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金融エージェントを開発するModel MLが、ワークフローの中核モデルにOpenAIの「GPT-5.6 Sol」を採用した。
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PowerPoint生成においてFable 5比でトークン消費を21%削減し、実務レビュー基準の到達率はOpus 5を16.6ポイント上回る43.3%を記録した。
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Excel構築ではOpus 5と比較してトークン消費を36%削減し、作成時間を平均7.0分に短縮した。
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資産運用会社での特注資料作成時間が約1時間から約5分に短縮されるなど、実務での大幅な効率化が確認されている。
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OpenAIは2026年8月10日、金融特化型AIエージェントを手がけるスタートアップModel MLによる「GPT-5.6 Sol」の導入事例を公式ブログで公開した。Model MLは、調査から編集可能なPowerPoint資料やExcel財務モデルの作成までを担うワークフローに同モデルを採用し、高い実用性と処理効率を実証したという。
金融実務の「最後の1マイル」を担う自律型エージェント
金融分析を顧客や経営幹部に提示する前には、根拠資料の照合、ファイルの作成・整形、数値の検証、出典リンクの付与といった負荷の高い確認作業(ラストワンマイル)が不可欠となる。Model MLは、自身もファミリーオフィスで投資活動を行っていたアーニー・イングランダー氏とチャズ・イングランダー氏の兄弟によって設立され、こうした一連の作業をエンドツーエンドで自動化するソフトウェアを提供している。
同社のシステムでは、コアエージェントが作業計画の策定、適切なツールの選定、証拠の照合、計算を実行し、各工程に最適なモデルへ処理を振り分ける。その中心的な役割を担っているのがGPT-5.6 Solだ。また、同社独自のドキュメントツールを組み合わせることで、出典元が追跡可能で、後から直接編集できるネイティブなPowerPoint(.pptx)やExcelファイルを生成する。
製品はメール、専用アプリ、Microsoft Officeプラグインの間で文脈を引き継ぎながら作業を進められる「サーフェス・アグノスティック(利用環境に依存しない)」な設計となっており、金融担当者は前提条件やメッセージの確認・調整に集中できる環境が整えられている。
独自ベンチマーク「Composite」で他社主要モデルを圧倒
Model MLは、金融サービス向けAI評価ベンチマーク「Composite」を用いて、GPT-5.6 Solと競合モデル(Opus 5、Fable 5、Opus 4.8、GPT-5.6 Terra、GPT-5.5)の性能を比較検証した。
ネイティブなPowerPoint生成のテストにおいて、GPT-5.6 Solは検証ケースの100%でファイルを完成させ、Opus 5の完了率76.0%を大きく引き離した。実質的なレビューに耐えうる品質かどうかを測る「プロフェッショナル・レディネス(実務レビュー到達率)」では43.3%を記録し、Opus 5の26.7%を16.6ポイント上回った。また、デザインの一貫性(Consistency)は97.8%、指示への追従性(Brief adherence)は78.8%に達し、全体の品質スコアでも59.9%で首位となった。トークン消費量に関しては、1スライドデッキあたり約1.10Mトークンとなり、Fable 5(1.40Mトークン)と比べて約21%少ないトークン数で処理を完了している。
ネイティブなExcel作成ベンチマークでも高い効率性が示された。GPT-5.6 Solのトークン消費量は1ワークブックあたり2.44Mトークンとなり、Opus 5の3.83Mトークンと比較して36%の削減を達成した。生成にかかる所要時間は7.0分と、Opus 5の7.5分やFable 5の8.4分を下回っている。財務モデルの構造チェックやエラーの有無を確認するゲートは100%クリアし、主要な出力項目の正確性(Key outputs correct)でも83.3%を記録した。
1時間の作業を5分に短縮、本番環境での適用を拡大
実業務における成果として、あるグローバル資産運用会社では、アナリストが特注のティアシート(個別企業の財務・事業概要をまとめた簡潔な資料)を作成するのに約1時間要していた作業が、約5分にまで短縮されたという。さらに別の業務フローでは、10万行を超えるデータと数百のファイルを含む仮想データルーム(VDR)の情報を1回のパスで一括処理することに成功した。
Model MLの共同創業者兼CEOであるチャズ・イングランダー氏は、以前のモデルではアナリストの作業を代替させる際に出力の詳細な形式まで細かく指示する必要があったが、GPT-5.6 Solによって最終成果物へ格段に近い状態までエージェントが自律的に到達できるようになったと述べている。
同社はこれらの評価結果を踏まえ、従来はOpus 4.8などで処理していたワークフローを含め、本番環境におけるGPT-5.6 Solの適用範囲を順次拡大している。