米Google、Geminiに対話効率化機能「Skills」を提供開始 反復タスクの自動化とGemsからの移行を発表
要点
-
米Googleは2026年9月30日、AIチャットサービス「Gemini」において、カスタム指示を登録して再利用できる新機能「Skills」のグローバル展開を開始した。
-
プロンプト入力欄にスラッシュ「
/」を入力して素早く呼び出せるほか、複数スキルの同時適用やテキスト・PDF・画像などの参照ファイル添付に対応する。 -
従来のカスタマイズ機能「Gems」の後継と位置付けられており、2026年11月から2027年6月にかけて段階的にサービスを終了し自動移行が行われる。
-
すべてのGoogle AIサブスクリプション利用者を対象に18歳以上向けに提供が開始されており、今後数週間でGoogle Workspace各プランにも対応を拡大する。
-
米Googleは現地時間2026年9月30日、生成AIサービス「Gemini」のチャット画面において、繰り返し行う作業を効率化するための新機能「Skills(スキル)」を全世界で提供開始したと発表した。Gemini App担当シニアプロダクトマネージャーのデヴェン・トクノ(Deven Tokuno)氏が公式ブログで明らかにした。同社がこれまで提供してきたカスタマイズ機能「Gems」を置き換える新機能として位置付けられている。
スラッシュ入力で呼び出すカスタム指示機能
「Skills」は、ユーザーが日常的に繰り返し使用するプロンプトやカスタム指示をあらかじめ保存しておくことで、その都度詳細な指示を入力することなく呼び出して実行できる機能だ。従来は「Gemini Spark」において先行して提供されていたが、今回のアップデートによりGeminiのメインチャット画面へ直接統合された。
スキルの作成後は、チャットのプロンプト入力欄でスラッシュ記号「/」に続けてスキル名を入力するだけで、登録した指示を即座に適用して作業を進めることができる。また、過去のチャットのやり取りをもとにGeminiがカスタムスキルの作成を支援する機能や、ユーザーが該当するプロンプトを入力した際に自動でスキルを認識して実行する機能も備えているという。
複数スキルの組み合わせとファイル参照機能
Skillsでは、単一の指示を実行するだけでなく、複数のスキルを同時に組み合わせて利用する「スタック」に対応している。たとえば、「自身の文体を再現するスキル」と「社内のブランドガイドラインを適用するスキル」を同時に併用することで、組織のルールを守りながら個人のトーン&マナーに沿ったドキュメントや文章を生成するといった高度なタスク処理が可能になる。
さらに提供開始時点から、プレーンテキスト、PDF、画像などの参照ファイルをスキルに含めることが可能となっている。これにより、特定の資料や前提情報を読み込ませた上でのタスク実行が容易になる。
Googleが挙げている具体的なユースケースは以下の通りだ。
- プレゼンテーションの準備:スライドの骨子作成、論点メモの整理、想定される質疑応答の対策などをまとめたスキルの構築
- 執筆スタイルの再現:Google Workspaceアプリ全体におけるユーザー固有の文体を反映させ、自分らしい文章作成を迅速化する
- 多角的な視点の提示:特定の議題に対して常に3〜5つの異なる視点からのフィードバックを出力させ、アイデア出しや意思決定をサポートする
既存機能「Gems」の廃止と自動移行スケジュール
今回のSkillsの導入に伴い、Geminiで従来提供されてきたカスタム指示機能「Gems」は段階的に廃止されることが発表された。Googleは今後数週間をかけて、Gemsで提供されていた他者との共有機能や、Google ドライブ内のファイル追加、Gemini Notebookのノートブック連携といった機能を順次Skills側へ移植していく方針を示している。
Gemsのサポート終了はアカウント種別ごとに段階的に実施される予定となっている。
- 個人アカウント(一般ユーザー):2026年11月にサポート終了
- Google Workspace(ビジネス、エンタープライズ、非営利団体):2027年3月にサポート終了
- Google Workspace(教育機関向け):2027年6月にサポート終了
Googleによると、Gemsのサポート終了時には既存のGemsデータが自動的にSkillsへと移行される仕組みが用意されており、ユーザーが手動で移行作業を行うことなくシームレスに新機能へ切り替えられるよう配慮されているという。
実験的プロジェクト「Opal」の終了と利用条件
Skillsへの移行に伴う変更の一環として、Google Labsで展開されていたミニアプリ作成の実験的プロジェクト「Opal」も、個人向けGemsの終了と同じく2026年11月をもってサービスを終了(ターンダウン)することが告知された。また、Google Labs版のGemsについても同時に提供を終了するが、これらLabs版のGemsについてはSkillsへの自動移行の対象外となることが補足されている。
SkillsはすべてのGoogle AIサブスクリプションプランの契約者を対象に提供される。現時点では18歳以上のユーザーが利用可能となっており、18歳未満(U18)のユーザー向けには近日中に提供される見込みだという。また、一般ユーザー向けのグローバル展開に続き、Google Workspaceのビジネス、エンタープライズ、非営利団体、教育機関向けのユーザーに対しても、今後数週間以内に順次展開される予定となっている。