マイクロソフト、Azure AI Foundryで最大深刻度「CVSS 10.0」の脆弱性を修正 CopilotやWindowsの更新も提供
要点
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マイクロソフトは、生成AI基盤「Azure AI Foundry」において、深刻度評価で最高値となるCVSSスコア10.0の権限昇格脆弱性を修正した。
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認証の欠落により未認証の攻撃者がネットワーク経由で特権を奪取できる恐れがあったが、悪用の痕跡はなく、クラウド側で修正が完了したためユーザー側の対応は不要となっている。
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併せてMicrosoft 365 CopilotやAzure Cosmos DBなどの重大な脆弱性と、Windows 11向けの定例外セキュリティ更新プログラムも公開された。
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同社は先週にも過去最多となる974件の脆弱性を修正しており、その一部を悪用した国家関連グループによる標的型攻撃も報告されている。
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マイクロソフトが、生成AIプラットフォーム「Azure AI Foundry」に存在した最大深刻度の脆弱性を修正したことが、2026年9月18日までに明らかになった。この欠陥は共通脆弱性評価システム(CVSS)のスコアで満点の10.0と評価されており、悪用された場合にはネットワーク経由で未認証の第三者に権限を昇格される危険性があった。同社はすでにクラウド側で修正を適用しており、利用者が個別に設定変更や操作を行う必要はないとしている。
Azure AI Foundryにおける「CVSS 10.0」脆弱性の詳細
今回修正された脆弱性は「CVE-2026-85889」として管理されており、CVSSスコアは最高レベルの10.0が割り当てられている。対象となったAzure AI Foundry(別名「Microsoft Foundry」)は、企業が生成AIを用いたアプリケーションやAIエージェント(特定の目標に向けて自律的に判断や処理を行うプログラム)を構築・配備・運用するためのクラウド基盤だ。
マイクロソフトが公開したセキュリティアドバイザリによると、本脆弱性の原因は「重要な機能における認証の欠落」にあるという。これにより、本来は適切なアクセス権を持たない攻撃者であっても、ネットワークを経由して不正に権限を昇格させることが可能な状態となっていた。
この重大な不具合はセキュリティ研究者のレミ・マロ氏(Rémy Marot / @R_Marot)によって発見・報告されたものであり、マイクロソフトはその功績を称えている。なお、同社によれば、報告時点でこの脆弱性が実際の攻撃(in the wild)で悪用された証拠は確認されていないという。
Copilotやクラウドデータベース群でも深刻な脆弱性を一斉修正
マイクロソフトはAzure AI Foundryの修正と相前後して、同社が提供する他の主要クラウド製品に存在していた複数の重大な脆弱性についても対策を完了したことを公表している。
主な修正対象と脆弱性の内容は以下のとおりだ。
- Microsoft 365 Copilot(CVE-2026-85885 / CVSSスコア 9.9): コマンドインジェクション(プログラムの入力処理の不備を突き、意図しない不正コマンドを実行させる手法)の脆弱性。認証された攻撃者によるネットワーク経由での権限昇格につながる恐れがあった。
- Azure Database for PostgreSQL(CVE-2026-85878 / CVSSスコア 9.9): 不適切な認可処理の欠陥。認証された攻撃者がネットワーク経由で権限を昇格できる状態となっていた。
- Azure Cosmos DB(CVE-2026-87701 / CVSSスコア 9.6): データの無害化処理が不適切な脆弱性。認証された攻撃者がネットワーク経由で権限を昇格させることが可能だった。
これらはいずれもクラウドサービス側の問題であるため、マイクロソフト側で緩和措置が完全に適用されている。Azure AI Foundryと同様に、利用組織や管理者が手動で更新作業などを実施する必要はないと説明されている。
Windows 11向けの定例外アップデート(KB5129194)も配信
クラウド基盤の対応とは別に、同社はWindows 11(バージョン26H1)向けに定例外(Out-of-band)の累積更新プログラム「KB5129194」(ビルド番号 28000.2956)を公開し、2件のローカル権限昇格脆弱性を修正した。更新プログラムはx64ベースおよびarm64ベースの双方のシステム向けに提供されている。
修正された脆弱性の1つは、先月公表されていたWindows User-Mode Power Service(UMPS)におけるアクセス制御の粒度不足「CVE-2026-62721」(CVSSスコア 7.8)だ。これを悪用されると、ローカルで認証された攻撃者が最高権限であるSYSTEM権限を取得できる危険があった。
もう1つは、Windows Secure Kernel Modeに存在した二重解放(Double free: メモリ領域を二重に解放してしまい、動作異常やコード実行を引き起こす不具合)の脆弱性「CVE-2026-85921」(CVSSスコア 8.2)である。悪用された場合、ローカルの認証済み攻撃者が「Virtual Trust Level 1(VTL1)」と呼ばれる保護レベルの高い特権領域の権限を獲得できる状態だった。
過去最多974件のパッチ公開とサイバースパイによる悪用の背景
今回の一連の脆弱性公開は、マイクロソフトが先週、自社製品群全体で過去最多となる合計974件の脆弱性修正パッチを一挙に公開した直後のタイミングで行われた。
先週公開された膨大な修正の中には、Windowsの高度ローカルプロシージャ呼び出し(ALPC)およびWindows Update Stackに影響を与える2件の欠陥が含まれており、これらはすでに実際のサイバー攻撃で悪用されていることが確認されている。
セキュリティ企業のProofpointおよびVolexityの調査レポートによると、このうちALPCの脆弱性はGoogle Chromeの2件の欠陥と連結され、「BlueMoon」と名付けられたエクスプロイトキット(脆弱性を突く攻撃ツール群)として兵器化されているという。複数の国家やスパイ活動に関連する脅威アクターが、標的に対して不正なペイロード(悪意ある実行データ)を送り込む目的でこのツールキットを使用している実態が報告されている。