OWN NEWS GATHER
← 戻る
Google Gemini Blog

米Google、ケータリング業務におけるGemini活用事例を公開 大人数向け調理の計算や仕入れを効率化

要点

  • 米Googleは2026年9月28日、ニューヨークの食料品・総菜店「Edy's Grocer」によるAIアシスタント「Gemini」の活用事例を公式ブログで公開した。
  • 同店オーナーのEdy Massih氏は、最大200人規模のケータリングに向けたメニューの拡大調整、買い物リストの自動生成、食事制限への適応にGeminiを活用している。
  • 単純な掛け算では崩れやすいスパイスの配合比率をGeminiで調整し、手作業による計算ミスや調理の失敗を防いでいる。
  • 複数メニューの共通食材を合算し、スーパーの売り場ごとに分類された仕入れリストを作成することで、食品廃棄やコストを最小限に抑えている。

リード文

米Googleは2026年9月28日、公式ブログ「Google Gemini Blog」において、ニューヨーク・ブルックリンにある食料品店兼デリ「Edy's Grocer」がAIアシスタント「Gemini」をケータリング業務に導入している事例を明らかにした。同店のオーナーシェフであるEdy Massih(エディ・マッシー)氏が、家庭向けレシピを最大200人規模のイベント向けに展開するにあたり、Geminiを活用して調理準備や食材調達を効率化しているという。

本文

伝統料理の大規模展開に伴う厨房の課題

ニューヨークのグリーンポイント地区で営業する「Edy's Grocer」では、店舗でのデリカウンター業務に加え、出張ケータリング、ポップアップ出店、地域イベントへの対応を並行して行っている。オーナーのMassih氏は、家伝のレバノン料理を大人数のパーティー向けに拡大して提供する際、業務のボトルネックに直面していたという。

特に家庭用レシピを大量調理用へと変換する際、紙の上で手作業による計算を行うことは多大な時間を要し、繊細なスパイスやペストリー(焼き菓子)の配合比率に誤りが生じるリスクを伴っていた。Massih氏は「材料を単に50倍にするだけでは料理を台無しにしてしまう」と指摘しており、単純な比率計算では対応できない味のバランス調整が課題となっていた。

1. 調理比率の破綻を防ぐレシピのバッチ変換

こうした調理計算の負担を軽減するため、Massih氏はGeminiを補助的な調理担当者や業務戦略の立案役として位置づけている。同氏は手作業での計算を行わず、Geminiを用いて家庭用の配合を大量調理用のバッチ(一括調理単位)へ即座に変換させている。

Geminiは全体の調和を保ちながら各材料の分量を自動で再計算するため、調理スタッフは手計算に時間を取られることなく仕込み作業に入ることが可能になったという。具体例として、8人分のチキンシャワルマラップ(味付け肉を薄焼きパンで巻いた中東料理)を大規模イベント用の50人分へ拡張する際、スパイスが過度に主張しすぎないよう配合を調整しつつ、食材リストを売り場ごとに整理させる指示が出されている。

2. 売り場別リストの自動作成と仕入れの最適化

ケータリングで提供する複数のメニューを準備する場合、従来はレシピごとに必要な食材を手作業で照合・合算して買い出しリストを作成する必要があった。Massih氏はGeminiにイベントのメニュー全体を入力し、スーパーの陳列通路(売り場)ごとに分類された仕込みシートを生成させている。

この仕組みにより、複数の料理で使われる共通の食材が自動的に合算され、イベント数日前からの仕込みスケジュールも体系化されるようになった。Massih氏は「Geminiは正確な材料の内訳を提示し、必要なすべてを網羅した買い物リストを作成してくれるため、食品廃棄やコストを最小限に抑えることができる」と述べている。同店では、フムス(ひよこ豆のペースト)やババガヌーシュ(焼きナスのディップ)、ツァツィキ(ヨーグルトとキュウリのソース)などを盛り合わせた10〜12人前のメッゼ(前菜盛り合わせ)用リスト作成などにこの手法を用いている。

3. 風味を損なわない食事制限への適応

ケータリング業務では、来客のアレルギーや食事制限(グルテンフリーやナッツフリーなど)への配慮が不可欠となる。しかし、料理の分量を何倍にも拡大しながら、さらに個別の制限に合わせて材料を置き換える作業は極めて難度が高い。

Massih氏はGeminiに対し、伝統的なレバノン料理の風味を損なわずに食事制限を満たす代替材料の提案を求めている。同氏は「レシピを拡大した上で変更を加えるのは信じられないほど困難であり、計算と手配はすべてGeminiに任せている」と説明する。たとえば、ピスタチオを使った伝統菓子バクラヴァやタヒニ(ゴマペースト)のブラウニーをグルテンフリーおよびナッツフリー向けにアレンジする際、独特のサクサクした食感を維持できる代替食材をGeminiから引き出しているという。

補足

Googleは今回の事例を通じ、飲食現場における煩雑な事務作業や計算業務を生成AIで代替することで、料理人が本来の調理に集中できる環境を整えられると説明している。

元URL