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The Hacker News

米CISA、悪用が確認された脆弱性7件をカタログに追加——SonicWallやLiteLLM、Kestraなどが標的に

要点

  • 米CISAは2026年9月2日、攻撃者による実際の悪用が確認された7件のセキュリティ脆弱性をKEVカタログに追加した。

  • 対象にはSonicWallのアプライアンス、JFrog Artifactory、データオーケストレーションツールのKestra、AI連携ツールのLiteLLMなどが含まれる。

  • 最大深刻度を示すCVSSスコア10.0の脆弱性が2件含まれ、未認証のリモート攻撃者によるシステム制御などのリスクがある。

  • 脅威アクターはこれらの欠陥を悪用し、リバースシェルの設置や管理者権限の奪取、暗号資産マイナーの展開などを進めていることが判明している。

  • 米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は2026年9月2日、攻撃者による実際の悪用が確認された7件のセキュリティ脆弱性を「悪用が確認された脆弱性(KEV: Known Exploited Vulnerabilities)」カタログに追加した。KEVカタログは、実際にサイバー攻撃で悪用されたことが確認されている脆弱性をCISAがまとめた公式一覧である。今回追加された脆弱性には、ネットワーク機器や開発プラットフォーム、オープンソースのワークフローエンジン、AI関連ライブラリなど多岐にわたる製品の欠陥が含まれている。

  • セキュリティ各社やベンダーの調査報告によると、未知の脅威アクターやランサムウェアグループがこれらの脆弱性を突いて、システムの遠隔操作や認証情報の窃取、暗号資産マイニングプログラムの設置といった攻撃を展開しているという。

新たに追加された7件の脆弱性と深刻度

今回KEVカタログに追加された脆弱性は、深刻度を0.0〜10.0で評価する共通脆弱性評価システム(CVSS)において高いスコアを持つものが多く、最大値である10.0の脆弱性も2件含まれている。対象となった脆弱性の詳細は以下の通りである。

  • CVE-2026-83548(CVSSスコア: 10.0): SonicWall SMA 1000 Appliancesに存在するサーバーサイド・リクエスト・フォージェリ(SSRF、サーバーを介して内部リソースへ不正アクセスさせる手口)の脆弱性。認証を受けていないリモートの攻撃者が、機密機能への不正アクセスや不正操作を行える可能性がある。
  • CVE-2026-83549(CVSSスコア: 7.8): SonicWall SMA 1000 Appliancesにおける認証後のOSコマンドインジェクションの脆弱性。管理者として認証されたリモート攻撃者が任意のOSコマンドを実行し、リモートコード実行(RCE)に至る恐れがある。
  • CVE-2026-9586(CVSSスコア: 9.3): Sangoma Switchvoxに存在するSQLインジェクションの脆弱性。未認証のリモート攻撃者が単一の細工されたリクエストを送信することで、バックエンドのPostgreSQLデータベースに対して任意のSQL文を実行でき、データベース操作やリモートコード実行が可能になる。
  • CVE-2026-82329(CVSSスコア: 9.8): JFrog Artifactoryにおける不適切な認証の脆弱性。デフォルト構成において、ネットワークアクセスを持つ未認証の攻撃者が管理者権限を取得できる状態になる。
  • CVE-2026-48710(CVSSスコア: 6.5): Python向けWebフレームワークであるKludex StarletteにおけるHTTPリクエスト/レスポンス・スマグリング(サーバー間の解釈のズレを突いてリクエストを不正混入させる手法)の脆弱性。ホスト部分にパスを注入して実際のパスの先頭に付加することが可能となり、再構築されたURLパスに依存した認証処理のバイパスなどを引き起こす。
  • CVE-2026-49869(CVSSスコア: 10.0): オープンソースのオーケストレーションプラットフォームであるKestra OSSにおけるOSコマンドインジェクションの脆弱性。認証情報を持たないリモートの攻撃者が、任意のワークフローを作成・実行できる。
  • CVE-2026-59822(CVSSスコア: 8.8): 大規模言語モデル連携ツールであるBerri LiteLLMのModel Context Protocol(MCP、AIモデルと外部ツールを接続する標準規格)Streamable HTTPエンドポイントに存在する不適切な認証の脆弱性。未認証の攻撃者が任意のBearerトークンを用いて、認証済みのMCPセッションを確立できる。

各社が報告する悪用の実態と攻撃手口

今回のカタログ追加の背景には、複数のセキュリティ企業やベンダーによる実際の被害・攻撃活動の確認がある。

SonicWallは、SMA 1000シリーズに関する2件の脆弱性(CVE-2026-83548およびCVE-2026-83549)について、実際に悪用された事例を調査したことを公表している。

また、セキュリティ企業のHorizon3.aiおよびwatchTowrの報告によると、正体不明の脅威アクターがSangoma Switchvoxの脆弱性(CVE-2026-9586)とJFrog Artifactoryの脆弱性(CVE-2026-82329)を兵器化している様子が観測された。攻撃者はこれらの脆弱性を利用してリバースシェル(標的端末側から攻撃者サーバーへ接続させて遠隔操作を可能にする手法)を設置したほか、管理者トークンを不正に発行(ミント)し、ユーザーやグループ、認証情報セット、フェデレーションアクセストポロジの網羅的な列挙を行っていたという。

AIインフラやWebフレームワークを狙う連鎖攻撃

Kludex Starletteの脆弱性(CVE-2026-48710)については、Horizon3.aiが2026年6月に公開したレポートにおいて、LiteLLMの別の脆弱性(CVE-2026-42271、CVSSスコア: 8.7)と連鎖させる攻撃手法が明らかにされていた。この2つを組み合わせることで、脆弱なLiteLLM環境において認証をバイパスし、リモートコード実行が可能になるという。CVE-2026-42271についても同時期にCISAのKEVカタログへ追加されていた。

クラウドセキュリティ企業のWiz(Google傘下)によると、「Qilin」(別名「Agenda」)ランサムウェアに関連する脅威アクターが、この脆弱性チェーンの活発な悪用に関与していることが確認されている。さらにWizは、自社が運用するハニーポットにおいて、CVE-2026-59822を悪用してモデル列挙エンドポイントを探索しようとする攻撃試行も観測したと説明している。

Kestraの脆弱性を突いた不正マイニングと偵察

Kestra OSSの脆弱性(CVE-2026-49869)の追加は、Microsoftが前週に公開したレポートが要因となっている。Microsoftの報告によると、2026年6月下旬にある脅威アクターがこの脆弱性を悪用したとみられ、リバースシェルの確立、Dockerコンテナ環境の探索、セキュリティ防御の回避、暗号資産マイナーの配備、およびデータの収集を実行していた。

同侵害事例についてMicrosoftは、ワークフローエンジンを介したシェル実行や、コンテナ環境の露出を含む4つの影響経路が露呈したと報告している。

補足

CISAが管理するKEVカタログに登録された脆弱性は、米国の連邦政府機関において指定期日までの対応が義務付けられるほか、民間組織にとっても優先的にパッチ適用や緩和策を講じるべき重要な指標として広く参照されている。

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