クラウド最適化のnOps、Amazon Bedrock AgentCoreの導入でFinOps AIエージェントの開発を75%高速化
要点
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クラウド最適化ソリューションを提供するnOpsが、FinOps向けAIエージェントの開発基盤を「Amazon Bedrock AgentCore」へ移行した事例をAWS ML Blogで公開した。
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新アーキテクチャの導入により、FinOpsエージェントのリリース速度を75%高速化し、応答品質の向上と運用負荷の削減を達成した。
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従来のAPI連携を軸にした構成では、コンテキスト長の肥大化による応答遅延や、インフラの多重化による保守負担が課題となっていた。
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新基盤ではBedrock AgentCoreに加え、Databricksの分析・状態管理機能やAmazon DynamoDB、Vercelなどを組み合わせ、開発者がインフラではなくドメインロジックに集中できる環境を整えた。
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クラウドコスト最適化プラットフォームを手がけるnOpsは、2026年8月10日、同社のAIエージェント基盤を「Amazon Bedrock AgentCore」へと移行した事例をAWS ML Blogで発表した。Amazon Bedrock AgentCoreは、任意のフレームワークやモデルを活用してスケーラブルにAIエージェントを構築・連携・最適化できるマネージドサービスだ。nOpsはこの新基盤への刷新により、FinOps(クラウドの財務管理と運用の最適化)向けAIエージェントの提供速度を75%向上させたと説明している。
40億ドル超のクラウド支出を管理するnOpsの背景
nOpsは、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azureといった複数のクラウドにまたがるコミットメントの最適化を提供する企業だ。Reserved Instances(事前予約による割引インスタンス)やAWS Savings Plansなどのコミットメントを継続的に最適化することで、手作業による運用の負担を削減しつつコスト削減とリスク低減を図るソリューションを展開している。同社が管理対象としている顧客のクラウド総支出額は、40億米ドルを超えているという。
顧客基盤と製品ラインナップが拡大するにつれ、同社のインフラチーム、フロントエンドチーム、バックエンドチームは、高信頼性とマルチテナントのデータ分離を担保しながら、高度化する分析ワークフローに対応する必要に迫られていた。
従来のAPI中心アーキテクチャが抱えていた限界
nOpsは今回の移行以前、自社のFinOps AIエージェントである「Clara」を、Kubernetes、Amazon Bedrockのモデル呼び出し、LangChainおよびLangGraphによるオーケストレーション、Web APIをラップしたツール群を組み合わせた既存インフラ上で運用していた。
この構成によって初期の迅速なリリースを実現したものの、運用規模が拡大するにつれて構造的な課題が顕在化したとしている。主な課題として以下の3点が挙げられている。
- 応答の遅延と一貫性の低下: APIベースのデータアクセスによってメッセージのコンテキスト(文脈情報)が長くなり、応答にかかるレイテンシの増大と回答の一貫性の低下を招いていた。
- システムの複雑化と運用の負担: オーケストレーション層やオブザーバビリティ(可観測性)層が複数重なり、システムの複雑性が増大して反復開発やデバッグを困難にしていた。
- データパスの不一致と開発の停滞: エージェントの回答が専用のセマンティック(意味論的)な分析層ではなくAPIのレスポンスに直接依存していたため、エンジニアの稼働が製品の機能改善よりもインフラの保守対応に奪われる状況が生じていた。
nOpsのジョーダン・スタイン(Jordan Stein)氏は、「分析主導のエージェント向けに設計されていないインフラの上に高度なAI機能を構築しようとしていたため、改善のサイクルが遅く複雑になり、精度の低下を招きやすくなっていた」と当時の状況を振り返っている。
Amazon Bedrock AgentCoreを中心とする新アーキテクチャ
これらの課題を解決するため、nOpsは目的に特化した新しいアーキテクチャへの刷新を実施した。
実行基盤およびオーケストレーションには、マネージドなエージェントランタイムと組み込みのメモリ機能を提供するAmazon Bedrock AgentCoreを採用した。Bedrock AgentCoreは特定のモデルやフレームワークに縛られない柔軟性を備えており、nOpsはStrands上でエージェントを構築しつつ、利用する基底サービスを変更することなくモデルの選択肢を柔軟に進化させることが可能になったという。
さらに、データと状態管理のレイヤーも見直された。統制された分析セマンティクスを扱う層として「Databricks Lakehouse Metric Views」を導入し、耐久性のあるアプリケーションステートの保持には「Databricks Lakebase」を採用している。システム全体としては、VercelによるWebアプリケーションフロントエンド、Amazon DynamoDB、Databricks、Bedrock AgentCoreが連携して機能する構造となっている。
ドメインロジックへの集中と今後の展望
nOpsは、この専用アーキテクチャの構築により、需要に応じた柔軟なスケーリングと高精度な回答生成を実現し、開発者のデリバリー速度を大幅に引き上げることができたと総括している。インフラ運用の複雑さをマネージドサービス側へ逃がすことで、エンジニアリングチームがインフラ管理ではなく顧客価値に直結するドメインロジックの実装に注力できる体制が確立されたとしている。