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The Hacker News

LangflowとRailsの重大な脆弱性を突く攻撃が活発化──認証情報の探索やC2通信をVulnCheckが確認

要点

  • AI開発プラットフォーム「Langflow」とWebフレームワーク「Ruby on Rails」の重大な脆弱性を悪用した攻撃が確認された。
  • Langflowではロシア発の偵察活動が急増し、OpenAIやAWSなどのAPIキーや環境変数の探索が観測されている。
  • 2025年以降、AIスタックへの攻撃により1万5000件以上の侵入や暗号資産マイニングボットネットへの悪用が判明している。
  • Ruby on Railsでは画像処理の不整合を突いて外部ホストとの遠隔操作通信を確立する攻撃が検出された。

リード文

サイバーセキュリティ企業の米VulnCheckは、AIアプリケーション開発プラットフォーム「Langflow」およびWebアプリケーションフレームワーク「Ruby on Rails」の重大な脆弱性を悪用したサイバー攻撃を観測したと発表した。2026年8月末から検知数が急速に増加しており、サーバー内の機密情報探索や外部サーバーとの不審な通信が確認されている。攻撃者は開発基盤を踏み台にして、接続されたクラウド環境や機密データへのアクセスを狙っているという。

2件の致命的な脆弱性の概要

攻撃の標的となっているのは、いずれもCVSS(共通脆弱性評価システム:深刻度を最大10.0で評価する指標)スコアが極めて高い2件の脆弱性だ。

1つ目は、Langflowに存在する「CVE-2026-0768」(CVSSスコア 9.8)である。ユーザーから入力されたデータの検証不備に起因するもので、悪用されると最高権限であるrootユーザーのコンテキストで任意のPythonコードを実行される恐れがある。

2つ目は、Ruby on Railsの「CVE-2026-66066」(通称「KindaRails2Shell」、CVSSスコア 9.5)だ。Railsのファイルアップロード機能であるActive Storageと、画像処理ライブラリ「libvips」の間で入力ファイルの読み込み処理に食い違いがあることを突いた欠陥である。信頼できないユーザーからの画像アップロードを受け付ける環境において、細工された画像を送信されることでサーバー内の任意ファイルを読み取られる危険性がある。さらにプロセスの環境変数や暗号化キー(secret_key_base、Railsマスターキー)、データベースパスワード、クラウドストレージの認証情報、APIトークンなどが漏洩し、最終的にリモートコード実行(RCE)につながるという。

Langflowを狙った偵察と認証情報の収集

VulnCheckによると、Langflowへの攻撃検知数は2026年8月30日の数時間で50件以上を記録し、月曜日の時点では360件にまで跳ね上がった。

同社の脅威調査担当バイスプレジデントであるケイトリン・コンドン(Caitlin Condon)氏によれば、攻撃者は偵察活動と認証情報の収集を組み合わせて実行しているという。攻撃リクエストでは、「LANGFLOW_SUPERUSER」をはじめ、「OPENAI_API*」「AWS_ACCESS*」「AWS_SECRET*」といったAIサービスやクラウドの環境変数を照会していることが判明した。さらに、「/root/.cache/langflow/secret_key」ファイルの読み取りや、SSHアクセスの可否、コマンド履歴ファイル「.bash_history」のサイズ確認なども行われている。

送信元トラフィックの大部分はロシアから発生しており、現時点ではイギリスに配置された同社のカナリアシステム(攻撃を早期検知・観察するためのおとり環境)を集中的に標的としているという。

AI開発スタックへの継続的な攻撃手口

AI開発環境への攻撃者の関心は高まりを見せており、2025年以降、最大12件の脆弱性が悪用され、「CVE-2026-0769」「CVE-2025-3248」「CVE-2026-5027」を利用した侵害の成功事例は1万5000件以上に達している。脆弱な状態のLangflowホストは、主に米国、ドイツ、マレーシア、ブラジル、インドに集中している。

おとりシステムでの観測では、CVE-2026-5027を悪用してPython製の認証情報収集ツールやプロキシエージェント、リモート管理ツール「SimpleHelp」を配置し、遠隔アクセス権を確保する手口が確認された。また別の事例では、CVE-2025-3248により対象サーバーを暗号資産Monero(XMR)のマイニング用ボットネットに組み込む攻撃も発生した。この攻撃では、監査ログを記録するデーモン「auditd」を停止して調査の死角を作り出した上で、CVE-2026-0769を用いて「.sysd」を配置し、さらに他の標的をスキャンしてマイニング網を拡大させていたという。

Railsに対するC2通信とパッチの検証結果

一方、Ruby on RailsのCVE-2026-66066を巡っても、シンガポール、イスラエル、イギリスに設置されたカナリアシステムに対する攻撃が検出されている。

セキュリティ研究者のパトリック・ギャリティ(Patrick Garrity)氏の報告によると、この攻撃はフランスにある単一のIPアドレスから発信され、イスラエルのホストに向けてC2(侵害した端末を遠隔制御する通信基盤)通信を確立していた。

VulnCheckの指摘によると、Active Storageが信頼できないコンテンツに対して安全でないlibvipsローダーを常に有効化しているため、標準のvipsプロセッサで画像バリアントを処理するアプリケーションは悪意あるファイルの読み込みを強制される。さらに、修正パッチが適用されたバージョン「8.1.3.1」のサーバーでテストを実施したところ、libvipsによるファイル読み込み自体は防げるものの、バリエーションキーのMarshalデシリアライズ処理は無力化されず、有効な署名が存在する場合にはパッチ適用済みサーバーでもリモートコード実行ガジェットが動作してしまうことが判明したという。

VulnCheckの調査では、8月初旬時点で7100件を超える脆弱なRuby on Railsインスタンスがインターネット上に公開された状態にあると特定されている。

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