米Navan、CursorのCloud Agents活用で8アプリの移行を1週間に短縮——200名が利用、PRの36%をAIが担う
要点
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米NavanがCursorの「Cloud Agents」を活用し、Spring Boot 4への移行を従来の1か月から約1週間に短縮した。
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8アプリと15ライブラリの移行を自社マシンのエージェントへ並列委譲し、コード凍結なしで完了させた。
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社内では約200名が日常利用し、直近30日間にコアリポジトリにマージされたPRの36%をCursorが作成した。
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仕様説明からのエージェント生成や調査短縮、1名でのフルスタック開発などプロダクト開発でも活用が進む。
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エージェントが計画と実行を担う一方、推論監視やコードレビュー、ステージング検証など最終判断は人間が行う。
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出張・経費管理プラットフォームを提供する米Navanが、AI開発ツールCursorの自律型エージェント機能「Cloud Agents」を活用し、大規模なフレームワーク移行を短期間で完了させたと発表された。Cursorを提供する米Anysphereが2026年10月16日付の公式ブログで明らかにした。Navanではコアリポジトリにマージされるプルリクエストの36%をCursorが作成するなど、全社規模で開発業務の並列化が進んでいるという。
8つのアプリに及ぶSpring Boot移行を1週間で完了
Navanが実施した直近のシステム移行では、JavaのWebフレームワーク「Spring Boot 4」への移行対象が8つのアプリケーションと15のライブラリに及んでいた。この作業が、通常開発を止めるコードベースの凍結を行わず、約1週間で完了したという。
シニアスタッフソフトウェアエンジニアのラフル・ポプリ(Rahul Popuri)氏によると、2年前のSpring移行では完了までに1か月以上を要し、不完全なプッシュや差し戻しによってmasterブランチが丸1日ロックされる混乱もあった。解除後も他メンバーの作業再開に数日間の遅れが生じていたという。
今回の移行では、ポプリ氏があらかじめ策定した計画に基づき、Navanのセルフホスト(自社保有)マシン上で稼働する複数のCloud Agentsへ各コンポーネントの移行を委譲した。これにより8アプリと15ライブラリの並列更新が実現した。エージェントは社内ツールを用い、同一マシン上でブラウザを自律起動して画面操作テストを行うことで、変更内容の動作検証まで自動で完了させたとしている。
社内MCPと連携する自律エージェント基盤
ポプリ氏は自身の作業の大半をCloud Agentsへ移行させている。GitHub関連の作業はCursor側のクラウド基盤で動作する一方、データウェアハウス「Snowflake」や「Slack」と連携する社内向けのMCP(Model Context Protocol:外部データやツールとAIを接続する規格)はNavanのセルフホストマシン上で稼働している。
この環境上で自動化機能や文脈記憶が機能し、評価ループや移行処理が人間の常時監視を伴わずに非同期で進行する仕組みが整えられた。かつての環境のように端末の前でエンジニアが付き添う必要はなくなったという。
この運用体制は全社に普及しており、NavanでCloud Agentsを日常的に利用するエンジニアは約200名と、2026年4月比で10倍に急増した。直近30日間にコアリポジトリへマージされたプルリクエストのうち、Cursorが作成したものは36%に達している。
プロダクト開発での活用と引き継ぎの迅速化
エージェントの導入効果はプロダクト開発の現場にも波及している。経費・請求チームのスタッフソフトウェアエンジニアであるエルトン・ヤン(Elton Yang)氏は、自然言語による仕様説明からワークフロー用エージェントを構築している。Cursorが既存の設計パターンに沿ってプロンプト自体を作成するため、手作業の記述なしに即日テストを開始できるようになった。
これにより、少人数チームでの対応力も向上した。専任AIチームから人員が異動した後、従来は2〜3名で複数スプリント(アジャイル開発における短い開発サイクルの単位)を要した機能開発を1名のエンジニアが引き継いだ。手動の銀行口座連携機能では、1名のエンジニアがAngularフォームのReact再構築からバックエンド接続までを完遂させ、フルスタックで新機能の提供を継続させた。
また同僚の不在時における引き継ぎでも効果を発揮している。ヤン氏が不慣れな2つのコードベースを引き継いだ際、Cursorがログやデータベース情報を整理して全体像を提示したことで、ソースコードを開く前に問題を把握でき、約2日間の調査時間と学習負担が削減されたという。
最終判断とレビューは人間が担当
自律的な処理が進む一方、Navanでは品質保証と最終責任を人間が保持する運用を徹底している。ヤン氏はエージェントを「ペアプログラマー」と位置づけ、推論プロセスを監視して誤った前提を発見した際は即座に修正している。
生成されたコードは通常通りのレビューやテスト、ステージング環境での検証を経る。複雑な変更については本番適用前のステージング検証が必須とされ、エージェントが作業の計画と実行を担う一方、設計判断や最終承認はエンジニア自身が責任を持つ体制を維持している。