米オラクル、ChatGPTとCodexで社内業務を迅速化 採用調査を98%短縮、10万人超が活用
要点
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米オラクルがOpenAIの「ChatGPT Work」と「Codex」を全社規模で導入し、多様な業務の迅速化を進めている。
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社内のアクティブユーザー数はChatGPTが13万人、Codexが9万5,000人以上に達している。
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人材採用部門では市場調査にかかる時間を従来の2〜4日から15〜20分へ短縮し、98%の工数削減を達成した。
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自然言語からのSQL生成や障害対応を効率化する一方、コードの保守性維持など運用統制の重要性も示された。
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米オラクル(Oracle)が、OpenAIのビジネス向けAIツール「ChatGPT Work」およびコード生成AI「Codex」を活用し、全社的な業務効率化を進めていることが明らかになった。OpenAIが2026年10月8日に公開した事例レポートによると、同社では10万人を超える規模の従業員が日常業務にこれらのAIツールを導入しているという。従来は専門職が数日を費やしていた各種作業が、数分で完了するワークフローへと刷新されている。
人材採用の調査時間を98%削減、独自ツールで業務を標準化
オラクルの人材採用部門では、ChatGPT Workを用いて「タレントマーケットインテリジェンスツール」と呼ばれる独自の調査システムを構築した。本ツールは、求人票(職務記述書)を入力することで、類似する役職の市場調査や報酬水準の比較、地域ごとの候補者層の分析を自動で実行する仕組みとなっている。
同社シニアバイスプレジデント兼人材採用グローバルヘッドのジャン・アッカーマン(Jan Ackerman)氏によると、従来こうした事前調査には2〜4日を要していたという。新ツールの導入後は面談準備が15〜20分で完了するようになり、調査時間は98%削減された。
また、処理速度の向上だけでなくプロセスの標準化も実現した。以前は担当者ごとに情報収集の手順や質にばらつきが生じていたが、共通ツールの導入により、どの担当者が対応しても同一水準のデータと分析結果を採用責任者に提示できるようになったと説明している。
自然言語からのSQL生成とインシデント対応の迅速化
社内の基幹業務を支援するOracle Applications Lab(OAL)では、Codexを活用してデータ抽出の効率化を実現した。同組織は社内のデータ構造や関連規則を整理したオントロジー(概念や関係性を体系化した情報モデル)を整備。これにより、利用者が日常会話のような自然言語で求める結果を指示するだけで、Codexがデータベース操作用の問い合わせ言語であるSQLクエリへと変換する環境を整えた。
利用者が求める成果を入力すると、Codexが適切な社内システムを特定して情報を収集し、分析結果やレポート、簡易なアプリケーションとして返却する。OALのグループバイスプレジデントを務めるリチャード・ラム(Richard Lam)氏によれば、通常なら数時間かかるデータ集計作業に対し、リクエスト送信後ほぼ即座に回答が得られた事例があったという。過去の手作業によるプロセスと照合した結果、数値は完全に一致していたとしている。
さらに、システムの安定稼働を担うSRE(サイト信頼性エンジニアリング)部門でもCodexの導入が進んでいる。障害発生時の背景情報収集や対応手順書(プレイブック)の自動抽出にAIを用いることで、情報探索の手間を削減した。その結果、従来は解決に1時間を要していた典型的な簡易インシデントの対応が、数分で完了するようになったと報告されている。
現場リーダーが示すAI活用の3つの原則
AIによる自動化が進展する一方で、最終的な成果物に対する責任は依然として人間が負う必要があるとして、レポートでは運用上の教訓が3点紹介されている。
1点目は「適切なガードレールの設定」だ。ラム氏は、システム設計やアーキテクチャ、セキュリティ、Codexが生成するコード構造の指定について、人間側が強い責任感を持って制御し続けなければならないと指摘する。
2点目は「仕様書の代わりにプロトタイプを作成すること」である。CIOテクニカルアドバイザー兼バイスプレジデントのバリー・シルムーバー(Barry Shilmover)氏は、書類上で詳細な仕様を練る代わりに、AIを用いて動く試作品(プロトタイプ)を速やかに形にする手法へ移行したと述べている。
3点目は「コードの保守性の確保」だ。人間がCodexと協調してコードの内容を把握し続けなければ、社内に保守不能なコードが大量に蓄積される事態に陥るとラム氏は警鐘を鳴らしている。
成果の定義へシフトする業務形態
オラクルでは現在、採用、データ分析、エンジニアリングなどの各部門において、担当者が「求める成果」を定義し、具体的な処理手順をCodexやChatGPTに委ねる業務形態への転換が進んでいるという。シルムーバー氏は、今後直面する未知の課題に対しても、Codexを解決手段の第一歩として活用していく姿勢を示している。