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The Hacker News

米司法省、Telegram上の巨大詐欺市場「Xinbi Guarantee」を摘発 暗号資産5280万ドルを凍結

要点

  • 米司法省は、詐欺ツールや資金洗浄サービスを仲介するオンライン闇市場「Xinbi Guarantee」を摘発し、暗号資産5,280万ドル相当を凍結した。

  • 同市場は2022年の開設以来、累計300億ドル規模の不正取引を処理した史上2番目に巨大な不正マーケットプレイスとされる。

  • 詐欺サイト制作や資金洗浄、詐欺拠点の労働力調達などをエスクロー方式で仲介し、投資詐欺グループの活動を支えていた。

  • 特別対策部隊がマダガスカルの詐欺拠点13カ所を摘発し、電子機器3,200台以上を押収するとともに約400人を拘束した。

  • 米財務省も、米国人を標的としたサイバー詐欺やマネーロンダリングを助長したとして関連組織に制裁を科した。

  • 米司法省(DoJ)は2026年9月9日、サイバー詐欺グループ向けに各種不正サービスを仲介していたオンライン闇市場「Xinbi Guarantee(新幣担保)」に対する摘発措置を発表した。運営に使われていたメッセージングアプリ「Telegram」のチャンネルを差し押さえたほか、関連ウォレットから5,280万ドル相当の暗号資産を凍結した。さらに特別対策部隊をマダガスカルへ派遣し、同市場を利用していた詐欺拠点13カ所を解体したことを明らかにした。

暗号資産5,280万ドルの凍結とマダガスカルでの拠点解体

今回の取り締まりは、米司法省の「Scam Center Strike Force(詐欺センター対策特別部隊)」を中心とした法執行機関の連携によって実施された。捜査当局はXinbi Guaranteeの運営チャンネルを閉鎖して関連ユーザー名を剥奪し、出金回収用に使われていた暗号資産ウォレット2件(約1,200万ドル相当)を押収した。

さらに米シークレットサービス(USSS)およびブロックチェーン分析企業Ellipticの協力により、Xinbi Guaranteeおよび加盟店ネットワークに関連する52のウォレットが特定され、計5,280万ドル相当の暗号資産が凍結された。取引の大半には、TRONブロックチェーン上で流通するTether社のステーブルコイン「USDT」(米ドルと価格が連動する暗号資産)が使用されていたという。司法省によれば、今回の措置により1日で約5,200万ドルの不正資金が保全され、同部隊による累計保全額は約9億3,800万ドルに達した。

また特別部隊は活動範囲を国際的に広げ、マダガスカルで中国系組織犯罪グループが運営する13カ所の詐欺複合施設を摘発した。現地では3,200台以上の電子機器が押収され、拘束された約400人への聴取をもとに捜査が進められている。拘束者のうちリーダー格とされる中国人約30人は、中国政府により本国へ送還された。

累計取引高300億ドル、史上2位の闇市場に成長した経緯

Ellipticの分析によると、Xinbi Guaranteeは2022年頃の設立以来、累計で300億ドルの不正取引を処理しており、史上2番目の規模を持つ不正マーケットプレイスに成長していた。

同市場は、東南アジアなどで猛威を振るう「ピッグ・ブッチャリング(豚の屠殺詐欺)」(恋愛感情などを利用して信用させ、架空の投資話へ誘導して資金を騙し取る詐欺手口)をはじめとする組織犯罪のインフラとして利用されていた。2025年に同様の闇市場であった「HuiOne Guarantee」や後継の「Tudou Guarantee」が閉鎖されたことで、Xinbi Guaranteeがその受け皿として台頭した経緯がある。

Ellipticの創業者兼チーフサイエンティストであるトム・ロビンソン博士がThe Hacker Newsに語った内容によると、Xinbi Guaranteeは過去にTelegram側の介入を受けた後に復旧しており、プラットフォーム側がそれ以上の対策を講じなかったことが、複数の詐欺市場が乱立する要因になっていたという。

犯罪サービスを保証するエスクローの仕組みと制裁対象の関与

Xinbi Guaranteeは、詐欺拠点の運営者と各種ツールを提供するベンダーをつなぐ仲介プラットフォームとして機能していた。同市場では、特注の投資詐欺サイト制作、電信詐欺で得た資金のマネーロンダリング、詐欺拠点で働かせる人身売買被害者の斡旋など、多岐にわたるサービスが取り引きされていた。

取引においてXinbi Guaranteeは、「エスクロー」(取引完了まで第三者が代金を一時的に預かる仕組み)の役割を果たしていた。司法省の説明によると、詐欺師がサービスを購入すると、ベンダーが役務を完了するまでXinbi側が代金を預かることで、犯罪者同士の取引履行を保証していたという。また米財務省によると、同市場は北朝鮮のハッカー集団や、制裁対象であるJin Bei Group、Prince Group TCO傘下の組織などにも利用されていたとされる。

米財務省による制裁と取り締まりのグローバル展開

今回の作戦と連動し、米財務省外国資産管理局(OFAC)は、米国人を標的としたサイバー詐欺やマネーロンダリングを助長したとして関連組織への制裁を発表した。スコット・ベッセント財務長官は声明で、東南アジアの詐欺センターが米国民から毎年数十億ドルを奪っていると指摘し、犯罪ネットワーク解体に向けてあらゆる手段を行使すると表明した。

米シークレットサービス・ワシントン支局特別捜査官のタラ・マクリーゼ氏は、海外の犯罪者が米当局の手が届かないと思い込んでXinbi Guaranteeを通じて資金洗浄を行っていたと述べた。司法省は今後も特別対策部隊の対象を世界規模へ拡大し、詐欺拠点の解体を強化する方針を示している。

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