米CISA、LangflowやTomcatなど3件の脆弱性を「悪用確認済みリスト」に追加――AI自律型ハッキングなどの標的に
要点
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米国サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)が、実際に悪用が確認された3件の脆弱性を「既知の悪用された脆弱性(KEV)」カタログに追加した。
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追加された脆弱性には、AIアプリ開発プラットフォーム「Langflow」のリモートコード実行の脆弱性や、「Apache Tomcat」の暗号化回避の脆弱性などが含まれる。
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Apache Tomcatの脆弱性は、中国語話者の攻撃グループがAIモデル「DeepSeek」を組み込んだフレームワークを用いて行った自律的ハッキングキャンペーンに悪用されていた。
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また、同じTomcatの脆弱性は、100カ国以上の政府や商業インフラを標的としたLinux向けマルウェア「SNOWLIGHT」の感染拡大キャンペーンでも悪用が確認されている。
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米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は2026年8月5日、サイバー攻撃での悪用が確認された3件の脆弱性を「既知 of 悪用された脆弱性(KEV、実際に悪用が確認されている脆弱性のリスト)」カタログに追加した。対象は、AIアプリ開発プラットフォーム「Langflow」、Webサーバー「Apache Tomcat」、IT管理システム「N-able N-central」の脆弱性だ。CISAは、これらが悪用されると深刻な被害を招く恐れがあるとして、速やかなアップデートを求めている。
新たに悪用が確認された3つの脆弱性
今回CISAがカタログに追加した脆弱性のうち、最も深刻度が高いとされるのが「CVE-2026-9198」(CVSS 9.8、脆弱性の深刻度を評価する共通基準)である。これは、AIを活用したシステム開発を支援するオープンソースプラットフォーム「Langflow」に存在するコードインジェクション(プログラムの脆弱性を突いて外部から不正なコードを注入し実行させる攻撃手法)の脆弱性だ。デフォルト設定の環境において、未認証の攻撃者がリモートから任意のコードを実行(RCE、ネットワーク経由で標的のシステム上で任意のプログラムを実行すること)できる。この問題は2026年7月のバージョン1.10.1で修正された。
次に、Webサーバーとして広く使用されている「Apache Tomcat」の脆弱性である「CVE-2026-34486」(CVSS 7.5)が挙げられる。これは、クラスターを構成するノード間で送受信されるメッセージに事前共有キー暗号化を適用するコンポーネント「EncryptInterceptor」において、機密データの暗号化が行われない不具合があり、その結果として暗号化の適用をバイパスできてしまうというものだ。こちらは2026年4月にリリースされたバージョン11.0.21、10.1.54、および9.0.117で対策が行われている。
3つ目は、ITリモート監視システム「N-able N-central」の認証バイパスの脆弱性「CVE-2026-18556」(CVSS 8.2)だ。不完全な修正に伴い新たに発行されたパッチ「CVE-2026-18577」も月曜日にカタログへ追加されており、CISAの調査によって現在は両方の脆弱性が脅威アクターによる攻撃に利用されていることが裏付けられた。
AIを活用した自律型ハッキングキャンペーンへの悪用
Langflowの悪用手法の詳細は不明だが、過去数ヶ月の間に、仮想通貨「Monero」のマイナー設置や、AI関連システムを狙う新型ランサムウェア「EncForge」などの攻撃に繰り返し利用されている。
一方、Tomcat of Tomcatの脆弱性(CVE-2026-34486)は、中国語話者のアクター(knaithe/KnYuan)による「AI自律型ハッキング」に悪用されていた。Unit 42によると、攻撃者はHermes Agentを介してDeepSeekを自律的な攻撃ツールとして使用し、インターネット上の端末を狙っていた。
このAIエージェントは、当初Langflowの別の脆弱性(CVE-2026-33017)の悪用に失敗した際、自律的に調査を行って自動化ツール「n8n」の脆弱性などを特定し、新たな侵入ルートを探索したという。
また、Citrix NetScalerやMarimoへの手動攻撃も並行して実施され、計460以上の標的が狙われた。AIの計算コストを抑えるためDeepSeekに標的を絞り込ませるなど、人間の手作業なら数百時間かかる分析を数分で行いつつ、リソース管理も行っていたとされる。AIによる自動化とリソース管理を両立させたこの攻撃手法は、防衛側にとっても警戒すべき新たな動きだ。
100カ国以上を標的とした大規模キャンペーン
Tomcatの脆弱性は、別の中国系脅威アクターによる100カ国以上の政府や商業インフラを標的とした大規模キャンペーン(2026年4月〜6月)でも悪用されていた。
この攻撃はLinux用マルウェア「SNOWLIGHT」の配信が目的だ。SOCRadarが攻撃者の露出したC2(指令、乗っ取ったシステムに遠隔から命令を送るためのサーバー)サーバーを分析したところ、偵察リストや9件の攻撃コード、中国製Cobalt Strikeの改造版などが発見された。
攻撃者は公開されたPoC(概念実証、脆弱性の悪用が可能であることを実証するプログラムコード)などを基にツールを構築し、9つの脆弱性を悪用して計107台の機器に侵入した。これにはcPanel/WHMの権限奪取16件や、ProxyShellを利用したドメイン管理者権限の侵害1件が含まれる。
補足
KEVカタログに登録された脆弱性は、組織が最優先で対処すべきリスクとされる。今回追加された脆弱性については既にパッチが公開されており、関係者には速やかなシステム更新が推奨される。