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The Hacker News

Liquid Networkの巨額流出、自称ホワイトハットが3400 BTCを返還 約4700万ドル相当は未返還

要点

  • ビットコインのサイドチェーン「Liquid Network」から約4,000 BTCが流出した事案で、攻撃者がそのうち3,400 BTC(約2億6,500万ドル相当)を返還した。

  • 流出は基盤ソフトウェア「Elements」の不具合で不正生成されたL-BTCによるもので、秘密鍵自体の漏洩ではないと説明されている。

  • 攻撃者は自らを「ホワイトハット」と名乗り、ブロックチェーン上のメッセージを介して修正パッチ適用を求めた上で返還を実行した。

  • 送金のおつりとして攻撃者アドレスに残された約598.5 BTC(約4,700万ドル相当)は未返還のままで、合意の有無は公表されていない。

  • 開発元のBlockstreamは修正版を展開し、運営組織とともにネットワーク再起動の準備を進めている。

  • ビットコインのサイドチェーン「Liquid Network」において、2026年9月6日に発生した約4,000 BTC(約3億2,000万ドル相当)の不正流出事案で、攻撃者が翌7日に3,400 BTCを運営側へ返還したことが公開台帳の記録から判明した。攻撃者は自らを「ホワイトハットハッカー」と主張し、ブロックチェーン上のメッセージを介して開発元の米Blockstreamとやり取りを行っていた。流出総額の約85%に相当する資産が戻った形だが、残る約598.5 BTC(約4,700万ドル相当)は依然として攻撃者の管理下にある。

準備金の95%が流出、翌日に3400 BTCが返還

ビットコインの公開取引記録によると、9月6日(日)にLiquid Networkから引き出された約4,000 BTCのうち、3,400 BTCが翌9月7日16時9分(UTC)にLiquid Federationの管理アドレスへ送金された。Liquid Federationは、Liquid上でビットコインの裏付け資産を管理する事業者連合である。

暗号資産メディア「The Block」の報道によると、今回の流出以前に同ネットワークが保有していたビットコイン準備金は約4,200 BTCであり、一度の不正な引き出しで全体の約95%が持ち出された計算となる。流出当時の評価額は約3億2,000万ドルに達していた。

9月8日時点のビットコイン価格(1 BTCあたり約7万8,000ドル)に基づくと、返還された3,400 BTCの価値は約2億6,500万ドルにのぼる。一方で、残りの約598.5 BTC(約4,700万ドル相当)は返還されておらず、3,400 BTCを送金した同一トランザクションの「おつり(change)」として、資金が移動した元のアドレスへ送り返された状態が続いている。BlockstreamおよびLiquid Networkは、この未返還分が何らかの合意に基づくものかどうかについて、公には言及していない。

基盤ソフト「Elements」の不具合を突いた不正出金

Liquid Networkは、本物のビットコインを担保に1対1で裏付けられたトークン「L-BTC」を発行・流通させるサイドチェーン(メインのブロックチェーンと相互運用性を持つ派生ネットワーク)である。現在ネットワークは停止措置がとられており、保有者がL-BTCを正規のビットコインへ換金することはできない。

暗号資産メディア「Unchained」の報道によれば、今回の引き出しには暗号資産取引プラットフォームSideSwapが保有する「Peg-out Authorization Key(ペグアウト承認鍵)」が用いられた。ペグアウトとは、サイドチェーン上のL-BTCを消却し、メインチェーン側のビットコインを解放する処理を指す。

BlockstreamおよびSideSwapは、当該の秘密鍵やシステム自体が侵害・漏洩した事実はないと表明している。SideSwapの説明によると、Liquidの稼働基盤であるソフトウェア「Elements」に存在したバグによって不正なL-BTCが生成され、それを用いてビットコインの引き出しが実行されたという。なお、Liquid側やBlockstreamの障害報告ページでは、脆弱性の具体的な技術的詳細までは明かされていない。

オンチェーンメッセージによる交渉と返還の実行

事案発生後、攻撃者とBlockstreamの間では、ビットコインのトランザクションデータ内にテキストを書き込む形で公開の交渉が行われた。

初期のトランザクションには、攻撃者側から「我々はホワイトハットだ。オンチェーンで連絡を(we are whitehats. contact us on chain)」というメッセージが記録されていた。その後、攻撃者側は返還の条件として脆弱性の修正および全ノードへのパッチ適用を要求した。これに対し、Blockstream側はブリッジノードへの修正適用が完了し安全に返還できる状態になったことを示す署名付きメッセージを返答した。

返還直前の9月7日15時31分(UTC)には、1,000 satoshi(0.00001 BTC)の送金とともにPGPで暗号化されたメッセージがFederationのアドレスへ送信された。この暗号化メッセージの内容は非公開だが、その約38分後に3,400 BTCの本送金トランザクションがブロックチェーン上で承認された。

修正パッチの適用と再開に向けた動き

Blockstreamはすでに更新版ソフトウェアの展開を完了しており、Federationメンバーと連携してネットワークの協調再起動に向けた準備を進めている。

元Blockstream幹部で現在は暗号資産関連企業JAN3のCEOを務めるSamson Mow氏は、未返還の資産が約598 BTCであるとした上で、Blockstreamが現在もハッカーグループとの対話を継続していることを明かした。9月8日時点において、Blockstreamのステータスページでは公開ブリッジノードが停止中としてインシデント対応が継続中となっており、資金返還に関する記述はまだ更新されていない。

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